今シーズンのスーパーGTも、いよいよあと2戦。この週末にタイのブリーラムで開催される今回のタイ戦はさまざまな意味で、いつもと環境が異なる開催になる。
タイの国内では昨年10月13日に死去したプミポン前国王の服喪期間が今月10月27日までとなっており、10月25日〜29日には葬儀が行われるため、国全体が追悼モード。
10月13日からは政府機関、国営企業などが半期を掲げる予定で、テレビやラジオ、新聞などのメディアや娯楽施設ではPRを自粛し、インターネットではサイトのデザインをモノクロにしたち、テレビはドラマなどの娯楽番組は放送を控えたり、他の番組でも色彩を40%落として放送すると伝えられている。
そのようなタイの国内情勢を受けて、スーパーGT第7戦タイでもマシンは喪章を付けて走行となり、追悼の雰囲気を尊重し、グランドスタンド裏などでのイベント開催や、表彰台でのシャンパンファイトなどを自粛することになる。
タイの街中は追悼ムードだが、スーパーGTのレースはタイの気温と同じくらいホットな展開になりそうだ。金曜の搬入日でも炎天下の中、ドライバーたちがコースの下見に向かい、先日、妻の狩野恵里アナの妊娠を発表した山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)はチームメイトの伊沢拓也とともにランニングでコースを周回。山本はピットに戻るやいなや全身に水を浴び、全身をクールダウンしていた。
ホンダ陣営としては山本のRAYBRIG NSX-GTとARTA NSX-GTが35ポイントで並んでホンダ陣営のトップのランキングになるが、それでも全体ではランキング8位と9位。タイトルの可能性を残すには、このタイで大量得点が必須になる。ホンダ陣営としては、チャンピオン争いに関しては苦しい立場にあることは間違いない。
このタイでのGT500クラスの見どころは、2つに絞ることができる。ひとつめは優勝争いのポイントとなるタイヤメーカーバトル、そしてふたつめはシリーズランキング争いのゆくえ、トップのMOTUL AUTECH GT-RとレクサスLC500陣営内の戦いだ。
昨年のタイ戦のGT500はWedsSport ADVAN LC500がチーム初となるポール・トゥ・ウインを飾ったように、ヨコハマタイヤとこのタイ、ブリラム・サーキットの相性はすこぶる良い。今年もWedsSportだけでなく、ヨコハマタイヤを装着するフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、MOTUL MUGEN NSX-GTもウエイトハンデが軽く、このタイ戦に懸ける意気込みには相当なものがある。