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投稿日: 2021.03.11 21:05
更新日: 2021.03.11 21:07

予想外の驚きにチーム間の違い……フレッシュドライバーたちが感じた鈴鹿公式テスト1日目

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スーパーフォーミュラ | 予想外の驚きにチーム間の違い……フレッシュドライバーたちが感じた鈴鹿公式テスト1日目

 鈴鹿サーキットで始まった2021年のスーパーフォーミュラ公式合同テスト。今回は当初レギュラーで予定しているドライバーが参加できないなどして、代役のドライバーを起用してテストに臨んでいるチームがある。いつもとは違うチームで乗るドライバーや、初めてSF19を操るというドライバーもおり、それぞれが“今までとの違い”を感じた鈴鹿テスト1日目となったようだ。

 まずは、今日の午前に1分36秒805を記録し、初日総合トップタイムをマークした笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。彼は昨年、TEAM MUGENからシーズンを戦ったが、今回は療養中の牧野任祐の代役として、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの6号車をドライブした。

「なんて説明したらいいか難しいのですけど……クルマのキャラクターという部分では、率直なところ“全然違うな”という印象でした。TEAM MUGENの良かったところ、悪かったところもありますし、このチームの良いところ悪いところもあるなというのが、今日1日を通して感じることができました」

「とにかくまったく違うので、それぞれの限界値じゃないですけど、どこまで行ったら良くなったり、悪くなるのかというのを、自分のドライビングやセットアップを含めて、いろいろトライをしてみました。収穫はいろいろあった1日だなと思います」

 朝の走り出しからキャラクターの違いに気づき、最初は驚きもあったという笹原だが、1日のセッションの中でうまくアジャストしていき、テストメニューも順調にこなせたという。明日の2日目はさらにレベルアップを図りたいと語った。

「(テストは)それぞれのチームごと、エンジニアさんごとのやり方があると思います。今日のコミュニケーション自体は問題なくできました。テストメニューをすべてこなせて、多くのデータを集めることができたので、そこはポジティブでしたね。明日も今日の延長線上というか、今日1日を通していろいろ分かったことがあるので、それを踏まえつつテストを進めていきたいです」

笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 一方、新型コロナウイルスに伴う入国制限の影響で来日ができず、今回の鈴鹿テストも欠席となったサッシャ・フェネストラズ。その代役として選ばれたのが、昨年はKCMGで2度スポット参戦した中山雄一(KONDO RACING)だった。

 彼もスーパーフォーミュラでは経験が比較的長いドライバーのひとりではあるが、ここ数年でみると、シーズンオフのテストに参加するのは久しぶりとのこと。余裕を持ってマシンやドライビングの確認ができたという。

「僕自身、久しぶりにスーパーフォーミュラでテストを走ったので、ひとつひとつのことを確認しながら走行することができたので、余裕を持って走ることができました」

 今季からKONDO RACINGには村田卓児エンジニアが加入し4号車を担当している。中山にとっては村田エンジニアと初めて組んでテストをするという部分でも、さまざまな発見があったという。

「全然違いますね。初めて村田エンジニアが作るクルマに乗りましたが、石浦(宏明)さんがいつも『(クルマの動きが)アンダーだ』と言っていたので、そうなのかなと思ったんですけど……意外とよく曲がるようなセットだなと思いました。ロールした時のクルマの動きが全然違ったので、すごく新鮮なフィーリングでした」

「いろいろな発見はありましたけど、ちょっと(トップと)タイム差がある状態なので、微妙ではあります。明日はクルマの限界をもっと上げられるような何かを探せられればいいかなと思いますし、セットアップでいいとこ取りをして、いい順位で終えたいなと思います」

中山雄一(KONDO RACING)
中山雄一(KONDO RACING)

 KCMGでは、小林可夢偉の代役として、小高一斗(KCMG)が今回テストに参加している。今はスーパーフォーミュラ・ライツが彼の主戦場となっているが、スーパーフォーミュラのマシンに乗るのは初めて。そのパフォーマンスは予想を上回るものだったようだ。

「SFライツと比べてもエンジンパワーとダウンフォースが違いますね。タイヤのグリップも自分が思っている以上のものでした。最後のニュータイヤでのアタックも、全体的に少し余ってしまう(攻め切れていない)感じではありました」

「僕は(スーパーGTの)GT500にも乗ったことがないので、ターボエンジンも初めての経験でした。アクセルワークもSFライツと比べると全然違いますし、ハンドクラッチの経験もなかったので、初めてのことだらけでしたが、いろいろと勉強できた1日でした」

「クルマのレベルもまだまだ上げていかなければいけないので、そこに自分のコメントをしっかりと活かせてもらえるように……速く走ることも大事ですが、明日も自分ができることをやって、チームの役に立つことが大事だと思っています」

「これでSFライツに戻ったら、きっと速度はゆっくりに感じるのでしょうけど、走らせ方はふたつのカテゴリーで全然違うので、SFライツの方もしっかりと忘れないようにしておかなきゃなと思っています」

小高一斗(KCMG)
小高一斗(KCMG)

 そして、今季はTEAM MUGENの15号車をドライブすることになった大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)。すでに昨年の最終戦でスポット参戦を果たしているほか、鈴鹿では2019年のルーキーテストでSF19をドライブした経験がある。とはいえ、大津自身はスーパーフォーミュラのマシンの走らせ方という部分で、理解を深めていく必要があると考えているようだ。

「(昨年の)ルーキーテストの時は実質1セッションしか走っていないので何とも言えませんが、あの時の感じと比べると、クルマの“味”みたいな部分の変化はありますけど、SF19のクルマの動かし方みたいな部分は、セットが違っても共通するものはありました」

「昨年の富士でレースをしましたけど、鈴鹿ではSF19のクルマの動かし方というのは、改めて考え直さないといけないなと思いました。正直、慣れるのに時間がかかるのだろうなとか、最悪な想定もしていましたけど、実際にはそこまで悪くはなかったです」

 また今季は、スーパーGTでコンビを組む伊沢拓也がアドバイザーとして15号車のメンバーに入っているという。そこもチームとのコミュニケーションをより円滑に進めていく部分で、強い味方になっているようだ。

「今シーズンは伊沢選手がアドバイザーとして入ってくれています。スーパーGTでも一緒にやっているので、僕の走りのクセとかも分かっていますし、チームとのコミュニケーションもスムーズになっている部分もあります。自分にとっては素晴らしい環境でレースに出られるなと改めて感じています」

「今のところS字区間はうまく走れているのですけど、スプーンのふたつ目が遅すぎる状況です。あそこで簡単にコンマ3~4秒は変わってくるので、チームメイトの野尻(智紀)選手との違いも分析しながら、明日は改善していきたいと思います」

 こうして聞いてみると、チームが変わることで違いを感じるドライバーもいれば、新たな課題が浮き彫りになるドライバーもいる様子。そういう意味では、それぞれにおいて実りのある1日になったのかもしれない。

大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)
大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)


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