開幕戦の岡山以来となる、ホンダのワン・ツーフィニッシュ。スーパーGT第3戦鈴鹿は、ARTA NSX-GTがポール・トゥ・ウインを飾ったが、ARTAはこの3戦目まで、同じブリヂストンユーザーのRAYBRIG NSX-GTやKEIHIN NSX-GTに比べて、セットアップの遅れが指摘されていた。そこから、ARTAはどのように復活を果たしてきたのか。
ARTAの星学文エンジニアがこれまでの2戦までを振り返る。
「今年のクルマの開発の方向と、エアロの特性とか去年からの流れ、そしてドライバーの好みと、どっちの方向が良いのか開幕までは探っていた段階で、開幕までにきちんとまとめられなかったという感じはあります」
「開幕前くらいまでは手探りの状態だったのですが、そこからドライバーとも話をして、それを受けて少しずつ方向性を確認しながら、第2戦富士から良くなってきたのかなと思います」
NSX-GTは開幕前のテストからブレーキング時の挙動、フロント部の跳ねが課題となっていたが、その解決について、星エンジニアはこの3戦でアプローチを変えてきているという。
「まあ、変えたと言えば、変えていますね。セットアップの方向はドライバーの乗りやすいクルマという感じですかね。ブレーキングのスタビリティ、ステアバランスの変化が起こりづらい挙動だとか」
「根本的な部分が改善されていないけど、妥協点はここかなと、根本的な部分の解決を求めるよりも、ドライバーが乗りやすくすることを考えています」
「伊沢(拓也)君と野尻(智紀)君、ドライビングの違いはあるんですけど、根本的な部分での好みは同じで、そこはこの前の富士から、この3戦目で合わせられてきているのかなというのがあるので、結果が残り始めたのかなと思います」と星エンジニア。