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投稿日: 2019.03.27 16:23
更新日: 2019.03.28 19:00

チャンピオン経験者の山本尚貴と石浦宏明が新しいオーバーテイクシステムを語る。解釈の違いが生んだ“ボタンの押し方”

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スーパーフォーミュラ | チャンピオン経験者の山本尚貴と石浦宏明が新しいオーバーテイクシステムを語る。解釈の違いが生んだ“ボタンの押し方”

 スーパーフォーミュラの2019年シーズンの開幕を前に、富士スピードウェイで行われている公式合同テスト。ここでサーキットを訪れたファンを交えた記者会見が行われ、2018年のチャンピオンである山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)というベテランドライバーのふたりが出席した。

 今年はスーパーフォーミュラの特徴のひとつでもある『オーバーテイクシステム』に大きな変更が加わった。2018年までは5回の使用制限があったが、今年は100秒間の持ち時間制となる。100秒の時間枠の中に使用回数の制限はないが、1度システムを使用すると、その後は100秒間は使用できないようにインターバルが設けられている。

 この新しいシステムについて、山本も石浦も前向きに捉えているようだ。特に石浦は、100秒間の持ち時間制になったことで、無駄なくシステムの恩恵を受けることができると考えている。

「去年まではオーバーテイクボタンを1回押せば20秒間使えましたが、サーキットによっては無駄になってしまう場所もあったんです。コーナーに入ったところで使って、逆に加速が難しくなったこともありました。そういう無駄な時間がなくなって、有効に使える時間が増えるのかなと思います」と石浦。

「ただそれよりも、今年の(1度使うと)100秒間使えないということの方が要素としては大きいです。オーバーテイクが増える可能性は大きいかなと感じています」

「たとえば富士の場合、前のクルマに追いついてセクター3を立ち上がっても、わざとボタンを押さないということも考えられます。ポジションを守る側のドライバーだけにシステムを使わせてしまえば、次の周には使えない、という頭の使い方もできます。追い抜く際には今までみたいにボタンを押した者同士で競るのではなくて、一気に前に出るとか、次の周はその逆になるとか、そういう可能性が増えるのかなと思います」

 山本は実戦で試してみなければわからないと慎重な姿勢を見せたが、石浦と同様に、システムを使い所を見極めなければならないと話した。

「戦いやすくなったかどうかと言われると、やってみないとわからないのが正直なところです。ただ仕組みとしては面白い仕組みだと思いますし、よく考えたな、と。ただ、僕たちもようやくルールを把握できたところなので、もしかしたらファンの方の中にもまだ理解していない人もいるのではないかと思いますが……」

「使いたいときにオーバーテイクボタンを押せばいいのかというと、そうではないんです。1回オーバーテイクボタンを押して、指を離して解除するとそこから100秒使えないので、相手を追い抜きたいと思ってボタンを押して抜ければいいけど、できなかったときに次のストレートで使えるかというと、少なくとも1周は使えない。今までのシステムとは違うので、抜く方も抜かれる方もシステムの使いどころを見極めないといけないなと思いました」

「使い方としては、一発のアタックに関しては以前とは変わらないかなと思います。システムはまだ最終的に決まっているわけではないのですが、今はボタンを押し続けないと使えない。去年まではボタンを1回押せば20秒間フルで使えていたんですけど、今は押している間だけ使えるので、ボタンをコーナー中に離してしまうとそこから100秒間使えなくなります」

「富士でいうと、最終コーナーを立ち上がってからその次の左コーナー(3コーナー)までが大体30秒くらいのなので、以前は最終コーナーを立ち上がってボタンを押せばそのままずっと使えていました。今は1コーナーを曲がるところまで押し続けながらシフトダウンをしないといけないので、そういう難しさがあります」

記者会見に出席した石浦宏明と山本尚貴
記者会見に出席した石浦宏明と山本尚貴


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