全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士でメディア向けの定例会見が行われ、今大会からTEAM MUGENよりシリーズに参戦するパトリシオ・オワードが出席した。
2019年シーズン、TEAM MUGENからは野尻智紀と、レッドブルの育成ドライバーであるダニエル・ティクトゥムというふたりがスーパーフォーミュラに参戦していた。ところが6月末、レッドブルが成績不振を理由にティクトゥムとの契約を解除したことを明かし、ティクトゥムはスーパーフォーミュラのシートをも失った。
そのティクトゥムに代わってTEAM MUGENに加入したのがオワードだ。彼は2018年にインディカー・シリーズの下位カテゴリーであるインディライツでタイトルを獲得し、今年はインディカーにスポット参戦というかたちでカーリンから出場している。そして5月より、彼はレッドブルの育成ドライバーの一員となった。
そんなオワードは、まず会見の冒頭に「みなさんこんにちは、パトです。よろしくお願いします!」と日本語で挨拶を述べ、日本語を勉強中であることを明かした。
「日本に来たのはこれが初めてだ。これまでみなさんに歓迎してもらって、すごく楽しんでいる。御殿場に来る前には東京で数日過ごしていて、とても美味しい寿司を食べたよ」
事前のテストなどもなく、ぶっつけ本番でのスーパーフォーミュラデビューを果たしたオワード。金曜専有走行では27周を走り込み、タイムこそ最下位に終わったものの、その手応えについて次のように述べた。
「スーパーフォーミュラの第一印象は、すごく速いクルマだなと思った。ダウンフォースも効いているし、ドライバーが早くこれに慣れないと、自信を持って走ることはできない」
「ソフトタイヤに関しては、(インディカーで使用している)ブリヂストンよりヨコハマタイヤの方が若干硬い。ミディアムタイヤはかなり硬いので、それに適応するのに手こずっている。急に力を加えると保たないし、この点が一番難しいところだ」
突然のシリーズ参戦にもかかわらず、土曜フリー走行ではホンダ勢トップとなる8番手タイムを残したオワード。早くもその才能を見せたかのように思われたが、本人はいたって慎重な姿勢のようだ。これからの予選、決勝レースを前に、オワードは次のように意気込みを語った。
「誰でもそうだけど、まったく知らないカテゴリーで、コースもクルマもまったくわからない状態で、シーズンの途中からいきなり参加するというのは本当に大変なことだと思う」
「他の人たちはコースやクルマのことをわかっているけれど、僕はまったくわからないので、今週末は少しでも慣れること、少しでも他の人たちに追いつくことが一番大事なことだと思っている。そういう意味では、まだまだやらなければいけないことはたくさんある」
「すごく競争力のあるクルマが走る新しいシリーズに参戦することで、たとえばF1などの次のステップを考えた時に、将来に備えるためには最適なシーズンだ」
「フリー走行を走って、とても楽しんで走っている。今週末もこれから先が楽しみだよ」