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投稿日: 2021.01.19 10:35
更新日: 2021.01.19 10:46

北米からスーパーフォーミュラへ。HPDがFリージョナル・アメリカズ王者にスカラシップを設定

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スーパーフォーミュラ | 北米からスーパーフォーミュラへ。HPDがFリージョナル・アメリカズ王者にスカラシップを設定

 1月18日、北米でホンダのモータースポーツ活動を展開するホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)は、ホンダと提携し、2021年のフォーミュラリージョナル・アメリカズのチャンピオンに、2022年に全日本スーパーフォーミュラ選手権へ参戦するためのスカラシッププログラムを提供すると発表した。

 フォーミュラリージョナル・アメリカズは、世界各地で開催されているフォーミュラリージョナルのうちのひとつで、リジェJS F3シャシーにシビック・タイプR用のK20Cエンジンを積むシリーズで、2018年にスタートした。そんなシリーズの2021年チャンピオンに、2022年のスーパーフォーミュラ参戦のチャンスが与えられるスカラシップが設定されることになった。

 チャンピオンはインディカーへのチャンスを選ぶことも可能だが、非常にユニークなのが、発表のなかでスーパーフォーミュラこそがインディカーで活躍するためのスキルを磨ける場所とされていることだ。北米でインディカーやIMSA等のプログラムを展開するHPDは、このスカラシップに対し、スーパーフォーミュラではこれまでF1に参戦するピエール・ガスリー、そして2020年にインディカーでルーキーらしからぬ活躍をみせ、チップ・ガナッシへのシートを掴んだアレックス・パロウが巣立ってきたことを挙げた。

 パロウは今回のスカラシップについて「なんて素晴らしいスカラシップだ!」とコメントした。

「このスカラシップは、最も強力で成功するものになるはずで、多くのドライバーに必要になると思う。スーパーフォーミュラのレースレベルは非常に高く、ドライバーに多くのものを要求する。その経験はすべてインディカーで必要なものなんだ」

「僕は幸運にも、日本とアメリカで最高のレベルのレースを体験することができているんだ。そしていまや、チップ・ガナッシのドライバーになることができた。この機会を作ってくれたホンダ、デイル・コイン、チーム・ゴウには感謝してもしきれないよ」

「僕のキャリアにとって、今最高の瞬間を迎えようとしているんだ。そして、次にホンダスカラシップを得たチャンピオンと一緒にレースをすることが待ちきれないよ!」

 フォーミュラリージョナル・アメリカズで2021年にチャンピオンを獲得したドライバーは、このスカラシップを得ることによって、2022年にスーパーフォーミュラに参戦するために最大で60万ドル(約6200万円)の支援を受けることができるという。

 HPDのコマーシャル・モータースポーツマネージャーを務めるジョン・ホワイトマンは、「この新しいプログラムは、真のグローバルドライバーを育てるためのHPDとホンダの新しいコラボレーションだ」とコメントした。

「2020年、アレックス・パロウはスーパーフォーミュラがインディカーでの成功のためにパーフェクトなものだと証明した。このスカラシップで、フォーミュラリージョナル・アメリカズからスーパーフォーミュラ、インディカーへとすべてホンダエンジンで続けることができる」

「また、フォーミュラリージョナル・アメリカズでチャンピオンを獲るとスーパーライセンスポイントを18点獲得できる。スーパーフォーミュラの王者は25ポイント獲得でき、インディカーはもちろん、F1に出場することもできるんだ」

 今回の発表には、HPDからドライバーたちへ向けた『FAQ』が掲載されている。HPDのホームページに記された内容は下記のとおりだ。

2020年にデイル・コイン・レーシング・ウィズ・チームゴウからインディカー・シリーズに参戦したアレックス・パロウ
2020年にデイル・コイン・レーシング・ウィズ・チームゴウからインディカー・シリーズに参戦したアレックス・パロウ

Q:スカラシップの対象になるのは?
A:FIAが定める最小台数、および最低開催数を満たし成立したフォーミュラリージョナル・アメリカズの2021年シーズンで、最多のポイントを獲得したドライバー。

Q:スカラシップの価値はどれほど?
A:スカラシップは最大で60万ドルの価値をもつ。チャンピオン賞はHPD(米ドル)とホンダ(円)によりサポートされるため、為替レートによって異なる場合があるが、60万ドルを超えることはない。

Q:スーパーフォーミュラ参戦へのすべての費用をカバーするのか?
A:この賞は、スーパーフォーミュラで1年シリーズ参戦する大部分をカバーする。予算はチームによって異なり、その場合受賞者はスカラシップと総費用のギャップを埋める必要はある。

Q:スーパーフォーミュラのエンジン供給は含まれているのか?
A:スカラシップ受賞者は、ホンダエンジンチームとレースを戦い、エンジンは日本のホンダから供給される。

Q:受賞者には日本への旅費、宿泊費等が含まれるのか?
A:チャンピオンはホンダからガイドをうけ、ツインリンクもてぎにあるホンダ・コレクションホールや青山の本田技研工業本社、さらにホンダレーシング・サンクスデーなど、ホンダ主催のイベントを訪れる機会が与えられる! スカラシップ受賞者に対し、渡航、イミグレーション、居住などのサポートがある。

Q:スカラシップ受賞者はスーパーフォーミュラ参戦チームを選べるのか?
A:ホンダは2022年にレースを戦うスカラシップ受賞者のために、ホンダエンジン使用チームを選ぶ。

Q:HPDおよびホンダは、スカラシップ受賞者をインディカーチームに繋げられるのか?
A:HPDはスカラシップ受賞者の最初の拒否権契約を通じ、受賞者をホンダエンジンを積むインディカーチームに繋ぐことができる。スケジュールが許せば、HPDは2022年の重要なインディカーレースでスカラシップ受賞者を迎えることができる。また、HPDはスカラシップ受賞者の2022年のインディカーテストを促進するために努力する。

Q:スーパーフォーミュラの詳細はどこで確認できるのか?
A:スーパーフォーミュラの公式ホームページで現在のシリーズの情報を確認することができる。スーパーフォーミュラの起源は1973年までさかのぼる。出場した経験があるドライバーには、佐藤琢磨、ピエール・ガスリー、ピエトロ・フィッティパルディ、パトリシオ・オワード、フェリックス・ローゼンクビスト、ストフェル・バンドーン、タチアナ・カルデロン、アレックス・パロウらが含まれる。

Q:スーパーフォーミュラのホンダエンジン使用車両は、どのくらい競争力があるのか?
A:シリーズは非常にコンペティティブだが、ホンダは過去3年間のうち、2018年、2020年にチャンピオンを獲得している。

Q:日本語を覚える必要があるか?
A:日本語の知識は必要はないが、スムーズな移行のために日本文化とコミュニケーションの方法について、自主的に調べておくことをお勧めする。

2019年まではF3アメリカズとして開催されていたフォーミュラリージョナル・アメリカズ
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