2025年、オートスポーツwebは前身のクラッシュネット・ジャパンから名称を変更してから20周年を迎えました。これもひとえに、読者の皆さまのご愛顧のおかげです。そこで、皆さまへの感謝の意味も込め、20周年特別記念連載をスタートさせます。題して『オートスポーツweb20周年企画 20の質問で丸わかり』です。かつて、AS+Fやオートスポーツ本誌で連載されていた『100の質問』を20周年記念版でリメイク。スーパーGT GT500ドライバーのプライベートを解き明かしていきます。
第4回は、スーパーGTではENEOS X PRIME GR Supraをドライブ、スーパーフォーミュラではdocomo business ROOKIEから参戦する大嶋和也選手。ROOKIE Racingの屋台骨とも言える存在です。ではいってみましょう。
* * *
──というわけで、お時間いただきましてありがとうございます。おかげさまで、オートスポーツwebが今年20周年を迎えまして、記念企画として『20の質問で丸分かり!』というコーナーを作りたいと思っております。
大嶋和也(以下大嶋):実は僕もスーパーGTに出てから20年なんですよ。今年38歳だから。どうでもいい話かもしれないけど。
──おお。なるほど。それはどうでもよくないですよ。ちょうどバッチリな企画になったじゃないですか。
大嶋:それを狙ったってこと?
──……いやっ! そういうワケではないんですがね(汗)。20年前というと、TOY STORY Racing apr MR-Sの年?
大嶋:それは石浦(宏明)さんと組んだ2007年ですね。2006年は梁山泊 apr MR-Sでした。
──おお〜懐かしい。
大嶋:20年前は知っている若手ドライバーがまわりに全然いなくて、話し相手が嵯峨(宏紀)ちゃんしかいなかったんですよ(笑)。走行終わるたびに嵯峨ちゃんのトコ行ってました。
──いや〜、20年経つといろいろ懐かしいですね。ではまず、第1問からいってみましょう。
(ちなみに、調べてみると石浦選手も2006年デビューでした。第6戦鈴鹿でDHG ADVAN FORD GTの第3ドライバーとして登録されています)
●「とてつもなく歌が上手い」相手と行ったカラオケ
Q1:趣味は何ですか?
大嶋:美味しいご飯か……あとカラオケとかも入るのかな。それとペット飼育なんかもありますね。
──ペット? 何飼ってましたっけ。
大嶋:いろんなものやってますよ。去年、一昨年は昆虫系にトライしてました。ひととおり交尾から産卵、ふ化までやって、ちょっと満足したのでいったん落ち着いています。オオクワガタと、ヘラクレスオオカブトを育てましたよ。
──ほほう。
大嶋:メチャクチャお金かかりますよ。成虫になってからはもう大きくならないじゃないですか。だから幼虫のときにいかに良いエサを与えるかが大事なので。幼虫のうちは温度、湿度、それからエサとメチャクチャ気を遣うんですよ。面白かったですけど、大変すぎましたね(笑)。あとはダニとかも沸くので、家の中でやってると奥さんからの目がね(笑)。
Q2:では、最近気になっている芸能人、有名人は?
大嶋:あまり他人に興味ないんですよねえ。でも、モリゾウさんとの絡みでマツコ・デラックスさんと飲んだり、食事したりするのですが、あの知識と会話の説得力はやはりスゴいです。
Q3:好きな本や映画、音楽は何ですか?
大嶋:映画もあまり観ないなあ。最近観た中では『涙の女王』はけっこう面白かったです。音楽は基本的にカラオケで覚えたい曲を聴いている感じです。最近湘南乃風さんがランドクルーザーのCMソングを作ったじゃないですか。あれは覚えたいですね。あとは、ランキングをプレイリストにして流しておくくらいです。
──手越(祐也)君の曲とかは?
