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投稿日: 2019.04.22 08:56
更新日: 2019.04.30 20:31

衝撃の予選と大荒れのサバイバル戦。新時代スーパーフォーミュラ開幕戦で見えた5つのポイントとレースクオリティの懸念

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スーパーフォーミュラ | 衝撃の予選と大荒れのサバイバル戦。新時代スーパーフォーミュラ開幕戦で見えた5つのポイントとレースクオリティの懸念

 予選に続き、決勝も荒れた展開となったスーパーフォーミュラ第1戦。新型車両SF19と新オーバーテイクシステムの導入によって、スーパーフォーミュラは新しい時代へと突入したが、その初戦はどのような内容となったのか。評判どおりのパフォーマンスに、実戦で初めて明かになった変化、そして懸念点を含め、ドライバー、チームスタッフの声、そしてメディアの視点で、第1戦鈴鹿サーキットの週末を振り返る。

 さまざまなトピックスや、昨年までのSF14のレースでは見られなかった光景が多く現れた開幕戦。いきなり結論からになるが、今回の第1戦を見ての昨年との違いを、以下の5つのポイントに絞ってみたいと思う。

●新型車両SF19の走行パフォーマンスは抜群も、レースでは意外なウイークポイントも
●新オーバーテイクシステムで接近戦、順位変動が増加
●ソフトタイヤとミディアムタイムの予想以上のギャップ
●予選Q1の難しさと、予選の勢力図
●トラブル、アクシデントが多く、レースクオリティに懸念。今後はドライバーの体力も心配

●新型車両SF19の走行パフォーマンスは抜群も、レースでは意外なウイークポイントも
 まずは新型車両SF19について。テストでのタイム、パフォーマンスがそのまま実戦でも発揮され、想定通りで世界に誇るワンメイクシャシーと言える出来映えと言えるが、レースでは意外な部分に落とし穴があった。

 実際にはシャシー以外の部分になるが、決勝日の午前フリー走行で平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の車両のタイヤのホイールナットが緩み、平川はマシンを止めた(決勝はタイヤアクシデントでリタイア)。決勝ではTCS NAKAJIMA RACINGの2台がピットでのタイヤ交換後、アレックス・パロウが左フロント、牧野任祐が右リヤのホイールナットが緩んでしまい、リタイヤに追い込まれてしまった。

 今年からホイールナットの素材はこれまでのアルミニウムに加えて鉄も使えるようになり、チームによって素材の選択、そして使用の仕方や管理のノウハウは大きく異なるという。新型車両とのマッチングはテストで試しているとはいえ、どのチームも決勝のレースディスタンスは初めて。ナカジマレーシングは9年ぶりにポールを獲得し、フロントロウを独占してのスタートだっただけに、ホイールナットでのトラブルにチームの落胆ぶりも大きい。

「もっとチームがしっかりしていかないと、これではドライバーの頑張りだけという状況になってしまいますよね。レースはチャンスが得られたときにきちんと結果を出さないといけない。実際、最後まできちんと走っているクルマがありますので、何が悪いのか調べてどうにか対策しないといけない。チームとしての力をきちんと上げていかないといけないと思っています」と話すのは牧野任祐の担当、岡田淳エンジニア。

 予選でデビュー戦でポールポジションという鮮烈なデビューを飾りながら決勝ではリタイヤに終わった牧野は「ちょっと……なんて言葉にしていいのかわからないですけど……悔しいレースになってしまいました。ピットアウト直後は別に異変はなかったんですけど、セーフティカー明けにリヤが何かおかしいと感じていました。クラッシュする直前は明らかに挙動がおかしくなって、どうすることもできませんでした」とトラブルの状況を振り返る。

 ホイールナット以外でも、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、そして石浦宏明(P.MU/CERUMO · INGING)がピットストップ時にギヤトラブルに見舞われ、ふたりともマシンをガレージに入れてしまうことになった。

 関口は1速、2速、5速のギヤを失ってしまい、石浦も「僕が1速で停止線に止まったと思っていたんですけど2速だったので1速に落としたらギヤが1速と2速の中間のところにあって、そこで駆動がかかってギヤを失ってしまいました」と話すように、SF14の時には起きなかったというギヤトラブルが多発。今後はチーム側でも警告アラームを取り付けるなどして対応していくという。SF19の完成度が高かった反面、厳密にはシャシーの部分ではないが、ホイールナットとギヤがウイークポイントであることが明らかになってしまった。

■レースでは新オーバーテイクシステムが効果的に稼働。アクシデント多発の要因


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