レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

投稿日: 2022.05.22 18:01
更新日: 2022.05.22 19:33

平川亮が大逆転の今季2勝目。参戦4戦目の三宅淳詞&TEAM GOHがSF初表彰台を獲得【第4戦オートポリス決勝レポート】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーフォーミュラ | 平川亮が大逆転の今季2勝目。参戦4戦目の三宅淳詞&TEAM GOHがSF初表彰台を獲得【第4戦オートポリス決勝レポート】

 2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦決勝が5月22日にオートポリスで行われ、8番グリッドスタートの平川亮(carenex TEAM IMPUL)が大逆転で今季2勝目を飾った。2位はサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が入り、今季2度目の表彰台を獲得。3位は三宅淳詞(TEAM GOH)が続き、三宅とTEAM GOHは参戦4戦目で初の表彰台獲得となった。

 前日の曇り空から一転、決勝日のオートポリスは初夏の陽気に包まれた。午前中のフリー走行から強い日差しが降り注ぎ、決勝レース直前には気温24度、路面温度はこの週末で一番高い44度を記録した。

 42周の決勝レースの注目のスタートは、抜群のスタートダッシュで野尻智紀(TEAM MUGEN)が1コーナーをトップで通過。やや出遅れた宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)を押さえて牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2番手に上がり、その後方に笹原右京(TEAM MUGEN)が続いた。

 後続の集団では3コーナーに入るところで最後尾からスタートした大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)がアウト側にコースオフ、クラッシュしてしまう。これによりレースは早々にセーフティカー(SC)が導入されることになった。

2022年スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス スタートシーン
2022年スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス スタートシーン
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 この時点での上位陣は、野尻、牧野、そして平川という顔ぶれ。8番グリッドからスタートし、1コーナーへは6番手あたりで飛び込んで行った平川だったが、日立Astemoコーナーを立ち上がる時点では4番手にポジションアップ。さらに第2ヘアピンで宮田をかわし3番手に大幅ポジションアップを果たしていた。

 4周目に入るところでレースが再開されると、3番手につけていた平川が牧野のテールに接近。5周目に入るとオーバーテイクシステムを作動させ、1コーナーでアウト側から一気にオーバーテイク。スタートからほぼ2周で7ポジションアップに成功した。

 しかし、その後方ではまたもアクシデントが。2コーナー先で小林可夢偉(KCMG)がコース上でストップ。どうやら他車と接触した模様で、マシンに大きなダメージを負ってしまい、これで2度目のSCが導入された。

2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 小林可夢偉(KCMG)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 小林可夢偉(KCMG)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 野尻智紀(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 野尻智紀(TEAM MUGEN)

 9周目に2度目のリスタートを迎えると、宮田、笹原の4位争いがヒートアップ。1コーナーから始まった接近戦は3コーナーまで続いたが、宮田はここを抑えきると前の牧野を追いかけていく。その牧野は10周を終えたところでタイヤ交換へと向かい、宮田は3番手にポジションアップした。

 この周、後方では11番手争いの大嶋和也(docomo business ROOKIE)と関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が接触。大嶋は左リヤタイヤがスローパンクチャーしてしまい緊急ピットインを余儀なくされ、その後関口にはドライブスルーペナルティが課されている。

 トップの野尻は、タイヤ交換を済ませた牧野とのギャップを計るように周回。15周を終えたところでピットへと向かう。チームは牧野よりも約1秒早い作業時間で野尻をコースへと送り出し、野尻は牧野の前でコース復帰に成功した。この時点で平川と野尻の差は約31秒。平川はここから1分30秒台のラップタイムを並べて野尻との差を少しずつ広げていく。

 その間に、宮田が18周を終えるところでピットイン。野尻との差は約28秒と、逆転に届くかどうかぎりぎりの距離だったが、宮田は何とか野尻と横並びでコース復帰。ただしコールドタイヤでは勝負できず、1コーナーへは野尻が先行して入っていった。

 平川はレース距離の約半分となる20周を終えたところでピットイン。わずかに左リヤタイヤの交換に時間がかかったが、野尻の前でコースに復帰した。コールドタイヤの平川に対して一気に迫っていく野尻だったが、3コーナーまでで野尻の攻めをしのぎ切った平川が実質のトップを守ってレース後半に入っていく。

 平川を追いかけたい野尻だったが、背後の宮田の方がペースが良く、平川の逃げを許すかたちに。野尻対宮田の争いは24周目に最接近。宮田はほぼ1周にわたってオーバーテイクシステム(OTS)を作動させながら野尻を猛追していき、25周目に入った1コーナーではあわや追突かというところまで近づいた。しかし野尻も巧みにオーバーテイクラインをふさぎ、宮田を押さえていった。

 すでにタイヤ交換を済ませた上位3名の争いに注目が集まる中、静かにギャップを広げていたのが暫定でトップと2番手を行くサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)と三宅淳詞(TEAM GOH)だった。フェネストラズは1分30秒台のラップタイムを並べ、平川がピットに入ってからはトップを快走。野尻との差が約32秒となった28周終了時点でピットへと向かった。左フロントタイヤがすぐに外れず、ピット作業は9.3秒とやや時間がかかったものの、ぎりぎり野尻の前でコース復帰。アウトラップで野尻の追撃を抑えきると、30周目には1分29秒台の自己ベストラップをたたき出してギャップを広げていった。

 さらに、フェネストラズのピットインで暫定トップに立った三宅も1分30秒台から31秒前半のタイムで周回。32周を終えてピットに入ると、野尻の前で復帰。野尻はなんとか三宅をとらえようとOTSも駆使して食らいついていくが、すでに15周以上を走ったタイヤではフレッシュタイヤにはかなわず、これで表彰台圏内からドロップすることになった。

 三宅のピットインで全車が義務付けられたタイヤ交換を終え、平川が名実ともに首位に浮上。その後ろにはフェネストラズ、三宅と並んでいた。トップ3の中でもタイヤがフレッシュな三宅は、34周目には1分29秒台、翌周には1分28秒747のファステストラップをマークしてフェネストラズとの差を一気に詰めたが、すでに築かれていたギャップは大きく、逆転には至らず。平川もフェネストラズに背後を脅かされることなく、2.3秒のギャップを保って今季2度目のトップチェッカーを受けた。

 第4戦の表彰台には、これまでと異なった顔ぶれが並ぶことに。フェネストラズはスーパーフォーミュラデビューイヤーと今季の第1戦富士の3位が最高位だったが、今回自己最高位を更新。三宅は今季のルーキー勢の中で表彰台獲得一番乗りとなった。野尻は4位でチェッカーを受けて表彰台こそ逃したものの、ポールポジションの3ポイントと合わせて今大会で11ポイントを獲得。シリーズランキングトップを死守している。

 次戦となる第5戦は6月18〜19日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。2022年シーズンも折り返しに差し掛かろうという中、21人のドライバーはどのような戦いを繰り広げることになるだろうか。

2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 表彰式
2022スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 表彰式


関連のニュース