2006年から12年まで日本で活躍した後、アウディでLMP1をドライブ。2016年をもってアウディが突如LMP1活動を終了した後もアウディに残留し、今季は初となるDTMドイツツーリングカー選手権に参戦したロイック・デュバルに、自身のDTMデビューイヤーと、“古巣”であるスーパーGTについて聞いた。
──あなたにとって初めてのDTMでのシーズンを振り返ってみて、いかがでしたか?
ロイック・デュバル(以下LD):はっきりいってとても厳しく、難しいシーズンだった。DTMに参戦すると決まってから、ある程度は難しいシーズンになることは予想していたものの、こんなに苦しい状態が長く続くとは思わなかったよ。ある程度レースのテンポをつかみかけた頃には、シーズンが終わりかけていたという状態だった。ザントフールトを境にマシンのパフォーマンスを活かせてきて、やっとDTMで戦えるレベルになった気がする。コンペティティブなLMP1や日本のスーパーGT、スーパーフォーミュラで戦っていて、ずっとハイパフォーマンスカーをドライブしていたけど、DTMに来ると、例えばタイヤのグリップ力や空力など、ある意味で“ステップダウン”したマシンを操縦することがどれだけ難しかったかを痛感したね。パフォーマンスが低いマシンから、ハイパフォーマンスマシンをドライブすることはすぐに習得できるけど、逆のパターンはとても厳しい。ドライビングのスタイルから、何から何まで変える必要があったのは難しかった。
──厳しいシーズンながらも今季はザントフールトで2位を獲得。初ポイント、初ポディウムを飾りましたね。
LD:ザントフールトに限らず、どのレースでも勝つためだけに全力で挑んでいたが、空回りの連続だった。ザントフールトではさまざまなコンディションがうまく重なり、フリープラクティスからかなりいいタイムを出せていたんだ。自身のパフォーマンスに対する手応えを感じた。チームにもやっと貢献ができたと思うし、できればあの時のようにシリーズ全部のレースでトップ集団を走れるようになりたいね。