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投稿日: 2019.07.18 13:50
更新日: 2019.07.18 13:52

スーパーフォーミュラ:“感覚”と“理論”の両輪。ルーキー、アレックス・パロウが雨の富士で完勝のワケ

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スーパーフォーミュラ | スーパーフォーミュラ:“感覚”と“理論”の両輪。ルーキー、アレックス・パロウが雨の富士で完勝のワケ

 7月13~14日に行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士。シリーズ出場初年度、4戦目でのポール・トゥ・ウインを飾った22歳のアレックス・パロウは「予想よりも時間がかかってしまった。なぜなら、開幕戦の鈴鹿でも勝てた可能性があったから」と、サラリと言った。

 文字で読むと相当な自信家で鼻持ちならぬ男だと感じるかもしれないが、1度でも彼と話をしたことがある者なら、絶対にそうは思わないだろう。オープンでフレンドリーなナイスガイ。その明るさ以上に、誠実な態度が人の心をつかむ。

 パロウと牧野任祐の加入により「チームは明るく前向きになった」と、ナカジマレーシングのスタッフのひとりは喜んでいた。

トップフォーミュラ9年ぶりの優勝となった中嶋悟監督(左)も満面の笑みを浮かべる
トップフォーミュラ9年ぶりの優勝となった中嶋悟監督(左)も満面の笑みを浮かべる
第4戦富士には、パロウの家族がスーパーフォーミュラ初観戦に訪れていた。妹とも喜びを分かち合う
第4戦富士には、パロウの家族がスーパーフォーミュラ初観戦に訪れていた。妹とも喜びを分かち合う

 いくらナイスガイでも、ドライバーである以上1番重要なのは速さと、結果を残すこと。レースでは速さこそが正義だ。その点でも、パロウは文句のつけようがない。開幕戦鈴鹿の予選ではQ1とQ2でトップ、Q3では牧野にルーキー最初のポールポジションを奪われることになったが、それに次ぐ2番手を獲得。決勝ではファステストラップを刻んだ。

 どんなマシンであろうと、乗ってすぐに速く走れるという事実がパロウの非凡な才能を示す。日本での初レースとなった2017年全日本F3選手権の岡山でも、いきなりポールポジションを獲得し、レース2で優勝を飾った。また、同年12月に行われたスーパーフォーミュラの鈴鹿ルーキーテストでは、わずか2時間の走行ながらルーキー勢トップのタイムを刻み、評価をさらに高めた。

 ナカジマレーシングでパロウを担当する加藤祐樹エンジニアは、そのときの様子を次のように振り返る。

「アレックス(・パロウ)が乗ったとき、自分たちのマシンには少し問題がありセクター1で不安定でした。しかし彼はそれをすぐに見抜き、ドライビングをアジャストして走ったのです」

「具体的にはクルマをスクウォート(後傾)させ、ダンパーのストロークを数ミリ低い状態に保って走っていた。ひとことで言えば適応能力が高く、クルマに合わせてドライビングをフレキシブルに変えられる器用なドライバーです」


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