2017年からオートスポーツwebナビゲーターに就任した水瀬きいさんに、日本で活躍するレーシングドライバーに突撃インタビューをしてもらうことになりました。第6回目は、じつは初めての日本人ドライバー。スーパーGT500クラスでS Road CRAFTSPORTS GT-Rをドライブする、千代勝正選手です!
これまで5回お届けしたこのコーナー。きいさんの語学力を活かして全員外国人ドライバーだったのですが、今回は初めての日本人。今季はスーパーGT500クラスでS Road CRAFTSPORTS GT-Rをドライブする千代勝正選手です! 以前からきいさんとは顔見知りだったとのことですが、いったいどんなインタビューになるでしょうか!? ではさっそくどうぞ!
※この取材はスーパーGT第4戦スポーツランドSUGOの金曜日に収録しました。
■今年のGT500はワガママ女子!?
水瀬きい(以下Kii):まずは今季、GT500とブランパンGT含めて、シーズン前半戦を振り返ってください。
千代勝正(以下KC):スーパーGTはまだ思うような結果が出ていなかったですからね。去年の開幕は初めてのレースで予選で首位だったりと、いいスタートだったんですが、途中で怪我をしたり。今年はレギュレーションが変わって『よし、いくぞ!』と思っていましたが、まだ開幕3戦で結果が出せていないんですよね。ブランパンでもまだ結果が出ていないので、苦戦中です。
Kii:ブランパンGTはひさびさに参戦して、いかがですか?
KC:やっぱり難しいレースです。60台のクルマが一斉に走って、しかも全部GT3ですからね。コース1周の長さは日本と大して変わらないのに、そこに60台もいるから全然スペースがないんです。それで一斉に15分間で予選をやるので、スペースを作ってクリアラップをとるのが、本当運試しみたいな感じで。クルマの速さもドライバーの腕も必要ですが、運も大きいです。すべてかみ合わないと勝てないレースですね。楽じゃないです。
Kii:スーパーGTに話を戻します。2017年のニッサンGT-RニスモGT500はどんなクルマですか?
KC:去年と比べると、新しいレギュレーションに合わせて25%ダウンフォースが減っていて、それを取り戻すためにエアロも改良されています。エンジン等は正常進化なのですが、レギュレーションの違いが大きくて、ダウンフォースが少なくなった分、空気に頼らないメカニカルグリップが必要になっています。どのメーカーも同じだと思いますが、その部分の味付けというか、セッティングが難しくて、開幕から苦労していますね。機嫌がいいときはすごくいいんですが、それ以外はちょっとジャジャ馬ですね。
Kii:昨年までのGT500とはやはりけっこう違う?
KC:違いますね。やはりダウンフォースが減っているから、昨年まではちょっと無理をしてもクルマがついてくる。限界が高かったからごまかせた部分もあったけど、今年はちょっとミスをするだけでごまかしがきかない。ドライビングはすごく難しいです。繊細ですね。優しく扱わないといけないです。強引に扱うと言うことを聞いてくれないです。
Kii:まるでワガママな女子の扱い方みたいですね!
KC:そう。優しく扱わないと(笑)。