レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2016.07.24 21:24
更新日: 2016.07.26 15:50

ギャンブラーにして策士──近藤監督が魅せた大逆転への“ふたつの英断”

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | ギャンブラーにして策士──近藤監督が魅せた大逆転への“ふたつの英断”

 ギャンブラー、男気、そして策士──。フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rの近藤真彦監督は、荒れた決勝のなかでレース屋らしい臨機応変なアイデアと戦略をちりばめ、見事、予選9位から大逆転で今季初優勝をつかみ取った。

 フォーラムエンジニアリングが逆転優勝を飾ることになった要因には、大きくふたつの決断があった。その最初の英断が、近藤監督が「ギャンブルだった」というタイヤの無交換作戦だ。

 スーパーGT第4戦SUGOは、予選からアクシデントに見舞われた。ニッサンのエース車両であるMOTUL AUTECH GT-Rが予選Q1のアタックでクラッシュし、結果的にニッサン陣営の3台のGT-Rのアタックタイミングを奪ってしまい、GT-Rは全車、予選Q1落ちとなってしまった。近藤監督も事前には「ここは予選9位から勝てるサーキットじゃない。9位からだったら表彰台がいいところ」と、普通の展開なら優勝のチャンスは少ないとみていた。だからこそ、無策のままでは勝利はつかめない。

 想定よりもかなり低い気温となった決勝、タイヤのウォームアップは厳しくなり、アウトラップのペースは遅くなる。タイヤ無交換作戦が大きな効力を発揮する状況は整っていた。それにSUGOはコース幅が狭く、追い抜きが難しいサーキット。グリッドポジションを優先して前に残っていれば、抑えられる可能性も高い。

 レースは序盤からトップのWAKO’S 4CR RC FがGT300と接触してスピン、続いてトップになったKEIHIN NSX CONCEPT-GTも2番手のZENT CERUMO RC Fと接触して順位を下げるなど、目まぐるしく順位が変わる波乱の展開に。フォーラムエンジニアリングのスタートを託された柳田真孝は着々と順位を上げて6番手に。そして、26周目にGT300が最終コーナーで飛び出してセーフティカーが入った瞬間、近藤監督が動いた。

 ここがふたつめの英断となった。

「タイヤ無交換は事前に決めていましたが、前後のピットがクリアでできることが前提でした。セーフティカー(SC)が入って、前の5台はSC開けにピットに入ると思っていたから、前の動きを見て、前がピットに入ったらコースに残ってトップに残る。そしてピットが空いたところでタイヤ無交換でドライバー交代して、トップに戻れると思っていた。その反対にSC中に前がコースに残ったら、ピットに入る、両方の戦略を考えていたんです」

■「すごく悩んだ」近藤監督のレース戦略


関連のニュース