(編注:大嶋選手と手越祐也さんは堀越高校の同級生)
大嶋:歌わない(笑)。でも、カラオケが好きになったきっかけは手越なんです。高校時代は毎日学校が終わったら一緒にカラオケ行って、とてつもなく歌が上手い手越と一緒に歌わされるワケですよ(笑)。すごいプレッシャーのなかずっとカラオケしてました。同じマイクと音響で歌ってるのに『スピーカー替えた?』みたいな(笑)。
Q4:では、行ってみたい場所はどこですか?
大嶋:サーキットがないところはあまり行ってませんが、基本的にアジアが好きなので、アジアで綺麗なところに行きたいですけど、なかなかチャンスがないですね。でも、今度台湾にROOKIE Racingのガレージとかもできたので、行くことが増えたのは嬉しいです。
──台湾、いいよねえ。ご飯美味しいし。
大嶋:日本に対しての親近感がありますし、ほとんどの人が日本語少し分かりますしね。今度は台湾のリゾート地とかに行ってみたいです。
Q5:もし何かひとつ、新しいスキルを身につけられるとしたら、何を学びたいですか?
大嶋:う〜ん。言葉かな。外国語です。英語は困らない程度は大丈夫ですけど、仕事でガッツリ話せと言われたら少し足りないです。あとは中国語や韓国語ができたら世界も広がりそうな気がしますが、今さらそれをやる気力がないです(苦笑)。
●尊敬する人はあの人
Q6:休日(暇な時間)はどのように過ごすことが多いですか?
大嶋:それこそペットの世話ですね。あとは、家に無駄なものがあるのがすごくイヤなんです。
──買ったシミュレーターも売っちゃいましたもんね。
大嶋:一度興味をもったらいったん揃えるんだけど、しばらく経って『やっぱり違ったな』と思ったら、それがそこに置いてあるのが耐えられないタイプです(笑)。基本断捨離してる。
Q7:人生で一番大切にしていることは何ですか?
大嶋:感謝かな。自分のために動いてきてくれた人を裏切らないようにしています。
──大事だよね。できない人はいますからね。
大嶋:裏切られた人のことはとことん嫌いますけど、裏切らずにやってくれる人にはとにかく感謝です。そのあたりは極端にハッキリしているかもしれません。
Q8:どんな時に幸せを感じますか?
大嶋:最近、目覚まし時計をかけずに寝られた時かな(笑)。
──切実!
大嶋:『今日目が覚めるまで寝られる!』みたいな朝が幸せですね(笑)。いまあまりにも忙しくて、家に一日いるのが月に1〜2日しかないんですよね。
Q9:尊敬する人は誰ですか?
大嶋:ダントツでモリゾウさんかな。あとは何人かいますけど、印象に残っていて『すごいな』と感じたのはモリゾウさんです。あとはマツコさんもそうですし、成瀬さん(故成瀬弘さん)ですかね。
──モリゾウさんのすごさは良く分かるのですが、大嶋さんとしてはどの点が尊敬できる? いろいろあるとは思うのですが。
大嶋:考えていることのレベルが想像つかないくらい高いですし、広い。相談したことに対して絶対に何かしらの答えをくれますし、人として魅力がある方ですよね。近くにいる人がみんな『モリゾウさんのために』となります。僕については、すごく気にかけてもらってますし、結果が出ないときもずっと信じてくれています。
Q10:これまでの人生で、一番の挑戦は何でしたか?
大嶋:去年のドリフト(フォーミュラドリフト・ジャパンへの参戦)かな。ホントにぶっつけ本番でしたし、あの速度域で横を向けるということもやったことがなかったです。それを一度も練習なしにいきなり本番だったので、かなりドキドキしました。
──今年の出場は?
大嶋:ちょっとだけ出ます。
──今年は大湯都史樹選手も出るらしいですね。
大嶋:大湯はもともと趣味でけっこうやってるし、シミュレーター世代ですからね。今はシミュレーターでもドリフト練習できるみたいですし。僕はいまいちしっくり来なかったんです。
●やり始めたら気が済むまで
Q11:困難な状況に直面した時、どのように対処しますか?
