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投稿日: 2022.03.11 16:45
更新日: 2022.03.11 16:56

2022年は4人のレッドブル支援のドライバーが参戦。それぞれの“走り出し”と“アスリートとジュニア”の違い

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スーパーフォーミュラ | 2022年は4人のレッドブル支援のドライバーが参戦。それぞれの“走り出し”と“アスリートとジュニア”の違い

 鈴鹿サーキットで始まった2022年のスーパーフォーミュラ公式合同テスト。各チームとも新しいマシンカラーリングで走行を開始し、ドライバーたちのレーシングスーツも今年仕様のものを導入しているところもあるが、その中で気になったのが『レッドブル』のロゴだ。

 3月5日に同地で行われたスーパーフォーミュラの記者発表会で今季参戦するドライバーが登場したが、そこで平川亮(carenex TEAM IMPUL)、笹原右京(TEAM MUGEN)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、佐藤蓮(TEAM GOH)の4人がレッドブルのロゴが入ったキャップやニット帽をかぶっていた。

 レッドブルは世界的に有名なエナジードリンクのブランドとして知られ、さまざまな競技で活躍する選手を“レッドブル・アスリート”として支援している。彼らもレッドブルの支援を受けているドライバーになるのだが、なかにはレーシングドライバー育成プログラムであるレッドブル・ジュニアチームの一員となる“レッドブル・ジュニアドライバー”と、選手個人をサポートする“レッドブル・アスリート”の2パターンがあり、実は今季のスーパーフォーミュラでも、それが混在している。

 今回は誰がどっちなのか? 改めて取材し、各ドライバーたちの鈴鹿公式テストを追いかけた。

●スーパーフォーミュラでのレッドブル・アスリートは今年は3名

 まずは“レッドブル・アスリート”だが、近年では日本人のレーシングドライバーやライダーたちも増えており、今シーズンのスーパーフォーミュラ参戦ドライバーでは平川に加え、笹原と大湯もそのメンバーに加わり、ヘルメットやレーシングスーツにロゴが入っている。

 この他にも、海外ではWRCの勝田貴元やMotoGPの中上貴晶、Moto3の佐々木歩夢もレッドブル・アスリートとして活躍中だ。

 レッドブル・アスリートになって6シーズン目を迎える平川。今季はスーパーフォーミュラに加えてWECにもフル参戦する。

「日本だけじゃなくて、海外に行った時もレッドブルが付いていると『速いドライバーなんだ』と自然に認めてもらえるので、そこは得をさせてもらっている感じです。今年から(レッドブル・アスリートの)後輩もいっぱいいるので、しっかり負けないように先輩らしくやりたいです」

 そんな平川だが、この鈴鹿公式テストではクルマの動きに違和感を感じる2日間となった。

「何かはちょっと言えないですけど、いつもとは違うことが起きています。そこをカバーしようとすると、ベースのセッティングとは違う方向にいってしまうので、何が原因なのか……正直、ちょっとハマっています」

「初日と比べると良くはなりましたけど、問題自体は解決していません。今までの感触とは少し違って、想定していないことが少し起きているので、もうちょっと慎重にデータを見て……少なくとも、そこを解決しないと思い切っていけないです。富士のテストまでに解決をしなければいけないなと思っています」

 あまり詳しくは言及しなかった平川だが、その表情をみると問題の根は深そうに感じた。

2022年スーパーフォーミュラ公式合同テスト 鈴鹿サーキット
スーパーフォーミュラとWECに参戦する平川亮(carenex TEAM IMPUL)

 昨年の途中からレッドブル・アスリートになった大湯。この公式テストではスーパーフォーミュラでもアイボリー色のレッドブルキャップをかぶっていた。

「ドライバーとしてレッドブルという大きな看板が支えてくれているので、レースをやっていく中で、いろいろな面での支えになっています。あとはレッドブルのみなさんの志もすごく高いし、自分も共感できる部分というか、成し遂げたいこととか、方向性が一緒なので本当にやりやすい環境ができています」と、本人にとってもプラスになることは大きいようだ。

 昨年はテストでもトップタイムを記録するなど速さをみせていた大湯。今回も1日目の午後に4番手、2日目の午後に4番手タイムを記録したが、感触は今ひとつのようだ。

「感触としてはあまり良くないですね。タイムも無理くりだした感じがありました。でも、セットアップで直さなきゃいけないところは分かっていますし、今回のコンディションに対して、やろうとしていたメニューはこなしていましたが、持ち込みのセットアップがちょっと合わなかったかなという感じでした」

 こちらも次回の富士公式テストで、どのように改善してくるのかに注目だ。

2022年スーパーフォーミュラ公式合同テスト 鈴鹿サーキット
予選で無類の速さを見せる大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 鈴鹿公式テストの直前にTEAM MUGENからのフル参戦が決まった笹原。以前からレッドブルカラーのマシンを駆る機会が多かったため、『笹原=レッドブル』というイメージが先行することもあったが、レッドブル・アスリートのメンバーに選ばれたのは、大湯と同じタイミングだったという。

「スーパーGTではチームスポンサーがレッドブルなので、ヘルメットやスーツにも大きくロゴが入っていて、そこは違和感はなかったのですけど、昨年のSFでダンディライアンで走らせてもらったときは、レッドブルカラーのヘルメットではなかったので、みんなから『なんで?』って聞かれました。でも、今はレッドブルのアスリートです!」

 そう語る笹原だが、何より土壇場で決まったスーパーフォーミュラへのフル参戦が決まったということで、その喜びが大きい様子だ。

「ホンダの体制発表(1月中旬)では、僕の名前はなかったですが、まだドライバーも決まっていないクルマもあったので、可能性が1パーセントでもあるのであれば、諦めずに何とかしたいなという思いはありました」

「そこにTEAM MUGENのみなさんも、なんとか2台体制でやりたいという思いがあって、そこで乗せるなら僕を乗せたいを言ってくださっていました。そういう熱意もすごいですし、支援してくださるパートナーさんやサプライヤーさんがいなければ、成り立たなかった話でもあります。こうやって、みんなの声や想いが形になったのかなと思うと、僕としても感慨深いですし、本当に感謝しかないです」

「ファン感でのフリー走行の時もクルマも含めて、よく間に合わせてくれたなと思っていて……今までは“勝った負けた”という喜怒哀楽が前面にあったんですけど、それよりも今年は“レースができる”という喜びの方が強いです」

「テストでは、みんなトライしていることが違うので、そこまでタイムとか順位は深追いしてないです。それよりも、今年のトラックエンジニアとは初めて一緒に仕事をするので、そこのコミュニケーションだったり、クルマのベース作りなど、地道な確認作業をしています。今までは限られたチャンスで結果を出さなければいけなくて、100パーセントを超える勢いでやっていましたけど、今年は地道に積み重ねていくことができるので……楽しいです」

2022年スーパーフォーミュラ公式合同テスト 鈴鹿サーキット
今季スーパーフォーミュラにフル参戦することになった笹原右京(TEAM MUGEN)

2022年のレッドブル・ジュニアチーム所属の日本人ドライバーは4名


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