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投稿日: 2019.11.05 14:24
更新日: 2019.11.06 21:15

スーパーフォーミュラの新顔19歳ビップス、自身好感触の初陣。ガスリー知る陣営も「及第点以上」

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スーパーフォーミュラ | スーパーフォーミュラの新顔19歳ビップス、自身好感触の初陣。ガスリー知る陣営も「及第点以上」

 2019年スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿に急きょ参戦した19歳の新人ユーリ・ビップス(TEAM MUGEN)。走行初日の金曜がヘビーレインという試練のレースウイークながら、自身も、そしてかつてピエール・ガスリーと共闘した陣営首脳らも、まずまず以上の好感触を得る初陣だったようである。 

 TEAM MUGENは15号車“レッドブル無限号”に、シーズン3人目のドライバーを迎えた。ちなみに前任者パトリシオ・オワードは、2020年のインディカー・シリーズでマクラーレンとシュミット・ピーターソンの共闘新陣営に加わることが10月30日に発表されており、彼のスーパーフォーミュラ離脱はネガティブな方向のものではなかったようだ。

 そして、代わってスーパーフォーミュラをレッドブル無限号で戦うチャンスを得たのが、エストニアの若手ユーリ・ビップスである。

 結果という部分では予選がQ1B組最下位(総合19位)。決勝はおそらく自身のミスが主因だと思われるピットストップ時のエンジンストールもあって、デビュー戦リザルトは18位だった。

 しかし冷静に吟味してみると、FIA-F3(今季シリーズ4位)から来た19歳がいきなりSF19というハイパフォーマンスフォーミュラに乗って、しかも初めての鈴鹿サーキットを走ってトップ同一周回でゴール、トップ差およそ70秒で全20台完走(1台は完走扱い)のレースを戦い終えたのだから、絶賛とはいかないまでも、立派な成績と評していいだろう。

 フリープラクティスのタイムの出方という面でも、彼のタイムだけがつねにガクッと遅い、というようなことはなく、いわゆる“まともなタイムの範疇”におさまっていた。決勝レースでは、ラップタイムからの推算でストールによるロスタイムが25秒ほどあったと思われるので、単純にそれを除くと、トップ差45秒で接戦ゴールした10~12位の3台と近い位置でフィニッシュできていたことになる。

 TEAM MUGENの星学文エンジニアも、「後半のミディアムでのペースは(チームメイトの)野尻(智紀)ともそんなに大きくは変わらなかったですし、ストールがなければ11位くらいだったと思います」とレース後に語っている。チームメイトの野尻は今回の優勝者。やはりビップス、まずまず以上の走りだったと考えてよさそうだ。

 そして本人は、今回のスーパーフォーミュラ初参戦を次のように振り返っている。

鈴鹿でスーパーフォーミュラデビューを果たしたユーリ・ビップス(TEAM MUGEN)
鈴鹿でスーパーフォーミュラデビューを果たしたユーリ・ビップス(TEAM MUGEN)

「まず、忙しい1週間だったよ。いろんなことが僕にとって初めてであり、特にカーボンブレーキのマシンが初めてというのは大きい要素だったと思う。そしてスーパーフォーミュラはすごくパワフルだ。走行初日(金曜)がヘビーレインというのは、理想的な始まりではなかったね。でも、F3とはまったく違うレースでいろいろと学ぶことも多かったし、良い週末を過ごせてとてもハッピーに思っている」

「レース中のピットストップは生涯初だった(苦笑)。レースでのペースに関しては、最初のスティントのソフトがいまひとつ良くなかったけど、そのあとのミディアムではけっこう良かったんだ。チームメイトにもそれほど大きなそん色はなかったくらいだからね。セッションごとに、走行が進むにつれて、自分自身が良くなっていけた感触はあるよ」

「来年について? それは現時点ではノーアイデアだ。ただ、いずれにしても(レッドブル的にも)やはりスーパーライセンスポイントを意識した活動をすることになるとは思う。夢はF1かって? もちろん。ステップ・バイ・ステップで近づいていきたいと思っている」

■チームもビップスを評価。「クルマを大きく壊すミスもなく、希望がもてる子」


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