2017年のスーパーGTは、5月20〜21日に行われた第3戦から長いインターバルを経て、7月22〜23日の第4戦スポーツランドSUGOから2〜3週間おきにレースが行われる“夏の3連戦”を迎える。この中盤戦では、GT300クラスも新たな展開を迎えることになるかもしれない。
今季のGT300クラスは、開幕戦岡山でグッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が優勝。第2戦富士ではJMS P.MU LMcorsa RC F GT3(中山雄一/坪井翔)が優勝し、第3戦オートポリスは、2016年チャンピオンカーのVivaC 86 MC(松井孝允/山下健太)が制した。
7月7日(金)に発売されたオートスポーツNo.1460でも『スーパーGT事件簿』と題して前半3戦の出来事を総括しているほか、中盤戦プレビューを掲載しているが、鈴鹿テストでも見えた、その内容のおさらい&“プチアップデート”をお届けしよう。
■好調グッドスマイル。中盤戦もメルセデス勢が速い!?
その後シリーズは約2ヶ月の間隔が開くが、6月16〜17日には第4戦の舞台であるSUGOで、そして6月30〜7月1日には、第6戦の舞台である鈴鹿サーキットでテストが行われた。この2回のテストで、いずれも上位につけているのがランキング3位(27ポイント)のグッドスマイル 初音ミク AMGだ。
鈴鹿テストの際に主にステアリングを握った片岡龍也に、このテストでのフィーリングを聞くと「鈴鹿1000kmのレースを想定した感じで走っていましたが、悪くないフィーリングです」という。
一方、チームの河野高男エンジニアは「ウチがあまり速いとは思っていない。まわりにウエイトをたくさん積んでいるチームがあるとは思っています。SUGOでもそうでしたが、『もっと速いだろ?』というチームが多い」と周囲の速さがまだ実際とは異なるだろうと警戒する。
「ウチも目一杯いっているし、タイヤも含めていろいろなことが決まってきている。クルマも仕上がってはいると思う。ただ去年と比較しても、まわりが遅すぎる感じはした」
この鈴鹿公式テストは、第4戦/第5戦で「これくらいはポイントを獲るだろう」と計算したウエイトハンデでほとんどのチームがテストをこなす。河野エンジニアが予想するのはその点だ。当然グッドスマイル 初音ミク AMGも鈴鹿を想定したウエイトで走っていたが、「実際にSUGO、富士でどうなるかは分からないし、実際は違うと思う」という。
とは言え、オートスポーツNo.1460でも触れているとおり、グッドスマイル 初音ミク AMGを含むメルセデスベンツAMG GT3勢が今季好調なのは間違いなさそう。ライバル勢に聞いても「4号車をはじめAMGが速い」と口を揃える。GAINER TANAX AMG GT3やLEON CVSTOS AMG等、タイヤ銘柄が異なるチームも頻繁に上位に顔を出しており、2年目となる今季のメルセデスAMG GT3勢は、タイトルを争う存在なのはたしかだろう。