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投稿日: 2019.10.26 20:39
更新日: 2019.10.26 22:27

チャンピオン決定戦の予選後の山本とキャシディ、ふたりに聞く決勝への手応えとタイヤ戦略のシナリオ

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スーパーフォーミュラ | チャンピオン決定戦の予選後の山本とキャシディ、ふたりに聞く決勝への手応えとタイヤ戦略のシナリオ

 全日本スーパーフォーミュラ選手権の第7戦JAF鈴鹿グランプリの予選で、3列目のグリッドとなってしまったランキングトップの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とランキング2位のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)。同じくタイトルを争うランキング3位のアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)にポールポジションを奪われてしまったが、今回の予選の感触、そして決勝に向けての手応えを聞いた。

 鈴鹿を得意とする山本は5番手、開幕戦で優勝を飾ったキャシディは6番手と、ランキング上位の2人は揃って決勝レースを3列目からスタートすることになったが、まずは今回、どのように予選を振り返るのか。

「5番手は望んでいないし、もっと前からスタートしたかったです。一番獲られたくない相手に(ポールポジションを)獲られてしまったので残念でした」と話すのは5番手の山本。一方、6番手のキャシディは「良い予選だったよ。予想以上に良かった」と予選を振り返る。

 キャシディが予選について比較的ポジティブな感想を語る一方で、山本はポールポジションを逃したことについてはっきりと「残念」と口にしたが、現時点でのパフォーマンスは出し切れたようだ。

「特別大きいミスをしたわけじゃないし、ベストを尽くした結果です。タイムを見たときに『ポールは獲れない』と思うくらいタイムが出なかったけれど、フィーリングとしてはタイム以上の走りができたと思っていました」

「ピットに帰ってきてみたら(タイムを)落としていたポイントがわかったんですけど、自分ではどうにもできないものでした」と山本。

 ポールポジションを逃してしまった山本とキャシディだが、両者ともにクルマに問題を抱えていたわけではなく、むしろフィーリングはよかったようで、山本は「(クルマのフィーリングは)良かったです。それ以上に(パロウが)いいクルマでいい走りをしたということだし、そこで差が出てしまったのだと思います」と素直に相手を認めた。

 一方のキャシディも、ホンダエンジン勢が上位トップ5を独占したことでエンジン面についても話していたが、トヨタエンジン勢のトップになったことが自信にもなったようだ。

「トヨタのなかでトップだったし、ホンダ勢とはかなり大きなマージンがあったからね。良い結果だよ。セットアップはフリー走行を通して少し変えたけれど、予選ではスタートから最後までは同じだった」とキャシディ。

 今回のセットアップに関しては優勝を飾った開幕戦の時のものからアップデートされたもので、シーズンを通して改善が見られている様子。特に第4戦富士スピードウェイからはマシンのフィーリングに大きな手応えを感じているという。

【順位結果】2019スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿 公式予選
予選を5番手終えたニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)

 タイトルを争うふたりがともに3列目からスタートするということで、レース結果を大きく左右するスタート時のタイヤ選択が重要になる。スーパーフォーミュラではスタート直前にグリッドでタイヤを交換する光景を目にするが、ソフトとミディアムのどちらを選ぶのかという重要性はもちろん山本も承知している。

「今から考えても仕方がないですし、みんなグリッドで周りの状況を見て決めるでしょう。ある程度は自分たちにも『これでいこう』というのはあります」

「ただ、今回は勝つため、表彰台に上がるために戦うというのではなくて、チャンピオンを獲るためにライバルのふたりの前でゴールしないといけないので、いつもの戦いとは違う戦い方が必要になると思います」

 一方のキャシディも「スタートのタイヤはまだ決めていない。いずれにせよ(決めるのは)難しいね。ソフトとミディアムに大きな差はないと思う」と、言葉を濁した。

 昨年は『SF14』での戦いだったが、今年導入された新シャシー『SF19』になっても2年連続でタイトルを争うことになった山本とキャシディ。そのふたりが昨年とは違い、予選で3列目に並んだことでレースはどのような展開となるか。ポールポジションを獲得したパロウの攻略も必要だが、パロウを追いながら隣のグリッドからスタートする最大のライバルとの戦い方からも目が離せない。

 山本の連覇か、キャシディの初戴冠か。注目の決勝レースは10月27日(日)の14時にスタートする。


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