6月28日、マレーシアのペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットにて2025年スーパーGT第3戦『SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025』の決勝が行われ、18号車UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)がGT300クラスを制した。2位は52号車Green Brave GR Supra GT (吉田広樹/野中誠太)。3位には8番グリッドからスタートしたグッドスマイル 初音ミク AMG(中山友貴/奥本隼士)が入っている。
シリーズとして6年ぶりの海外戦にてして、ここセパンでは2013年以来、実に12年ぶりの開催となったGTマレーシア・ラウンド。通常のレースフォーマットと異なり3日間で行われた今戦は、26日木曜から走行がスタート。金曜の公式予選を経て、土曜の決勝日を迎えた。
その土曜は朝方にスコールがあったものの、決勝レースに向けて天候は回復し、スタート時は薄曇りに。気温は33℃、路面温度42度、湿度56%で路面はドライコンディションだ。
前日の予選後に全ラップタイムが抹消された45号車PONOS FERRARI 296がピットスタートを選択するなか、定刻16時30分(日本時間17時30分)に、GT500クラスに続いてGT300の各車も2周のフォーメーションラップに出ていき、ポールシッターの18号車UPGARAGEを先頭にいよいよ300kmの戦いが始まった。
GT300クラスにエントリーした計19台のマシンはスタート直後の1、2コーナーを大きな混乱なく通過。続くターン4で、元嶋佑弥が駆る0号車VENTENY Lamborghini GT3と2番手スタートの52号車Green Braveがサイド・バイ・サイドとなり、わずかに接触したが大事には至らず。
その52号車を駆る野中は後半セクションで一気に18号車UPGARAGEに近づくと、間髪入れず最終コーナーの飛び込みでオーバーテイクを決め、オープニングラップでポールシッターの野村からトップの座を奪ってみせる。
後方では5番手スタートの61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが2号車HYPER WATER INGING GR86 GTと777号車D’station Vantage GT3にかわされ7番手にドロップ。一方、金丸ユウがステアリングを握る56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGと31号車apr LC500h GTをパスして10番手からふたつ順位を上げた。
3周目、トップに立った52号車Green Braveが後続を引き離していくなか、2番手18号車UPGARAGEに0号車VENTENYが近づいてくる。この2台による2番手争いは19周目に元嶋がピットインするまで、ミスが許されない接近戦が続くことになる。
レースが序盤から中盤に移るころ、4号車初音ミク AMGがミニマムの周回数でピットに入る。タイヤは四輪交換、ドライバーは中山から奥本へ。このあと各車が続々とピット作業を行っていくなか、上位の2台は25周目までファーストスティントを引っ張っていく。
先に動いたのは首位の52号車Green Braveだ。しかし、ここで左側のタイヤ交換に手間取り15秒近いタイムを失ってしまう。対する18号車UPGARAGEは翌周にピットイン。スムーズな作業でコースに戻ると、遅れを取った52号車からトップの座を奪い返すことに成功した。
■王者相手にデビュー戦とは思えないクレバーなバトル
全車のピットイン完了後、首位UPGARAGEと2番手に下がったGreen Braveのタイム差は約14秒。0号車VENTENYが3番手で続き、アンダーカットでピットイン前の6番手から順位を上げてきた4号車初音ミク AMGが4番手に。5番手は87号車METALIVE S Lamborghini GT3だ。
2番手に下がった52号車の吉田はペースを上げ、トップを走る18号車にじりじりと迫っていく。その差は34周目の時点で8.1秒。38周目には5.6秒となった。ただし、18号車の小林も応戦するかたちで、終盤まで5秒前後の差がキープされた。
しかし、最終盤にはふたたびGreen Braveの猛追が始まり、ファイナルラップには1秒を切るまでに接近することに。だが、逆転には至らず最後は18号車が逃げ切ってトップチェッカー。この勝利はチームと小林にとって2023年第5戦鈴鹿以来およそ2年ぶり、メルセデスAMG GT3スイッチ後の初優勝、さらにルーキーの野村にとっては前日の初ポールに続くうれしい初勝利、そして2015年からGT300に参戦するTEAM UPGARAGEにとって初のポール・トゥ・ウインとなった。野中/吉田組の52号車はトップまで0.933秒およばず2位に終わった。
VENTENYの小暮卓史と、初音ミク AMG奥本による手に汗握るバトルは、このレースのハイライトのひとつとなった。0号車と4号車はレース後半に3番手を争い、ペースに勝る初音ミク AMGが再三にわたってチャンピオンカーに仕掛ける動きを見せた。そのたびに小暮がベテランの味を発揮してポジションをキープしたが、残り5周でついに順位が動く。
ターン1をアウト側で回り直後のターン2で小暮のインに飛び込んだ奥本がオーバーテイクに成功したのだ。これにより代走のふたりがドライブした4号車初音ミク AMGが3位表彰台を獲得することに。中山と、今大会がGT300デビュー戦となった奥本の“代役コンビ”は、ファンの投票による『J SPORTSベストパフォーマンス賞』も受賞している。
一方、粘りを見せるも土壇場で表彰台圏外に落ちた0号車VENTENYは4号車とのバトルでタイヤを使い切ったか、その後はペース的に苦しい展開に陥りファイナルラップでJLOCの姉妹車87号車METALIVE Sにもかわされ5位フィニッシュとなった。
6位以下は2号車HYPER WATER INGING GR86 GT、777号車D’station Vantage GT3、65号車LEON PYRAMID AMG、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTと続き、56号車リアライズがトップ10リザルト締めくくっている。
【追記】
レース後、4位でフィニッシュした87号車METALIVE S Lamborghini GT3に、「複数回のトラックリミット違反」による40秒の加算ペナルティが科された。この結果87号車は9位に降格となり、同時に5~9位でチェッカーを受けた車両の順位がひとつずつ繰り上がった。
開幕から3戦目を終えた2025年のスーパーGTの次戦は『FUJI GT SPRINT RACE』だ。シーズンの前半戦最後のレースとなる第4戦は、静岡県小山町の富士スピードウェイにて8月2~3日に開催される。


