スーパーGTニュース

2018.02.05

『F1グリッドガール廃止』で騒然。改めて知っておきたいグリッドガールとレースクイーンの文化


 FIAフォーミュラワン世界選手権が1月31日、2018年から決勝レース前のスターティンググリッドにおける、グリッドガールの廃止を公式ホームページ上で発表した。このニュースは、ふだんからモータースポーツをあまり取り上げることがない媒体も含め、“女性差別の問題”をめぐりさまざまな声が挙げられている。

■“グリッドガール”と“レースクイーン”

 まず、このニュースを読むにあたって誤解されている方も多いと思うが、今回の一件は『レースクイーンを廃止』するのではなく、「F1におけるグリッドガールを廃止する」ということを把握していただきたい。日本ではモータースポーツの舞台を彩る女性たちのことをレースクイーンと呼ぶが、これは和製英語であり、今回F1で廃止されたものとは違う。今回の件で多くのメディアが“レースクイーン廃止”と報じているが、正確ではないと言える。

 グリッドガールは、主にヨーロッパを中心に開催されるレースや世界選手権で見ることができる。主に大会主催者やサーキットがおそろいの衣装を用意し、グリッドでドライバーのゼッケンや名前が書かれたボードを立てマシンを迎え、スタート直前までグリッド前に立つのが仕事だ。

 F1ではレース後、パルクフェルメから表彰台に至るまで、拍手でトップ3ドライバーを迎えてくれる。以前は大会スポンサーのロゴ入りの薄着の衣装が多かったが、近年では社会情勢に配慮してか、その国の民族性を意識した衣装も多い。F1やF2、GP3やDTM、ヨーロピアンF3、そして二輪でもMotoGPをはじめ多くのシリーズで採用されている。

TCRインターナショナルシリーズのグリッドガール
DTMのグリッドガール

 一方、レースクイーンという文化は日本生まれ(鈴鹿、もしくは富士が発祥の地と言われている)。1980年代から盛んとなり、90年代頃まではいわゆるハイレグコスチュームで注目を集めた。基本的に、参戦する各チームのスポンサーが出資し、企業ロゴなどをつけたコスチュームを女性モデルが着用する。近年は過度な露出はシリーズの規則で禁じられており、モデルたち自らが意見を出し合い、コスチュームを作ることもある。

 一方、モーターショーをはじめ各種イベントで活躍するのは、イベントコンパニオン、あるいはキャンペーンガール(キャンギャル)と呼ばれる(レースクイーンを務めているモデルがイベント時に務めることも多い)。

 日本のレースでは、スーパーGTのグリッドガールはそれぞれチームのレースクイーンが務めるのが一般的。スーパーフォーミュラや全日本F3といったレースでは、ファンから募った子どもたちがグリッドボードをもつ『グリッドキッズ』という仕組みを導入している。

 また、日本にはサーキット専属の女性モデルも存在する。日本の主要サーキットすべてに『サーキットクイーン』がおり、彼女たちは主要レース開催のアピール活動、スタート前後のセレモニーや表彰式でのプレゼンターの補助などを行う。

スーパーGT500クラスに参戦するLEXUS TEAM ZENT CERUMOで活躍するZENT Sweeties
スーパーGT300クラスに参戦するGULF NAC PORSCHE 911のレースクイーン『Pacific Fairies』
全日本F3でのグリッドキッズの様子
富士スピードウェイイメージガール『CRANES』。各サーキットにサーキットクイーンが存在する

 ヨーロッパにももちろん各チームのスポンサーがアピールするために、女性がコスチュームを着用してピット周辺を闊歩することがあるが、彼女たちは『パドックガール』と呼ばれている。グリッドガールともレースクイーンとも違う。蛇足だが、日本でも知名度が高まっているニュルブルクリンク24時間では、近年までドイツのセクシービデオ会社がスポンサーするマシンに、ボディペインティングをした女性(つまりほぼ全裸)がいて人だかりになっていた(写真はあるがあえて載せずにおこう)。

 日本生まれのレースクイーンという文化は、アジア圏のレースに輸出され、日常的な光景となった。韓国、中国や台湾はもちろん、タイなどでも多くのレースクイーンを見ることができる。ちなみに、日本のスーパーGTがマレーシアでレースを開催していた際、日本から参加したレースクイーンたちは、ファンをはじめサーキットのオフィシャルからも一緒に写真を撮ろうとせがまれる存在だった。

 ちなみに、若手登竜門として伝統的なマカオグランプリでは、ヨーロッパ式に言うところのパドックガールに加え、大会冠スポンサー等の“パドックボーイ”が毎年見られる。彼らも今後職を奪われてしまうのだろうか……!?

こちらはTCRシリーズのグリッドにて。チーム付きの“パドックガール”にあたる。
16年マカオグランプリでのパドックガール。アジア圏では日本発祥のレースクイーン風の姿が一般的
16年マカオグランプリでの“パドックボーイ”。この格好でパドックを練り歩いている。


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