5月18日(土)に開催されたスーパーフォーミュラ第2戦オートポリスのフリー走行。B-Max Racing with motoparkのルーカス・アウアー車のリヤホイールに、カバーが装着されていた。スーパーフォーミュラでは見慣れないパーツに、パドックもざわつく。
アウアー担当のエンジニア、アンドレアス・コーラー氏によると、ドラッグを減らすのが目的とのことだ。DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)では2005年から使われており、モトパークでは欧州のF3でかつて使用していた。その技術と実績が投入されたのだ。
ホイールカバーは非常にセンシティブな空力アイテムで、CFDを駆使したデザイン数は25種類にもおよんだという。コースレイアウトや速度域、前後の空力バランスとの兼ね合いで適切なデザインは異なるらしい。
なお、スーパーフォーミュラではホイールに関する規定も当然あるが、そこに関わってくるのが取り付け方法。
4種類ある取り付け方において、専用のブラケットを介すことでレギュレーションをクリアしている。その詳細は明かされなかったが、”オーソドックスな手法”のようだ。
また、コクピット前に設置されるスクリーンでも、ノコギリ状の工夫が凝らされている。
ここでの整流によってドライバーへの走行風の当たりをやわらげる効果があり、ヘルメットのリフト(揚力)を1.5kg/平方メートルも抑えられるそうだ。そしてこの揚力は、速度域が高くなるほど二乗で効果が高まる。
F1などでも見られるものだが、その効果を体感したドライバーによると「首がラクになった」という。
同チームのハリソン・ニューウェイは空力の鬼才、エイドリアン・ニューウェイの息子。そしてチームはエイドリアン・ニューウェイとも密接な関係を築き、その影響が多分に採り入れられている。B-Max Racing with motoparkからの発信で、スーパーフォーミュラの空力開発がさらに進みそうだ。