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投稿日: 2022.04.22 18:35
更新日: 2022.04.22 18:39

暑さもカギに。“頭ひとつ抜けた”トップ2を追う、山下と大湯の手応え/スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿プレビュー

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スーパーフォーミュラ | 暑さもカギに。“頭ひとつ抜けた”トップ2を追う、山下と大湯の手応え/スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿プレビュー

 スーパーフォーミュラ第3戦走行前日の4月22日金曜日、好天に恵まれた鈴鹿サーキットは、夏のようさ暑さに包まれた。最高気温は25度程度と、日中は半袖でも汗ばむ陽気となった。明日、土曜も同様の予報となっており、今週末は“暑さ”との戦いともなりそうだ。

 2週間前、富士で行われた第1・2戦では、平川亮(carenex TEAM IMPUL)と野尻智紀(TEAM MUGEN)が勝利を分けあった。敗れたラウンドでもそれぞれ2位を確保した結果、ふたりはすでにランキング3位以下を大きく引き離している。

 今回は彼らの勢いを“止めたい”ふたりのドライバーに、鈴鹿戦に向けた展望を聞いた。

■“フェネストラズ寄りのセット”は合わなかった山下

 まずは、山下健太(KONDO RACING)だ。富士ではQ1落ちを喫した土曜日の第1戦から、日曜の第2戦では一転、予選5番手/決勝4位にまで食い込んだ山下は、その勢いを鈴鹿で維持することができるだろうか。

 3月上旬の鈴鹿テストでの好調から一転、富士公式テストではチームメイトのサッシャ・フェネストラズがトップタイムをマークする傍らで、フェネストラズからコンマ5秒落ちと不調に見舞われていた山下。富士の第1戦に向けては、好調のフェネストラズ車を参考にしたセットアップを取り入れていたという。

 しかし「全然グリップしなかった」と山下。

「遅かったし、タイヤのデグ(ラデーション)もめっちゃあったし、もはや普通に走れないくらい、全然ダメでした」

 山下は阿部和也エンジニアと話し合い、日曜の第2戦に向けては“好調だった鈴鹿をベースに、富士での要素をプラスしたセットアップ”を施し、予選5番手に躍進した。

 さらに第2戦決勝では「いままで試した方向のないセットアップ」(山下)を投入し、ロングランに手応えを得た。その流れをくむセットアップで臨む鈴鹿に対して山下は、「そのままの感じで行ってほしいです」と希望を語る。

「でも、(今週は)暑くなりそうなので、正直どうなるか分からない。常に期待を裏切られるのがスーパーフォーミュラなので(笑)。何が起きるか分からないし、うまくそれ(コンディション変化)に対応できるようにしておかなくてはいけませんね」

 常に速いチームメイトの存在は、「刺激になるのでいいですけどね、あまり負けっぱなしはどうかと思いますが」と山下。

「今年に関してはサッシャの方が速そうな雰囲気ですが、サッシャに(セットアップを)合わせてもダメだったし、そこに惑わされすぎると、また崩れるので……」

 阿部エンジニアも富士での第2戦終了後は、「もう悩みはなくなった」と語っており、進むべき方向性は見えているようだ。

 現在ランキングトップ2のふたりについて、「抜けている印象はある」という山下だが、暑い鈴鹿でどれくらい迫ることができるか、注目だ。

■『ニュータイヤの良さ』がなくなり悩む大湯

 一方、点差が開いてしまったことで、ここ鈴鹿で結果を残さないと上位争いに加わることが難しくなっていくドライバーは多い。そのなかのひとり、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)に話を聞いた。

 大湯もまた、「無限とインパルはかなり抜けている」とトップ2チームの印象を語る。

「とくに無限は一発をしっかり出せて、なおかつロングランに対しても自信を持っているでしょうし、インパルはロングは一番じゃないかっていうくらい強い」

 富士での大湯は第1戦こそポイントを獲得したものの、第2戦では予選Q1落ち。富士のレースウイークについては、次のように自己分析している。

「ロングランでのタイヤの使い方がうまくいっていなくて、ペースダウンしてしまうというのがずっと課題なのですが、その影響がニュータイヤの一発でも出てしまっているのが問題ですね」

「いままではニュータイヤを履けば、クルマのセットの部分での悪さが出にくかったのですが、最近はニューであってもトラクションがかけにくかったりとか、予選1周でピークを継続できないところに問題があるように感じています」

 鈴鹿は富士よりも1周の距離が長く、予選の1アタックにタイヤのピークを合わせるのはさらに難しくなると予想する大湯もまた、山下同様に暑さの影響を警戒している。

「例年、この暑さの鈴鹿はないじゃないですか。僕のスーパーフォーミュラのキャリアでも一番暑い鈴鹿になると思います。今回、いろいろとセットアップの面では違うものを持ち込んでいるのですが、それがどこまでいい方向に行ってくれるのだろう……という感じです」

 土曜日に予想される暑さとは対照的に、決勝が開催される日曜は天候が崩れるとの予報もある。早くもシリーズ争いを左右しかねない大事な局面を迎えた第3戦。各陣営は、天候・コンディションに最大限注意を払いながら、繊細にセットアップを詰めていく必要に迫られそうだ。

スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 金曜日の様子
スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 金曜日の様子


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