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スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.05.10 13:52
更新日: 2018.05.11 11:13

スーパーGT:第2スティント全ラップで続いた石浦宏明と関口雄飛の攻防/GT500トピックス

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スーパーGT | スーパーGT:第2スティント全ラップで続いた石浦宏明と関口雄飛の攻防/GT500トピックス

 5月4日に決勝レースが行われた2018年のスーパーGT第2戦富士。今回はレクサス陣営躍進のウラ側や石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)と関口雄飛(au TOM’S LC500)の攻防など、GT500クラスにまつわるトピックスをお届け。

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■第2スティント全ラップで続いた同門対決。逃げられない関口と近づけない石浦

 前に出たはいいが、関口雄飛はピットに「もうダメ(抜かれる)かもしれない」と泣きを入れていた。抜かれた石浦宏明は、後ろで燃費走行する余裕もタイヤマネジメントする余裕もなく、「離されないように」必死だった。2台の全力の攻防は、第2スティント全ラップで繰り広げられた。

 au LC500は1回目のピット時の給油量を少なめにして、停止時間を短縮して前に出る作戦をとる。さらにZENT LC500が、GT300のマシンに詰まった他の500車両との絡みで失速したことが重なり、関口は一気に石浦の背後に迫る。石浦はそれに気づきブロックラインをとったが、さらにそのインに関口は飛び込んだ。

 auは1回目のピット時間を短縮した分、2回目は長くなる。そのマージンを関口はコース上で稼ぎ出さなければならない。しかし後ろのヘッドライトはいつまでも遠ざかる気配はない。

 石浦の方はアンダーに苦しんでいた。関口に近づくと風が当たらなくなるのでますますアンダーになる。関口のブロックもかなりきつく、43周目の1コーナーでは「不意打ち気味に」インに飛び込んでみたりしたが、うまくいかない。結局、両車の間隔は広がることなく次のピットを迎えることとなった。2回目のピットはau LC500の方が長く、第3スティントに入ったときはZENT LC500が前を走っていた。

 両車が選んだタイヤは若干仕様が異なり、ZENT LC500の方がピークが高く、au LC500の方は終始平均的な性能を発揮する。石浦が前のままならその高いピークを利用して関口を離していただろう。だが関口は早い段階で前に出たため、そのポテンシャルを封じ込めることに成功したのである。とはいえ石浦の方も離されなかったことで次のピットでの逆転を生み、まさに互角の好バトルであった。

 レース後、トムスの東條力エンジニアは「今回はやれることは全部やった。ミスもなかった。結果は4位だったけど、内容は良かった。次は勝ちにいこうって話した」という。開幕戦ではピックアップに苦しんだこともあり振るわなかった関口に対し、「今回は90点はいくよね!」とその仕事ぶりを褒めちぎっていた。

■レクサス勢がグリッド上位に躍進。本気を出したエンジン開発

開幕戦で苦戦していたLC500勢が富士で息を吹き返した。岡山での苦戦の要因は車体やタイヤなど多岐にわたるが、そのひとつにはエンジンも挙げられていた。オフのテストで毎回のようにエンジンブローを喫していたレクサス陣営は、開幕までにその原因を特定できず、岡山では“安全方向に振った仕様”で戦わざるを得なかった。

「何が原因で壊れたのか? 単純なノッキングか、あるいは別の要因かを検証してきた」と語るのはTRDエンジン開発担当の嶋田良孝氏。そして、岡山と富士の間で「原因が見えた。いまは開幕時よりも“攻めた仕様”ですがライフも問題ない」という。レクサスエンジンの逆襲を受け、ほか2社は鈴鹿でどう対抗してくるか。

■GT500は超高速戦に突入。全車が最高速300キロ超え

 ついにGT500全車が大台を突破した。悪天候の影響で従来のQ1/Q2方式ではなく、1セッションで行なわれた予選で、すべてのマシンが最高速で300km/hを超えたのだ。これまで数台が記録することはあったが、全マシンというのは初。ただし、強い追い風が吹いており、あくまでも参考記録ではあるが。

2018年のスーパーGT第2戦富士では全車が最高速300km/h超えを実現
2018年のスーパーGT第2戦富士では全車が最高速300km/h超えを実現

 GTマシンが初めて300km/hオーバーを記録したのは、2005年の第4戦富士。このときは富士専用のロードラッグ仕様のカウルが装着可能な時代だった。スープラとGT-Rが同時に1台ずつ記録し、あれから10年以上の時を経て、ついに超高速戦時代の幕が開けた。  


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