大嶋:ただただ耐える(笑)。『もっと辛いことあったよな』とか『いま諦めたら後悔するよな』とか自分に語りかけて頑張ります。人に相談するタイプではないので。
Q12:自分の長所と短所は何だと思いますか?
大嶋:人のことを気にしすぎることかな。まわりをよく見るタイプですし、人がどう考えているのか、感情の動きなども見ちゃうんです。それが良い面でもあるし、もちろん負の感情も入ってくるので、ネガティブなところでもあります。
Q13:子供の頃はどんな子供でしたか?
大嶋:何かをやり始めたらひたすら没頭するタイプでしたね。だいぶ変わっていた気がします(笑)。悪く言えば超ワガママだったかも。小学校低学年でとてつもなくデカいパズルとかひとりで作ってましたし、やり始めたら一日で作らないと気が済まないんです。
──集中力がスゴい。
大嶋:お風呂が汚れてくると、親が掃除用具だけ並べておくんですよ。僕が気になっちゃうとやり終わるまで出てこないので、うまいこと使われてました(笑)。
──家の掃除は自分でする派?
大嶋:やりますけど、家にいられないから任せてますし、家にいない以上気になってもあまり言わないようにしてます。
Q14:他の人から、どんな人だと言われることが多いですか?
大嶋:優しい、大人しい……何考えてるか分からない……とかですかね。あまり自分で発信するタイプではないので。
Q15:動物に例えられるとしたら、どんな動物だと思いますか?
大嶋:う〜ん。あまりないな……。でも子どものころ、いつも口開いてたみたいで『カエル』と言われたことはあります(笑)。
──ちなみに好きな動物は?
大嶋:犬でも猫でも。嫌いな動物がいないですね。ウソつかないし(笑)。
●20年後の計画はすでに進行開始?
Q16:ここからは『20』にまつわる質問です。20回以上通っているお店かレストランを教えてください
大嶋:プライベートでそこまで通っているところはないかな。でも各サーキットで、必ず1カ所くらいは毎回行くお店はありますね。
──みんなそういうのはあるよね。やっぱりチームが変わると変わったりするんですかね。
大嶋:やっぱりチームメイトが変わると、チームメイトが行っていたところにも行きますね。でもトヨタ系とホンダ系であまり会わないかもしれませんね。トヨタ系はよく会います(笑)。
Q17:20年以上、使っているものはありますか?
大嶋:ええっ!? いや、ないなあ。傷んだらすぐ替えちゃうタイプです。強いて言うならベルトとか。二十歳くらいのときに使っていたものが家にはあるけど、ほぼ使ってないですね。基本的にデザインがもう違いますからね。
Q18:最初の話と絡みますけど、20年前は何をしていましたか?
大嶋:スーパーGTにデビューした年ですよね。あと全日本F3にも出てました。2005年を20年とするか2006年にするかは悩ましいですが。
──F3は誰がチームメイトでしたっけ。
大嶋:(エイドリアン)スーティルとやってましたね。石浦さんはその年はナウモータースポーツで出ていて、次の年チームメイトになってます。
Q19:20年前の自分に言いたいことは?
大嶋:………
──長い沈黙ですな。
大嶋:別にそんなに後悔しているわけじゃないんですけどね(笑)。いま考えると、もうちょっとレースに割く時間が多くても良かったんじゃないかな、とは思いますね。
Q20:20年後にしていたいことは?
大嶋:う〜ん。田舎でのんびりしていたいです(笑)。ペットとか好きなので、都心のマンションとかより庭が広くて、ガレージもあるような家が欲しいですね。それに向けて準備というか、いろいろ計画は立ててますよ。
──おお。素晴らしい。計画が立てられるのは良いですね。
大嶋:まあ勝手に想像して調べているだけで、お金の準備が何もできてないから進まないんですけどね(笑)。
* * *
そんなこんなで、大嶋選手らしい回答満載な『20の質問』でした。次回もお楽しみに!