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投稿日: 2021.10.30 17:33
更新日: 2021.10.30 18:21

松下信治、公式練習14番手から見事なリカバリー。念願のSF初ポール獲得【第7戦JAF鈴鹿グランプリ予選】

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スーパーフォーミュラ | 松下信治、公式練習14番手から見事なリカバリー。念願のSF初ポール獲得【第7戦JAF鈴鹿グランプリ予選】

 10月30日、2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦『第20回JAF鈴鹿グランプリ』の公式予選が行われ、松下信治(B-Max Racing Team)が自身初のポールポジションを獲得。フロントロウに大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とホンダ勢の若手ドライバーがトップ3を占めた。一方、前戦もてぎでシリーズタイトルを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)は5番手で予選を終えている。

 昨日、雲ひとつない快晴のなかで週末に向けた準備が行われた鈴鹿サーキットは、一夜明けた予選日も秋晴れの空が広がった。午前中のフリー走行では野尻がトップタイムをマークしたが、17番手の坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)までが1秒以内にひしめく僅差となり、予選も熾烈な戦いになることが予想された。

 迎えたQ1のA組は、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)の9台が出走。

 ルーキー・オブ・ザ・イヤーを争う阪口、大津、宮田のQ1突破に注目が集まるが、先頭を切ってアタックに向かった大津が1分37秒735で暫定トップに立つと、その後にコントロールラインを通過した宮田が0.081秒差で逆転トップに。続いてタイムをマークしたのは鈴鹿を得意とする山本だったが、1分38秒台半ばと宮田に対し約0.9秒遅れる結果に。

 その後、国本、フェネストラズ、関口らが次々とタイムを記録していき、山本は7番手にドロップしてしまう。最後に計測を終えた阪口が1分38秒205をマークし、関口を上回って6番手に浮上。これで8番手に下がった山本は、大嶋とともにQ1敗退となった。

 続くQ1のB組で出走したのは、大湯、山下健太(KONDO RACING)、福住、小高一斗(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、野尻、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井、松下の10台。

 各車がアウトインでいったんピットに戻り、ニュータイヤに履き替えてアタックに向かうという流れの中、野尻だけがホームストレートを通過し、1周多く走行してからピットイン。タイヤ交換を行いコースに戻る。残り時間が5分を指すころに残る9台も続々とコースイン。

 まずは福住が1分37秒723で暫定トップに立ったが、A組と違い、アレジ、坪井、小高、カルデロンが続々とアタックから戻ってくるものの、なかなか順位は変わらず。そんななか、平川が1分37秒623で逆転トップにするも、続く大湯が1分37秒513をマークし、最終的にこれがこのセッションのトップタイムとなった。

 終盤に松下、山下がQ2進出圏内に滑り込み、残るは野尻のみ。最後にコントロールラインを通過した野尻は1分37秒933で6番手と、滑り込むようなかたちでQ1突破に成功。これにより、坪井、小高、カルデロンがここで予選を終えることとなった。

■公式練習14番手の松下がSF初ポール獲得

 Q2のA組は、真っ先に計測に入った宮田が1分37秒335と、Q1の自己ベストタイムを0.3秒削りトップ通過。牧野が0.2秒差で2番手に入ると、フェネストラズがさらに0.2秒差で3番手につける。

 続いてアタックした大津が、牧野と0.001秒差で3番手に滑り込み。フェネストラズは4番手にドロップしたものの、Q3進出への最後の1枠をつかみ取った。一方、ルーキー・オブ・ザ・イヤー争いでトップに立っている阪口は6番手となり、国本、関口とともに予選敗退となった。

 Q2のB組は、大湯が1分36秒752と、Q2で唯一1分36秒台に入れてトップ通過。Q1の自己ベストタイムを0.8秒と大幅に削った松下が2番手でQ3に駒を進めた。3番手の福住に続き、野尻が4番手でぎりぎりQ3への進出枠を獲得し、わずか0.007秒差で5番手となった平川がここで敗退に。以下、山下、アレジもQ3進出を逃すこととなった。

 いよいよポールポジションが決まるQ3。このQ3進出をターゲットにして公式練習で他車よりも多くニュータイヤを投入していたフェネストラズは、ユーズドタイヤでのアタックに。他の7名はニュータイヤでアタックに向かった。

 ウォームアップラップ中に野尻を先行した松下からアタック開始。松下はセクター1で全体ベストをたたき出すと、続くセクター2、3でも全体ベストを表すレッドマークを付ける。そのまま最終シケインへ飛び込み、1分36秒717をマーク。Q2B組で大湯が記録したベストタイムを更新し、この日の最速タイムを記録して見せた。

 続く野尻は1分37秒094にとどまり、宮田、フェネストラズも3番手、4番手に並ぶ。その後、福住が野尻のタイムを上回るが、最後にアタックした大湯が福住を破って2番手を獲得した。大湯はセクター3ではわずかに松下のタイムを上回って全体ベストをマークしていたが、セクター2での遅れが響き松下には届かず、悔しいフロントロウとなった。

 公式練習では14番手と下位に沈んでいた松下だったが、Q1、Q2、Q3と着実にタイムを削り、最速タイムを記録。スーパーフォーミュラでは自身初のポールポジションを獲得した。この勢いのまま最終戦を初優勝で締めくくれるのか、それとも、後方からの追い上げにかけるライバルたちが逆転を果たすのか。2021年シーズンを締めくくる30周の決勝レースは、10月30日14時にスタートを迎える。

2021スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿 松下信治(B-Max Racing Team)
2021スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿 松下信治(B-Max Racing Team)


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