2020年シーズンは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で約4ヵ月遅れで開幕した全日本スーパーフォーミュラ選手権もいよいよ来週末に最終戦を迎える。最終戦の舞台でもある富士スピードウェイにはオリジナルキャラクターの『チェカ』が存在するが、そのチェカとともに富士スピードウェイの魅力をアピールするチェカレンジャーがいる。今回はそのなかからcarrozzeria Team KCMGの監督を務める松田次生（通称：次チェカ）とKONDO RACINGから参戦している山下健太（通称：山チェカ）のふたりを召集し、スーパーフォーミュラ（以下：SF）がいかにシビアな世界なのか、そして、来たる最終戦に向けた抱負を語ってもらった。
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──まずは次チェカに質問です。今年、チェカレンジャーに加入した山チェカの印象を教えてください。
次チェカ：年齢が16歳も違うでしょ（※編注：松田41歳／山下25歳）。僕が今のヤマケンぐらいのときに40歳の人はオッサンでしたから、多分そう思っているんじゃないかなーって（笑）。
山チェカ：思っていないですよ！
次チェカ：ドライバーとしては、とにかく速いよね。変に速い。この前（スーパーGT第8戦）もお化けみたいなタイム出していたしね。想定していたものを軽く超えてくる。2019年に（スーパーGTの）チャンピオンを獲ったときも、普通は守るところを「あそこで行く!?」って（苦笑）。自分なら怖くて行けなかったと思う。でも、あそこで行かないとチャンピオンが獲れなかったんだよね？
山チェカ：そうですね。行かないと獲れなかったです。
次チェカ：そういうギャップがすごい。普段はそんなタイプには見えないもん。 僕もニッサンの若いドライバーとは話しますけど、なにか自分の25歳の頃とは考え方が違うなぁ、でも速いなぁという感じですね。
──山チェカから見た次チェカの印象というのは？
山チェカ：レジェンド的な……。
次チェカ：レジェンド⁉︎（笑）
山チェカ：フォーミュラでもすごい成績出されているじゃないですか（※編注：2007年と2008年にタイトルを獲得している）。僕はまだトップフォーミュラで1度しか勝てていないし、タイトルなんて全然獲れる気がしません。
次チェカ：でもスーパーフォーミュラって、周りを知らない最初の頃は結構いける気がしない？ 僕も20歳のときに初めて勝って「俺いける？」と思ってしまって、そこから少し流れが狂ったことがあったな。スーパーフォーミュラはそういうことがある。めぐりあわせとかで結果も変わりやすいのですごく難しいです。
山チェカ：僕の初優勝は参戦してからは3年目でした。ポールポジションは最初の年の3戦目だったので「すごい楽勝だぞ」と思ったのですが、だんだん現実が分かってきましたね（苦笑）。
──それではまず、今シーズンここまでの戦いを振り返ってください。
山チェカ：開幕戦はすごく良かったです。今年は、昨年スーパーGTで組んでいた阿部（和也）エンジニアとスーパーフォーミュラで組むことになりました。すごく信頼していますし、開幕戦でいきなり予選2番手だったので今年は行けるだろうと思いましたね。ただ、得意な岡山（第2戦）に出られなかったのは残念でした。気を取り直してSUGO（第3戦）を頑張ろうと思ったら全然だめ。第4戦のオートポリスもですが速さが足りなかったです。悪くはないですけど、鈴鹿もやっぱり速さがいまいちでしたね。KCMGは最近、調子がいいですよね。
次チェカ：だいぶいい感じになってきたね。（小林）可夢偉選手はクルマの的確な情報を教えてくれる。国本（雄資）選手はエンジニアが迷っているときに「こっちの方向じゃない？」と伝えていたり、そういうふたりの役割がいい方向に来ている感じはあるかな。
──次チェカはスーパーGTでは現役のドライバーでスーパーフォーミュラでは監督を努めていて、カテゴリーは違えどふたつの役割をこなしていくのは難しい部分もあるのではないでしょうか？
次チェカ：難しいのは割り切っていますね。スーパーフォーミュラだと走行前に他チームのウイング（の角度）チェックしたり、ピットの動向を見たり、気がついてしまうことが多いということもあるでしょうけど、とりあえずやることが多いです。セクタータイムなんかも、ドライバーが気になっていてもエンジニアが答えられないタイミングに答えてあげたいから調べる。ドライバー出身の監督さんが「ドライバーのほうがすごく楽」と言うことがありますが、「たしかになぁ」と思います。でもいい勉強にもなりますね。
