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投稿日: 2020.04.02 14:47
更新日: 2020.04.02 15:52

可夢偉に倣う、苦しい時のポジティブシンキング「経済は止まるかも知れないけど死ぬ方が悲しい。みんなで協力して今を生き残ろう」

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スーパーフォーミュラ | 可夢偉に倣う、苦しい時のポジティブシンキング「経済は止まるかも知れないけど死ぬ方が悲しい。みんなで協力して今を生き残ろう」

 今年1月に日本人で初めてデイトナ24時間の連覇を成し遂げた小林可夢偉。デイトナで見事、勝利を収めた後、可夢偉はロサンゼルスのホテルに滞在していたという。しかし、カリフォルニア州でも新型コロナの影響が及びはじめ、外出が自粛されるなか、可夢偉はホテルに缶詰状態に。ホテルではNetflixを見て過ごしていたというが、そのうち、ホテルから追い出される事態になってしまったという。

「ホテルの方に、他に泊まれるホテルがないか探してもらったりしました」とアメリカでドタバタに巻き込まれた後、結局帰国。せっかくデイトナで勝利を果たして絶好のシーズンスタートが切れたのに、新型コロナ騒動でリセットすることになってしまった。

 レース以外でも普段からアクティブにさまざまな趣味を持って国内外問わず行動する可夢偉。いつもの日常が遠くなってしまった現在だが、このオフの期間をどのように過ごしているのだろう。

「僕はこの前までNetflixを散々見まくって、見るものがなくなって日本の古いドラマとかも見ましたけど、さすがにもう飽きたなと。なので、今は時間がないと取れない大型免許と牽引免許を取りに行ってます。もうすぐアメリカで買ったキャンプグッズが届くので、その頃にはキャンプに行って盛大なバーベキューをしてみようかなと」

 今の自粛期間をネガティブに捉えるのではなく、この状況でできることは何か。思うようにトレーニングもできず、外出もできない自粛疲れなどなど、多くのストレスが溜まるなかで、可夢偉は自分流の新型コロナ対策&ポジティブシンキングでこの難しい期間をマネジメントする。

「外でのキャンプは室内ではないので、新型コロナ対策としても良いですよね。人のいなさそうなキャンプ場に行って、自分の世界に入ろうかなって思います」

 大型免許取得、そしてキャンプの予定と、この状況のなかでも可夢偉は自分が楽しんでできることを考え続ける。レースの話題では先日、3/24-25日に富士で開催されたスーパーフォーミュラの公式テストの感触はどうだったのだろう。

「ちょっと(クルマのセットアップの先が)見えないです。使用したヨコハマタイヤは昨年と同じスペックと聞きましたけど……今はコースで走っていろいろ実験中です。シーズン開幕、そしれレースに向けていかにいいクルマを作るかというのがすごく大事なので、いろんな方向でセットアップを試してみて、今年の良いセットアップを見つけたいなと思っています」

 今年のcarrozzeria Team KCMGはこれまでの可夢偉の1台体制から2台体制となり、国本雄資が加入。公式テストでは2台体制になったメリットはどのように感じたのか。

「もう、メリットしかないですね。2台体制はメチャメチャ良いですよ。今回のテストでは雄資のエンジニアがドイツにいてコロナの影響で来日できなくて、それは残念でしたけどね」

 2台体制になって今季のスーパーフォーミュラでこれまで以上のパフォーマンスが期待できそうな可夢偉。早くレースが開幕してその姿を見たいところだが、レースを心待ちにしている日本のファンに向けて、最後に可夢偉は思いの丈を語った。

「まずはみんなが協力しあって、国が決めた方針、自粛と言われたらしっかり自粛して、1日でも早くコロナの感染を減らす。そのためにも、若くて免疫のある人の中には『自分は感染しても大丈夫だ』と思っている人がいるかもしれませんが、問題は持病がある方や高齢者が感染すると致死率が高いとのことなので、自分だけの話じゃなくて『自分が知らずのうちに感染を広めてしまう』という可能性を踏まえて行動しなくちゃいけないと思います」

「諦めたら終わりと言いますけど、人生も死んだら終わり。いろいろな人が経済が止まると言っていますけど、それはそれ。経済は止まるかも知れないけど、死ぬ方がもっと悲しいと思う。だから、みんな冷静に動いて、感染している方は1日でも早く回復して、回復する方が増えれば僕らもレースができるし、みなさんも好きなところに行けるようになるし経済も回る、だから今は協力し合って、今を生き残りましょう」

 可夢偉自身も、政府の方針に従って今後も活動するという。「ストレスしか溜まりませんけど、それを解消するために目標を決めて、今は大型免許をとるとかできる範囲で自分のやりたいことをやる。もちろん、大勢の人がいるところにはまず行かないです。人が密集しないところで目標をもって過ごせば暇ではないと思います」

 レースにも通じる『今は我慢の時』。さまざまな苦境や苦しいなかでも耐えてレースで結果を残してきた可夢偉だけに、アゲインストでのマネジメント力には説得力がある。新型コロナの影響が収束してアクティブにレースを楽しめるよう、そしてサーキットに行けるように可夢偉のポジティブシンキングに倣ってみてはいかがだろうか。

小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)長島哲太(Red Bull KTM Ajo)
パイオニアのサポートを受ける小林可夢偉と長島哲太が都内で対談

小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)長島哲太(Red Bull KTM Ajo)
長島哲太へアドバイスを送る小林可夢偉
それぞれの国旗を手に勝利を喜ぶコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rのドライバーたち。左からライアン・ブリスコー、ランガー・バン・デル・ザンデ、スコット・ディクソン、小林可夢偉
それぞれの国旗を手に勝利を喜ぶコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rのドライバーたち。左からライアン・ブリスコー、ランガー・バン・デル・ザンデ、スコット・ディクソン、小林可夢偉

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