2019年スーパーフォーミュラ第2戦オートポリスでメディア向けの定例会見が行われ、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)とハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)というルーキードライバーのふたりが出席した。
2019年シーズンは、7名のルーキードライバーが参戦するスーパーフォーミュラ。第1戦鈴鹿では坪井がルーキー勢トップとなる5位に入賞した一方、ニューウェイは接触によるクラッシュでリタイアとなった。
まずはその第1戦を振り返った坪井。
「開幕戦の予選はあのような形(Q1でクラッシュ)で終わってしまったので、ほろ苦い予選となりました」
「決勝に関しては着実にいこうという思いで、スーパーフォーミュラというレースがどういうものなのかを理解するためにもしっかり走りきることを目標にやっていましたが、荒れた展開のなかでうまく行きました」
「ミディアムタイヤでスタートしましたが、ペースもそれほど悪くなかったのでオーバーテイクもできて、コース上で一度も抜かれることなくレースを終えました。18番手スタートということを考えれば、5位でポイントを獲れたというのはすごく良いレースでしたね」(坪井)
続いて、予選、決勝ともに中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)と2度接触してしまったニューウェイ。
「レースも予選も、結果としては残念だった。体力的には問題なかったけれど、精神的には心が折れたよ」
「でも、日本のみなさんがヨーロッパから来た僕をあたたかく歓迎してくれて、応援してもらえることに感謝したい。素晴らしいファンに恵まれているなと感じているよ」
「クルマに関しては、運転しやすくて気に入っている。レース自体はアグレッシブに良いペースで走っていたと思うし、良い結果が出るのではないかととても前向きに頑張っていた」
「中嶋選手とバトルをして、もしかしたら追い越すチャンスがあるかと思い、かなり激しく前向きにアタックしたが残念な結果になった。ただ自信には繋がったし、良い勉強になったよ」(ニューウェイ)
迎えた第2戦オートポリスでは、金曜専有走行こそドライコンディションで行われたものの、土曜日は朝から雨が降り注ぎ、午前のフリー走行はウエットコンディションとなった。
フリー走行を5番手で終えた坪井は、強い雨のなかでスーパーフォーミュラのマシン『SF19』を走らせたのはこれが初めてだったが、良い感触を掴めたという。
「鈴鹿はフリー走行でも下位に沈んでしまい、あまりリズムも良くなくて、セットアップの方向性も見えない部分が多かったです。そのなかでオートポリスに向けて準備してきたものが良い方向に進んでいます」
「スーパーフォーミュラのマシンをどう扱ったら良いのかというのが、だいぶ見えてきています。タイヤ状況のこともありますが、金曜日は4番手でしたし、決して変なところにいるわけではないと認識できました」
「(土曜フリー走行については)あまりウエットでスーパーフォーミュラのマシンを走らせた経験もないですし、これほどの雨のなかで走るのは今回が初めてでした。ただ結果的に5番手で、ドライでもウエットでもそれほど悪くないのかなという印象を持っているので、鈴鹿のときのイメージはだいぶ変わってきています」
ニューウェイは初走行となるオートポリスで金曜日はエンジントラブルに見舞われたが、土曜日にはそれも解決し、12番手タイムを記録。また本山哲監督からも、アドバイスをもらったことを明かした。
「オートポリスのトラックは、非常に気に入っている。ランオフエリアが少ないというのはすごくチャレンジングだ。ヨーロッパの最近のサーキットは、ランオフエリアも広くいタイプが多いからね。とても難しいけれど、ドライバーとしてはチャレンジングで好きなサーキットだ」
「実は、金曜日にはエンジンに複数の問題があって、何度もピットインとピットアウトを繰り返して問題が起きていた箇所を直したんだ」
「実際にプッシュして走れたラップは6ラップだった。少しは慣れたのかなと思う。金曜日はミディアムタイヤだけを使ったけれど、ソフトタイヤを履かなかったをはおそらく僕たちだけだ」
「おもしろいレースにはなると思うけれど、それほどラップ数を重ねることができなかったのは悔しい。今朝のフリー走行は、雨のなかで短い時間ではあったが問題なく走れた。昨日のことは忘れて前向きにプッシュしようと思う」
「本山監督からも、いろいろなアドバイスもらった。彼はこのトラックをよく知っているからね。『行ってこい。でも、バカなことはするな。トラックを覚えてこい』と言われたよ」