ドライバーやメカニック、チーム関係者をはじめ、さまざまな職種の人たちが携わっているモータースポーツの世界。ドライバーなど、目につきやすい職種以外にも、なかなかスポットライトの当たりにくい裏方としてモータースポーツを支えている人たちも大勢いる。そこで、この連載ではレース界の仕事に光を当て、その業務内容や、やりがいを紹介していく。第4回目の今回は、初めての“支えている人”……ではなく、“支えているくま”をご紹介。
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ファンの皆さんなら、スーパーフォーミュラをはじめとしたレースが開催されているサーキットで、軽快なステップで向こう側から歩いてきて、子どもたちと写真を撮ったり男性、女性問わずあちこちでハグしたり話をしている“くま”を見たことがあるはずだ。『くま吉』と名付けられたこのくまは、トヨタくま吉とレクサスくま吉のふたりがサーキットでは活躍している。トヨタ/レクサスのモータースポーツ活動を応援する愛されキャラだ。
そんなトヨタくま吉だが、最初にサーキットに来たのは2013年。「その頃は、若いドライバーを見つけては『かめはめ波』をやってましたね(笑)」というのは、いつもサーキットでくま吉をアテンドしている“飼い主”さん。
「実は先に、2011年からレクサスくま吉が出てきたんです。今とはちょっと目つきが違いましたが(笑)。またその先祖として、トヨタF1ベアというのが2005年ごろにいました。親なのかひいおじいさんなのかは分かりませんが」
さて、そんなトヨタくま吉に、ふだんどんなお仕事をしているのか教えてもらおう。ここからは、いつもどおり(?)筆談での取材だ。
──トヨタくま吉さん、あなたのお仕事の内容をまずは教えてください!
トヨタくま吉(以下トヨタくま吉):イベント広場でのファンの方とのふれあいとか、ゲーム大会。あと、スーパーフォーミュラのみりょくを知ってもらうために、ピットウォーク、グリッドウォークもしてます!
──なるほど。とはいえ、雨の日のイベントもあったり、一部からはポカスカされたりすると思いますが、この仕事で辛いことなどはないですか?
トヨタくま吉:つらいことはないです。むしろ、たくさんのレースファンの方、ドライバーさん、関係者の方に、かわいがってもらってるので、とっても幸せです!
──その笑顔からはたしかに“辛さ”は感じられませんね(そりゃそうか)。最後に、くま吉ファミリーを代表して、レースファンの皆さんにメッセージをお願いします。
トヨタくま吉:ぼくたちくま吉をおうえんしてくれてありがとうございます! これからもよろしくおねがいします!
トヨタくま吉:サーキットもラリーも天気とか気温とかかわりやすいから、体にきをつけながらもレースたのしんで下さい☺︎
──ちなみになんですが、トヨタくま吉さんのような仕事に就くにはどうすればいいんでしょう?
トヨタくま吉:んー……くまになるしかないとおもう。
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というわけで、インタビューにお応えいただいたトヨタくま吉さん。この取材は岡山国際サーキットのメディアセンターで行ったのですが、周囲からは「ギャラいくらなの?」という声も。飼い主さんいわく、「シャケ払い」だそうです。
トヨタGRスープラがGT500クラスに登場する2020年の去就も気になるところですが、来季もサーキットではトヨタくま吉が癒やしをくれそうです。
トヨタくま吉
10月4日 日本生まれ。トヨタのモータースポーツ活動を応援するくま。好きな食べ物はB級グルメ、趣味はラジオ体操、食べ歩き。特技はかわいいポーズをとること。
くま吉ワールド:https://toyotagazooracing.com/jp/kumakichi/