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投稿日: 2023.05.21 18:18
更新日: 2023.05.21 18:30

リアム・ローソンが2勝目を飾りランキング首位浮上。宮田莉朋は1.2秒届かず【SF第4戦決勝レポート】

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スーパーフォーミュラ | リアム・ローソンが2勝目を飾りランキング首位浮上。宮田莉朋は1.2秒届かず【SF第4戦決勝レポート】

 2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝レースが大分県のオートポリスで行われ、2番グリッドスタートのリアム・ローソン(TEAM MUGEN)が序盤にタイヤ交換を実施するアンダーカット作戦を成功させ、ポールスタートの坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)を逆転し、今季2勝目をマークした。

 2位にはコース上で坪井をとらえた宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が続いた。坪井は終盤、山下健太(KONDO RACING)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)にも追い詰められたが、最後までおさえきり3位でフィニッシュ。表彰台の最後の一角に踏みとどまった。

 予選日は午前と午後で大きく気温、路面温度が変わり、各チームやドライバーを悩ませたオートポリス。決勝日は朝から青空が広がり、午前10時にスタートした30分間のフリー走行は気温は13度と涼しめだったが、路面温度はこの時点ですでに31度を記録。決勝レーススタート時には気温23度、路面温度38度まで上昇した。

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス スタート
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス スタート

 まるで初夏を思わせるような陽気の中、15時にフォーメーションラップが始まり、41周の決勝レースがスタートした。好スタートを切ったのはポールシッターの坪井と3番グリッドスタートの阪口晴南というP.MU/CERUMO・INGINGコンビ。阪口はローソンをかわして2番手に浮上した。

 ローソンは予選4位の宮田にも迫られ、ヘアピンコーナーではサイド・バイ・サイドの争いに。何とか宮田を振り切り、オープニングラップは坪井、阪口、ローソン、宮田、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、山下というトップ6で通過していった。

 オープニングラップから4周目あたりまではトップ坪井と阪口の差は約1.1秒、阪口とローソンの差は0.5~0.6秒で拮抗していたが、5周目を過ぎたあたりから後ろの2台に対して坪井が差を広げ始める。10周目には坪井と阪口の差は2.8秒となっていた。

 この10周目にピットウインドウがオープンし、上位陣では7番手を走行していた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が真っ先にピットイン。12周を終えるところで5番手走行の福住がピットに向かうが、牧野はここでアンダーカットに成功し、タイヤ交換組のトップをキープしている。その翌周、13周を終えるところでローソンがピットイン。

 チームのタイヤ交換作業もスムーズで、ローソンは牧野の前でコース復帰に成功。すでにタイヤに熱が入っている牧野が攻め立てるものの、アウトラップでポジションを守り切ったローソンはそのままタイヤ交換組のトップ、“裏1位”で後半スティントに入っていった。

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス リアム・ローソン(TEAM MUGEN)

 ローソンのピットイン直後、14周を終えるところでピットに向かったのは阪口。こちらも作業はスムーズだったがローソンの前に出ることはかなわず、牧野の前でコースに復帰した。阪口をとらえようとする牧野とのバトルはヘアピンコーナーまで繰り広げられたが、阪口がおさえきって“裏2位”をキープした。

 15周終了時点で、暫定トップの坪井と“裏1位”のローソンとの差は31秒。坪井のペースがあまり落ちなかったことと、ローソンの目前に同一周回ではあるがペースの遅いマシンが現れたことで、2人の差はいったんは34秒までさらに広がったが、ローソンがペースの遅いマシンをかわしてスピードを取り戻すと、今度は2台の差が徐々に縮まってくる。

 その差が30秒を切った24周終了時点で坪井はピットに向かうが、コースに復帰した時にはローソンはすでに1コーナーへ侵入。ここまでトップを守っていたが、ローソンの逆転を許すこととなった。坪井はフレッシュタイヤで、27周目にはファステストラップを塗り替えローソンに迫る。28周目に入ったストレートではお互いにオーバーテイクシステム(OTS)を使いながらのバトルとなったが、ローソンが1コーナーをおさえきった。

 29周を終えるところで、宮田を先頭に、山下、平川、関口までの暫定トップ4台がタイヤ未交換組。ローソンと坪井がその後ろに続いていた。実質3番手の阪口は、見た目上8番手を走行していたが、その後ろで牧野をとらえていた大湯都史樹(TGM Grand Prix)が急接近。ジェットコースターストレートの先で大湯が阪口に並びかけたがそこで2台は接触。

 大湯は姿勢を崩してアウトサイドにコースオフ。グラベルにつかまり、2戦連続のリタイアとなってしまった。阪口もマシンにダメージを負ったかそのままピットへ向かい、いったんはコース復帰したものの再びピットへ戻り、リタイアになった。

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリスは終盤にSC導入という展開に
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリスは終盤にSC導入という展開に

 大湯の車両を回収するため、29周目にセーフティカー(SC)が導入されると、このチャンスに、宮田、山下、平川、関口、大津弘樹(TEAM MUGEN)が一気にピットインする。ローソン、坪井の2台には先行されたが、宮田は3番手、山下は4番手でコース復帰。平川は牧野、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の後方7番手で終盤戦に入った。

 34周目に入るところでSCが隊列を離れリスタート。このリスタートをうまく決めたローソンは坪井を引き離していく。坪井は逆に宮田に詰め寄られ、37周目のジェットコースターストレートではサイド・バイ・サイドに。この場面は何とかしのいだ坪井だったが、翌28周目の1コーナーではOTSを使って宮田が一気に勝負をかけてオーバーテイク。坪井は3番手に後退となった。

 2番手に上がった宮田は残り3周、ローソンよりも速いラップタイムでギャップを削っていくが、1.2秒届かず。ローソンがトップチェッカーを受け、第2戦富士大会に続き今季2勝目を飾った。

 ローソンはこれでポイントランキングでチームメイトの野尻智紀(TEAM MUGEN)をかわしてトップ浮上。第4戦で2位に入った宮田も野尻を上回りランキング2位に浮上した。惜しくも優勝を逃した坪井も、終盤の山下と平川の猛追を振り切って3位フィニッシュ。予選で獲得した3ポイントも加算しランキング3位となった。なお、今回欠場となった野尻はランキング4位となる。

 全日本スーパーフォーミュラ選手権、次戦となる第5戦は宮城県のスポーツランドSUGOで、6月17〜18日に開催される。

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス SF2勝目を飾ったリアム・ローソン(TEAM MUGEN)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 2勝目を飾ったリアム・ローソン(TEAM MUGEN)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 表彰式
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 表彰式
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 関口雄飛と平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 関口雄飛と平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)


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