チーム無限からスーパーフォーミュラに参戦することが決まって実現した今回の来日。多くの取材に追われながら、真摯に応える態度がとても印象的だった。
「メディアへの対応は大変だと思わない。F1に行けば多くの取材に応えなきゃいけないし、そのために経験を積んでおくのは大切なことだから。それ以上に、僕のキャリアをフォローして応援してくれている人たちだからこそ、たくさん質問があると思うんだ。取材を通して人間関係が築けていけるのは、とても素敵なことだよ」
日本に来たのは今回が2回目。だから日本のことは「ほとんど知らなくて」。リップサービスなしに、正直に言う。
「僕にとってはまったく新しい世界だと言ってもいいくらいだよ。2015年の日本GPのときにはリザーブドライバーとしてレッドブル・チームと一緒に鈴鹿に行ったけど、他のことをする時間の余裕はなかった。だから日本について僕が知っているのはマンガと(笑)、ゲームが大好きだからゲームと……もちろん、テレビやメディアで伝えられる情報はあるけど、それは本当の意味での経験とは違うから」
スーパーフォーミュラに関しても、正直に言うと大した知識は持ち合わせていない。でも、21歳になったばかりのピエール・ガスリ―が口にすると「知らない」という言葉がとてもポジティブに響いてくる。
「本当に、僕にとってはすべてが新しい世界だ。新しい国、新しい選手権、新しいマシン、新しいサーキット。鈴鹿だけはレッドブルのシミュレーターで走ったことがあるけど、他のコースはまったく知らない。だから同時にたくさんのことを勉強しなきゃいけないと思う。ストフェル(バンドーン)やロイック・デュバルには、日本での生活や仕事の進め方、マシンがどんなふうに作動するかとか、少し教えてもらった。でも、自分で経験していくことが大切だと思うし、3月上旬の鈴鹿でのテストで見極めていきたいと思う」