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投稿日: 2019.07.05 18:12
更新日: 2019.07.05 18:13

スーパーフォーミュラ:SF14では不可能だった未踏の領域へ。異常な速さが示すのは、未来への警鐘か

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スーパーフォーミュラ | スーパーフォーミュラ:SF14では不可能だった未踏の領域へ。異常な速さが示すのは、未来への警鐘か

 新しくなったシャシー、運用自由度が高まったオーバーテイクシステム(OTS)、格差の大きな2スペックタイヤ、そして多くのルーキードライバー。2019年のスーパーフォーミュラはレースを大きく「動かす」要素が例年以上に増え、それもあり開幕2戦は非常に劇的な展開となった。

 第1戦鈴鹿は予選12番手のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が、第2戦オートポリスは16番グリッドからスタートした関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が優勝した。彼らには卓越した速さがあり、レースマネージメントも抜群だった。表彰台の中央に立つにふさわしい、素晴らしいレースを戦ったことは間違いない。

 しかし、その一方で戦略的な駆け引きや、セーフティカーのタイミングが展開に大きな影響を及ぼし、個々の選手の真の速さが結果に現れにくいレースだったことも否めない。また、本来はピュアスピードの象徴であるべき予選の順位があまり大きな意味を持たず、それもあってややスッキリしない内容だった。

 しかし、第3戦SUGOに関しては「本当に速いドライバーが勝つ」という、実にシンプルかつ納得の内容のレースだった。シーズン初優勝を飾った山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は金曜日の走り始めから速く、予選でもそのパフォーマンスを存分に発揮。変則的な2グループ制で行なわれたQ1をB組トップで通過した。

 そして、続くQ2では1分3秒953を記録。昨年の予選で野尻智紀が刻んだ1分4秒694というコースレコードを、一気に塗り替えた。

 Q3に関しては路面がやや湿っていたが、それでも山本は1分4秒532をマークした。TCS NAKAJIMA RACINGの2台が相次いでSPコーナーでクラッシュし多くの選手がアタックをできないまま赤旗終了となり、山本が今季初のポールポジションを獲得。そのQ3の走りももちろん素晴らしかったが、白眉はやはり1分3秒台に入ったQ2でのアタックである。

 オンボードカメラは山本の驚異的なドライビングを記録していた。特に強烈だったのは、高速の3コーナーと最終コーナーの走り。映像で確認する限り、アクセル全開で駆け抜けているように見えた。

「3コーナーに関しては、少しアクセルを緩めました。その量は他の選手よりも少なかったかもしれないし、多分全開で行くこともできたと思います。全開でもハンドルを多く切っていけば、抵抗でスピードが落ちるので」と山本。

 しかし、最終コーナーについては「アクセル全開でした」と、予選終了直後に語っていた。それは、SF14では不可能だった未踏の領域。スーパーフォーミュラの歴史に、また新たなる1ページが刻まれた。


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