レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

投稿日: 2022.07.17 18:34
更新日: 2022.07.17 19:13

笹原右京が大逆転。2度のSC導入の荒れた展開を制し悲願のSF初優勝飾る【第6戦富士決勝レポート】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーフォーミュラ | 笹原右京が大逆転。2度のSC導入の荒れた展開を制し悲願のSF初優勝飾る【第6戦富士決勝レポート】

 7月17日、2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝レースが富士スピードウェイで行われ、13番グリッドからスタートした笹原右京(TEAM MUGEN)がセーフティカー(SC)導入のタイミングを味方につけて大逆転でスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

 2位には坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が、3位には野尻智紀(TEAM MUGEN)が入り、2台そろって表彰台を獲得したTEAM MUGENはチームランキングでcarenex TEAM IMPULを逆転しトップに浮上した。

 予選日の大雨から一転、日差しも降り注ぐ中でスタートした41周の決勝レース。フォーメーションラップから戻ってきた松下信治(B-Max Racing Team)がホームストレートでスピンを喫しコースサイドにストップしたことで、エクストラフォーメーションラップが行われることになり、第6戦の決勝レースはスタート前から波乱の予感に包まれた。

 周回数は40周に減算され、改めて迎えたスタートは、ポールシッターの関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が見事なダッシュを決めてTGRコーナー(1コーナー)をトップで通過。坪井はやや出遅れ、野尻にアウト側からオーバーテイクを許してしまう。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 スタート
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 スタート

 その背後では、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、三宅淳詞(TEAM GOH)の3台が絡む接触アクシデントが発生。平川はスピンしたのちに三宅に乗り上げられてしまい、マシンダメージを受けてストップ。なんとか動き出すことはできたが、そのままコースサイドにマシンを止め、ここでリタイアとなった。その後、このアクシデントについて、大湯に対してドライビングスルーペナルティが課されている。

 さらに3周目、オーバーテイクシステム(OTS)を使いながら接近していた7番手争いのサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)と山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が接触してしまう。後ろから山本に追突されたフェネストラズはコースアウトからタイヤバリアにヒット。マシンが大破するほどのダメージで、レースはSCが導入される。

3周目の接触で激しくクラッシュしたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
3周目の接触で激しくクラッシュしたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

 10周目にリスタートが切られると、8番手の笹原はOTSを駆使して山本をパス。山本はコカ・コーラコーナーで笹原に並びかけ一度はポジションを取り返したが、笹原も食らいついていき、グリーンファイト100Rで再びサイド・バイ・サイドに。そのままアドバンコーナーで抜き去り7番手にポジションアップした。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)を追う笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)を追う笹原右京(TEAM MUGEN)

 10周目を終えてピットウィンドウが開くと、野尻が早々にピットイン。先頭の関口はステイアウトを選択して、タイヤ交換に必要な分の野尻とのギャップを広げにかかった。同様に坪井もステイアウトを選択したが、その坪井も関口にじわじわと離されていく。関口との差を詰めたい野尻も、フェネストラズとのアクシデントに対しドライブスルーペナルティを受け、目の前に後退してきた山本にやや蓋をされる形で、ペースを上げられないまま周回が進んで行った。

 野尻に対する大きなマージンを築いていた関口は、25周を終えるところでピットイン。チームは5.3秒という驚異的なタイムで関口を送り出し、野尻の前でコース復帰に成功した。しかし、第13コーナーに差し掛かろうかというところで関口の左リヤタイヤが外れてしまうアクシデントが発生。ここまで実質のトップを守っていた関口だったが、残念ながら戦列を離れることとなった。

左リヤタイヤが外れてしまうアクシデントでレースを終えた関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
左リヤタイヤが外れてしまうアクシデントでレースを終えた関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

 関口のピットインを確認し、翌26周を終えるところで坪井がピットに向かう。しかし、坪井がタイヤ交換を行っているまさにその瞬間に、関口のアクシデントが発生。坪井がピットロードの出口に差し掛かったところで2度目のSC導入を知らせるボードが掲示される。

 まだタイヤ交換を済ませていなかった笹原、宮田、佐藤の3台はこのタイミングで一気にピットへとなだれ込み、笹原が真っ先にコースに復帰。結果、坪井がホームストレートに戻ってくる前に、わずかに先行した笹原が先頭でTGRコーナーへと入っていった。

 その後、笹原をトップにした隊列はSCに追いつき、31周目に2度目のリスタートを迎える。笹原は坪井を引き離してのリスタートに成功。坪井と野尻の2番手争いは1コーナーのブレーキング勝負にもつれ込んだが、なんとか坪井がしのぎ切って2番手をキープする。野尻の後方には表彰台を狙ってフレッシュタイヤの宮田が迫り、野尻の追撃を免れた坪井は再び笹原を追いあげにかかった。

 しかし、すでに2秒ほどに広がった差を逆転するところまでは届かず、笹原がトップチェッカー。2019年のスポット参戦から数えて4シーズン目で、国内トップフォーミュラ初優勝を飾った。目の前に優勝が見えていたものの、惜しくも2位でチェッカーを受けた坪井は今季初表彰台。3位には野尻が入り、ノーポイントに終わってしまった平川に対しさらにランキングでリードを広げるかたちになった。

笹原右京(TEAM MUGEN)と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)のトップ争い
笹原右京(TEAM MUGEN)と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)のトップ争い
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 初優勝を飾った笹原右京と田中洋克監督(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 初優勝を飾った笹原右京と田中洋克監督(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 暫定表彰式
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 暫定表彰式


関連のニュース