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投稿日: 2021.12.09 15:22

ジェントルマンドライバーの今田信宏が2回目のSF19を体感「鈴鹿が狭く感じました」

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スーパーフォーミュラ | ジェントルマンドライバーの今田信宏が2回目のSF19を体感「鈴鹿が狭く感じました」

 12月9日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テストは三重県の鈴鹿サーキットで走行3日目のルーキードライバーテストがスタートしたが、このテストにB-MAX RACING TEAMから、2021年のスーパーフォーミュラ・ライツのマスタークラス王者である今田信宏が参加した。ジェントルマンドライバーながら、合計で33周を走り、1分41秒069というベストタイムをマークしている。

 鈴鹿で開催されているスーパーフォーミュラ合同テストは、12月9日に走行3日目のルーキードライバーテストが行われ、この日は9時から1時間、10時30分から1時間と、合計2時間のセッションが用意された。そんなテストに参加することになったのが、2021年にスーパーフォーミュラ・ライツでマスタークラス王者となった今田だ。

 会社経営者である今田は本格的なレースキャリアは6年目。ポルシェワンメイクからスタートし、鈴鹿のフォーミュラ・エンジョイでタイトル獲得。2020年からフォーミュラ・リージョナル、さらにスーパーフォーミュラ・ライツに参戦を開始し、特にフォーミュラは意欲的に挑戦。2021年はライツでマスタークラスのチャンピオンを獲得した。

 今田はすでに、2020年12月にも富士スピードウェイで行われたテストでスーパーフォーミュラSF19をドライブしており、今回が二度目。昨年とは異なり事前に乗ることが決まったため、シミュレーターでトレーニングを行ってから走行した。

 しかし57歳の今田にとって、スーパーフォーミュラで走る鈴鹿は「とにかく速いです」という。「これだけスピード感があると、思った以上に鈴鹿が狭く感じました」と改めてその速度域を体感した。ニュータイヤも装着したものの、「それぞれのコーナーでまだ“余って”いるのは分かってはいるのですが、スピード感に負けてしまって。ヨコハマさんのタイヤの使い方は分かっていたつもりですが、それでも余らせてしまった」とともに戦ってきた若手ドライバーたちと、ライツ同様の差となってしまった。

 とはいえ、それでも日本国内で体験できる最速のレーシングカーをドライブし終え、「とても良い経験でした。人生最良の日のひとつですね」と今田は満足げな表情を浮かべた。ちなみに、今田は12月6〜7日のスーパーフォーミュラ・ライツのテストに参加し、この日は午前にスーパーフォーミュラをドライブ。午後からはフォーミュラ・リージョナル・ジャパンの特別走行に参加している。

スーパーフォーミュラ鈴鹿ルーキードライバーテストに参加した今田信宏( B-MAX RACING TEAM)
スーパーフォーミュラ鈴鹿ルーキードライバーテストに参加した今田信宏( B-MAX RACING TEAM)

■組田総代表が説明するルーキードライバーテストへの参加の理由

 今回の今田のスーパーフォーミュラドライブについて、B-MAX RACING TEAMの組田龍司総代表は「スーパーフォーミュラ・ライツは若手の指標となっていますが、若手はもちろん、ジェントルマンドライバーでも、ちゃんとライツで走るだけの力があれば、速く走れるかは別として、SFも乗れるんだよ、ということをアピールしたかったんです」と理由を語った。

 ちなみに2020年に今田がドライブした際は、組田総代表もドライバー『DRAGON』としてSF19を初体験していた。ただ今回は「実は僕も乗る予定だったのですが、今回ライツのテストがさまざまな都合で乗れなくなりまして。さすがにライツの最終戦から間もあいていて、ぶっつけ本番であのクルマに乗るのは、自分のところの資産を失うおそれもあるので止めました(笑)」と自ら参加を見合わせたのだという。

 このジェントルマンドライバーのスーパーフォーミュラのドライブには、若手ドライバーにチャンスを与えるべき……等の意見も聞く。ただ組田総代表は「カテゴリーによっての大小はありますが、もちろん乗るにあたっては費用も発生します」と説明した。

「ただひとつ言えるのは、GT500はいくらお金を積んでも乗ることはできないじゃないですか。でも同じエンジンを積んでいて、かつGT500よりも速いクルマに、ある程度スキルがあって認めてもらえれば乗ることができるんです」

「資金面は個人差なので、努力すれば若手だろうがジェントルマンドライバーだろうが関係ないこと。乗るための努力を今田さんはされている、ということです」

 近年はGTカーレースでもダウンフォースが大きくなっており、そのための練習にとフォーミュラをドライブするジェントルマンドライバーは多い。それはライツでも、今田も始まりはGTだったが、現在はフォーミュラにストイックに取り組んでおり、スーパーフォーミュラのドライブは、まさに夢の実現と言えるだろう。『乗るための努力』が実った……ということだ。

スーパーフォーミュラ鈴鹿ルーキードライバーテストに参加した今田信宏( B-MAX RACING TEAM)
スーパーフォーミュラ鈴鹿ルーキードライバーテストに参加した今田信宏( B-MAX RACING TEAM)
スーパーフォーミュラ・ライツの2021年マスタークラスチャンピオンを獲得した今田信宏(JMS RACING with B-MAX)とチームクルー、今回アドバイザーを務めた藤波清斗
スーパーフォーミュラ・ライツの2021年マスタークラスチャンピオンを獲得した今田信宏(JMS RACING with B-MAX)とチームクルー、今回アドバイザーを務めた藤波清斗


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