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投稿日: 2021.03.31 20:26
更新日: 2021.04.03 19:27

SF開幕戦富士:松田次生×坪井翔×大湯都史樹スペシャル対談『次世代エースの心得』

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スーパーフォーミュラ | SF開幕戦富士:松田次生×坪井翔×大湯都史樹スペシャル対談『次世代エースの心得』

 2021年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月3〜4日に富士スピードウェイで待望の開幕戦を迎える。今年もモータースポーツを盛り上げるのは、開幕の舞台となる富士スピードウェイのオリジナルキャラクターの『チェカ』と、チェカとともに富士スピードウェイの魅力をアピールするチェカレンジャー。開幕戦を直前に控えるなか、今回はチェカレンジャーから、KCMGの監督を務める松田次生(通称:次チェカ)をMCに、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)と大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)というトヨタ、ホンダの次世代エース候補の二人を迎えて、『レーシングドライバーの“エースの心得”』というテーマで対談を実施した。

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■新たなチームメイトを迎えて

次チェカ:いやあ、なにか新鮮な顔ぶれですね。では最初はそれぞれ、今季の体制について教えてください。

坪井:チームメイトが石浦宏明選手から阪口晴南選手に変わりました。これまで先輩の石浦選手の背中を追いながらという感じだったのですが、今季は逆の立場になるので、そういった意味でのプレッシャーは感じていますね。

次チェカ:今日のテスト(対談は鈴鹿合同テスト初日の3月11日に実施)はどうだった?

坪井:いきなり阪口選手にぶっちぎられたので、ちょっとマズイんですけど(編集部注:阪口は午前午後ともに5番手、坪井は午前12番手、午後9番手タイムを記録した)。でも2台でやりたいことをいろいろ進めて情報の共有もできているので、うまくいけそうだという手応えは感じています。P.MU/CERUMO・INGINGは鈴鹿があまり得意ではないのですけど、今回、阪口選手が速かったので、そのデータをうまく取り入れることができれば、チーム全体で良くなるのかなと思います。

次チェカ:去年、38号車は村田卓治さんがエンジニアを担当していて、今季は田中耕太郎エンジニアに体制も変わったけど、チームとしてその辺はどう?

坪井:僕の担当エンジニアは今季も菅沼芳成さんですが、阪口選手の39号車のエンジニアの田中さんが昨年担当されていたKONDO Racingでの実績と経験を持っているので、その新しい要素が増えたという意味ではポジティブに思っています。

次チェカ:続いて、大湯選手の今季の体制ですが、一番大きな変化としてはチームメイトとして昨年のチャンピオンの山本尚貴選手がTCS NAKAJIMA RACINGに加わりました。大湯選手としては『やっつけてやるぞ!』って感じですか?

大湯:いやぁ(笑)。でも、間違いなく周囲からは比較されて見られると思いますので、『やっつけてやるぞ!』というよりも、大先輩の背中を追いかけて、僕も頑張っていきたいなと思っています。ただ、もちろん負けるつもりもありませんし、何より今年は、自分の仕事をしっかりとやり遂げたいと思っています。

次チェカ:今日で鈴鹿公式合同テスト初日を終えましたが、どうだった?

大湯:午前のセッション1がちょっと調子が良過ぎたので、いろいろとトライしました。トライした結果、『あ、ダメだった……』という(笑)。

次チェカ:でも、それだけいろいろなことを試せていたということだよね。

大湯:そうですね。とりあえず、今回のテストでは新しいことを取り入れたいなと思っていたので、進められることができました。

次チェカ:これまでのふたりの接点というか、実際に競って印象に残っている思い出を教えてください。

坪井:それなら……。

坪井&大湯:昨年の最終戦富士じゃないですか。

次チェカ:そうだよね。最終戦は坪井選手が優勝で、大湯選手が2位だよね。

坪井:ものすごい勢いで大湯選手が後ろから追ってきたので『これはマズイ』と思って、自分のオーバーテイクシステム(OTS)を見たら残数が0で(笑)。

次チェカ:たしかに、あのレースでのふたりのバトルは見応えがあったね。僕も監督としてKCMGの2台を見つつ、ふたりのトップ争いを見ていたけど、追いかけられてるときはどう思った?

坪井:全然、これは無理だと思いました(笑)。『あーもう抜かれる終わったー。ここまで1位だったのに最後の最後で抜かれるのか』って考えて走っていました。『大湯選手はこの前の鈴鹿でデビューイヤーに1勝したんだからもういいでしょ!』って(笑)。

次チェカ:でも、大湯選手も『OTSが残っていれば!』という感じだったよね。

大湯:そうですね。でも、その前に野尻(智紀/TEAM MUGEN)選手と争っていて、そのときに2台でOTSを使いあって、全部なくなっちゃった感じでした。

坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

■今季の一番のライバル、そして自身の強み

次チェカ:それでは続いて、今季の一番のライバルを挙げてもらいたいと思います。

坪井:みんなライバルです(笑)。このカテゴリーは本当にハイレベルでいつ誰が勝ってもおかしくはないので、特定の誰かが一番のライバルというのはないですね。チームメイトは一番の味方であり、一番のライバルだと思っていますが、新たにチームメイトになる阪口選手とはギスギスしないように、いい関係を保ちつつお互いが切磋琢磨できるような環境をチームとして作れたらいいなと思います。

次チェカ:坪井選手の思う自分の強みは何かな。

坪井:いやぁ……。強みらしいものはないですね。

大湯:そんなことないでしょう!

次チェカ:とんでもない追い上げをみせることもあるし、予選でもとんでもなく速いタイムを出すこともあるし。

坪井:自分ではよくわからないですね……。いつもたまたまという感じなので。でも、わりとバトルは好きな方かなとは思います。あとSFに関しては最近スタートの調子がいいので、そこは強みになっているのかなと思います。

次チェカ:大湯選手にとって、今季一番のライバルは?

大湯:えー……坪井選手です。

(一同大爆笑)

坪井:言わされた感がある(笑)。

大湯:ちょっと考えちゃいましたね(笑)。でも、どのサーキットでもパフォーマンスが高いなと思っています。もちろんそれはP.MU/CERUMO・INGINGだけではなくて、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sなどですが。坪井選手はどんな予選順位からでもしっかりと決勝で結果を出して、ポイントを獲りにいく存在だと思うので。シリーズを考えると、かなり手強い相手かなと思います。

坪井:そんないいこと言っても何も出ないよ(苦笑)。

次チェカ:大湯選手は、去年優勝するまではちょっと暴れ気味だったよね。

大湯:そうですね。暴れるつもりはなく毎回走っていたのですけど。なぜか、こう……(笑)。

坪井:でも、開幕前から相当速かったですよね。これは勝つのは時間の問題だと思ったくらい。

次チェカ:そんな感じだったよね。SFに慣れるのが早いと思って少しびっくりしたんだけど、それは大湯選手の強み?

大湯:自分の強みはわからないですね。ただ僕は最初から110%くらいの勢いで行っちゃうので、そういった度胸みたいなものが強みかなと。そこがいいところでもあり、悪いところでもあると思っています。

次チェカ:なるほど、小暮(卓史)選手タイプだね。

大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

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