レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

投稿日: 2016.09.23 19:00
更新日: 2016.09.23 19:20

【SFの魅力を考察】仕事場はコクピット。ドライバーの過酷で魅力的な世界

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーフォーミュラ | 【SFの魅力を考察】仕事場はコクピット。ドライバーの過酷で魅力的な世界

 今日のスーパーフォーミュラでは、ダウンフォース量が多く、高いコーナリングスピードを誇るマシンで、0.1秒を削るシビアな争いが毎戦繰り広げられている。だが、そのマシンを操るドライバーが、狭いコクピットの中でいかにしてマシンと格闘しバトルを繰り広げているのか、外から見ているだけでは分かりづらいと感じる人も少なくないはずだ。

 スーパーフォーミュラの魅力をお伝えする不定期連載、第2回目はドライバーにフォーカスしお届けする。

 2014年から導入された新シャシー、『SF14』。導入初年度から、各サーキットのコースレコードを次々と塗り替え、その突出したコーナリングスピードに驚いたことは記憶に新しい。しかし、ダウンフォース量が増し、マシンが速くなるという事実は、それを操るドライバーにかかる負担も増すことを意味する。

 2015年のチャンピオンであり、今シーズンもタイトル争いを繰り広げる石浦宏明は、「現在のマシンは高いスピードでコーナリングが可能なので、心肺機能に負担がかかります。また、富士スピードウェイの100Rなど、ステアリングの舵角をキープし、マシン抑えつけながら走る必要のあるコーナーではパワーステアリングが効かないため(SF14ではステアリングを切ることでパワーステアリングが機能。一度切ったステアリング角度のキープはドライバーの腕力のみで行う)筋力が必要です。体重の軽いドライバーは、シートベルトをきつく締めているのに、体が浮いてしまうほどの負担のなか、マシンを操っています」と語る。

チャンピオンの石浦がSFのドライビングについて語ってくれた
チャンピオンの石浦がSFのドライビングについて語ってくれた

 また、コーナリングスピードが速く、コーナーとコーナーの間隔が短いため「息ができる時間が短い」という。「コーナリング中はほとんど息をしておらず、無酸素状態が続きます。直線で少し息をして、コーナーが来ると、また息を止めて走っています」それだけ過酷な状況のなかで、心拍数はじつに190~200回まで上昇するという。成人男性の平均値が1分間に60~80回であることから、精神、肉体ともに強い心臓が必要であることがうかがえる。

 石浦はF3など、ミドルフォーミュラからステップアップしてくる際の苦労として「F3まではレースの周回数も少ないですが、それでも集中力と体力は目一杯の状況で1レース走りきっています。ところが、SFにステップアップすると、何倍もの距離を速いラップタイムを揃えて走らなければなりません。そのうえ、百戦錬磨のベテランたちはレース中、ガソリンの量が減るに従ってタイムを削り常に限界付近で走っているなかで、自分だけがタイムを落とすと、すぐに遅れてしまう。F3まででは体感できない辛さがあります」


関連のニュース