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投稿日: 2024.12.10 14:57
更新日: 2024.12.10 14:58

「今年一番のフルプッシュ」で見せた17号車Astemoの太田格之進、2番手からあの手この手でトップを狙うも一歩及ばず


スーパーGT | 「今年一番のフルプッシュ」で見せた17号車Astemoの太田格之進、2番手からあの手この手でトップを狙うも一歩及ばず

 鈴鹿サーキットでの2024スーパーGT最終戦。GT500クラスは36号車au TOM’S GR Supraが予選終了時点でシリーズチャンピオンを決めたが、決勝レースでは今季王者を最後まで苦しめたライバルも現れた。その中でも最終ラップまで隙があれば前に出ようという姿勢を崩さない執念を見せたのが、2位となった17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTの太田格之進だった。

 2番グリッドからスタートした17号車Astemoは前半を塚越広大が担当。10周目にGT300車両と交錯してコースオフしたことでポジションを落とすが、徐々に順位を上げて18周目にピットストップを済ませると3番手に挽回。ここから、後半担当の太田が持ち前のスピードで前を走るライバルとの差を詰めていく。

 当初はトップに対して6秒以上のギャップがあったが、その差を詰めるきっかけとなったのが31周目のフルコースイエロー(FCY)だ。脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-Rが白煙を上げてストップ。消火器対応もあったため、約5分(1周と少し)にわたって全区間で速度制限が設けられたが、そこで上手く立ち回ったのが太田だった。

 最終コーナーをはじめ、各コーナーで可能な限りイン側のラインを選択して、速度制限下でも最短距離を走って差を縮めていこうとした。

 この走りについては「普通に距離重視で走っただけです」と太田。とはいえ、闇雲に“インベタ”のラインを使うのではなく「ただ、距離を稼ぐことによって路面が埃っぽいところは走ってはいけないので、思い切りインベタでゴミを拾いに行くようなラインは通らないにしても、ちょっとでも稼げるように内側へいった方が良いかなという気持ちで走っていました」と続ける。

 さらに、トップを走っていたau TOM’S GR Supraの山下健太と比べての“位置関係”でも有利な部分があっった。

「FCYが出る瞬間は僕の前がクリアだったので、そこで多少は縮められたと思いますし、(36号車auの前にいた)GT300のクルマが若干スピードが遅かったのかもしれないですけど、それで追いついて行くことができました(太田)」

一方、3号車Niterra MOTUL Zを駆る三宅淳詞の猛攻からトップを守っていた山下は、このFCYが不利に働いていた。

「僕の前を走っていたGT300のクルマがFCY中のペースが正直、遅くて……。ブレーキを踏む場面もありました。『これは17号車が追いついてくるな』と思っていました」と山下。

 それまで2番手でトップの36号車auを追っていた3号車Niterraの三宅淳詞が、FCY解除直後にスピンを喫して後退。これにより、最終戦の優勝争いは山下と太田の一騎打ちに持ち込まれた。

au TOM’S GR Supra/Astemo CIVIC TYPE R-GT
2024スーパーGT第5戦鈴鹿 au TOM’S GR SupraとAstemo CIVIC TYPE R-GTの争い

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