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投稿日: 2020.12.20 11:55
更新日: 2020.12.20 12:15

異次元のコースレコード! 野尻智紀が逆転タイトルにつなぐポールポジション獲得。平川亮はまさかの8番手【第7戦富士予選】

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スーパーフォーミュラ | 異次元のコースレコード! 野尻智紀が逆転タイトルにつなぐポールポジション獲得。平川亮はまさかの8番手【第7戦富士予選】

 チャンピオン争いが掛かった最終決戦、12月20日(日)、2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の予選が行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が1分19秒972でコースレコードを更新し今季2度目のポールポジションを獲得した。フロントロウには坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)がつけ、ホンダエンジン、トヨタエンジンの両者が1列目に並ぶことに。ポイントリーダーで最終戦を迎えた平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は8番手で予選ポイントを獲得できず。山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は3番手で1ポイントを加算した。

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦のレース時間が伸びた影響で、スーパーフォーミュラの公式予選は10分遅れでスタート。Q1のA組は午前9時55分にスタートした。このA組には、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(carrozzeria Team KCMG)、大嶋和也(ROOKIE Racing)、笹原右京(TEAM MUGEN)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、シャルル・ミレッシ(Buzz Racing with B-Max)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が出走。

 気温7度、路面温度10度というコンディションで始まった予選Q1、ウォームアップラップは1分22~24秒台で各車が周回し、各車計測2周目でアタックへ。まずはキャシディが1分20秒864でトップタイムをマークすると、すぐさま大湯が1分20秒864で逆転。山本が1分20秒923で大湯に続く。3台は2周連続でアタックするが、わずかにタイム更新には届かず。これでトップ3が決定かと思われたが、2周連続アタックで最後にチェッカーを受けた笹原が1分20秒802で逆転しトップでQ2進出を果たした。以下、大湯、山本、石浦、フェネストラズ、関口がQ1を突破した。

 しかし、ここでまさかのアクシデントが発生。暫定4位でセッションを終えたキャシディだが、ベストタイムの1分20秒933とセカンドベストタイムの1分20秒962が走路外走行の判定となり、予選タイムとしては採択されないことに。サードベストタイムは1分24秒710のため、キャシディはこのセッション10番手に後退。代わって大嶋がQ2に進出することになった。

 Q1のB組は、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、山下健太(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(Buzz Racing with B-Max)、大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)というラインアップ。

 セッション開始直後にユーズドタイヤで各車チェックランを行った後、ニュータイヤに履き替えてアタック。計測2周目にアタックを行った平川がトップ通過し、A、Bを通してのトップタイムとなる1分20秒698をマークした。2番手には野尻で1分20秒824。3番手は1アタックを成功させた坪井が入った。以下、福住、中嶋、山下、松下までがQ2進出。病気療養のため欠場となった牧野任祐の代役としてスポット参戦する大津は8番手でQ2進出に届かず、小林、カルデロンの3枚がQ1敗退となった。

 予選Q2では、トップタイムが一気に0.5秒も縮まり一層厳しい戦いに。トップ通過は松下で1分20秒337をマーク。笹原が1分20秒412で2番手につけたが、走路外走行の判定をとられてタイム抹消。セカンドベストタイムが1分21秒033だったが、これが全体の8番手タイムとしてギリギリQ3に駒を進める結果となった。

 これで2番手以降は大湯、山本、坪井、野尻、平川、福住の6名。大嶋、関口、中嶋、石浦、フェネストラズ、山下の6名がノックアウトされた。なお、3番手の大湯は最初、フロントがニュータイヤ、リヤがユーズドでコースインし、ピットでリヤのみニュータイヤに履き替えてアタックを行ったとの情報もあり、12月の低気温への対策として各チーム、さまざまな工夫を凝らしてセッションに臨んでいることが察せられた。

 Q3では、まずは野尻のチームメイト笹原が1分20秒219をマークして、Q2の最速タイムを早々に更新。ここに福住、大湯らが挑むが、笹原のタイムを上回れない。続けてコントロールラインを通過した平川も1分20秒716でその時点で4〜5番手でトップタイム更新はならなかった。

 しかし、ここからタイミングモニターは目まぐるしく動くことになる。山本が1分20秒155で笹原のタイムを上回ると、続けて野尻が1分19秒972をマーク。国内トップフォーミュラは、ついに富士で1分19秒台の世界へ突入した。今回の富士大会の前までのスーパーフォーミュラのレコードタイムは、2014年のアンドレ・ロッテラーの1分22秒572。今回は2.6秒レコードタイムを更新するという異次元の速さで、2008年に開催されたF1日本GP富士のレコードタイム、フェリペ・マッサの1分17秒287と、わずか2.7秒しか変わらない。

 続けて2周アタックに向かっていた笹原が戻ってくるが、1分20秒192で野尻、山本に続く3番手。ホンダ勢の1-2-3が決まるかと思われたが、最後の最後にチェッカーを受けた坪井が1分19秒989で山本から2番手を奪う。平川は2周連続でアタックするが1分20秒726でベストタイム更新ならず、まさかのQ3最下位の8番手に終わった。

 これで、野尻の今季2度目のポールポジションが決定。予選で獲得できる3ポイントを加算し、平川、山本とのポイント差を縮めて逆転チャンピオンに望みをつないだ。坪井に続いて3位に山本、4位には松下が今季ベストグリッドを獲得した。以下、笹原、福住、大湯の順。平川は4列目からタイトルを目指すことになる。

 今シーズン最後の戦いとなる第7戦決勝は午後2時30分にスタートの予定。

2020年スーパーフォーミュラ第7戦富士 予選2番手につけた坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第7戦富士 予選2番手につけた坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

2020年スーパーフォーミュラ第7戦富士 予選3番手の山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2020年スーパーフォーミュラ第7戦富士 予選3番手の山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2020年スーパーフォーミュラ第7戦富士 まさかの8番手に沈んだ平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2020年スーパーフォーミュラ第7戦富士 まさかの8番手に沈んだ平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

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