スーパーGT第5戦富士の決勝レースが8月5日、富士スピードウェイで行われ、GT300クラスはARTA BMW M6 GT3が優勝。2017年の第5戦、そして2018年の第2戦に続いて、富士戦3連覇と圧倒的な強さをみせつけた。
第5戦富士は今季最長の500マイル(約800キロ)での開催。日本列島を襲う記録的猛暑によるタイヤやブレーキのマネジメント能力、そしてレギュレーションで義務付けられている4ピットストップ5スティントというピット回数をどう割り振るか、その戦略に注目が集まった。
決勝は気温31度、路面温度47度のドライコンディションでスタート。まずはTGRコーナー(1コーナー)への加速で2番手スタートのARTA BMWがポールポジションスタートのHOPPY 86 MCに一気に迫ると、TGRコーナーへのアプローチでアウト側からオーバーテイクを仕掛けるも、ここはHOPPY 86がしのいで、順位の入れ替えはならなかった。
テール・トゥ・ノーズでHOPPY 86を追っていたARTA BMWは、7周目のホームストレートで並びかけるとTGRコーナーでHOPPY 86 のインに飛び込み、オーバーテイク。HOPPY 86をドライブする坪井翔も粘るが、ここでは抑えきれ。その翌周にはストレートスピードで勝るGAINER TANAX triple aにも1コーナーで交わされ、HOPPY 86は3番手にポジションを落としている。
8周目終了時点で、今度はLEON CVSTOS AMGがピットイン。またオープニングラップではK-tunes RC F GT3などがピットインしており、戦略が大きく分かれることに。
序盤に白熱したのがHitotsuyama Audi R8 LMS、SUBARU BRZ R&D SPORT、31号車TOYOTA PRIUS apr GTによる5位争い。クラス5番手を走るHitotsuyama Audiの後方にペースで勝る2台が迫ってきたのだ。
14周目、SUBARU BRZの井口卓人がHitotsuyama Audiのリチャード・ライアンに1コーナーで仕掛けるが、その後方で争いを見ていた31号車プリウスがインから2台をごぼう抜き。5番手に浮上した。
しかし、前に出た31号車プリウスも即座にギャップを作るには至らず、17周目にはこの3台に加えてシンティアム・アップル・ロータス、マッハ車検 MC86 Y’s distractionなども集団に加わり混戦模様に。
集団のなかでポジションを守っていたSUBARU BRZだったが、徐々にポジションを落とし始めると、22周目に自らランオフエリアへ進んでストップ。500マイルの決勝レース序盤で早くも姿を消すことになってしまった。第1スティントを担当した井口卓人はコース脇のサービスロードからマシンを見つめていたほか、ピットでヘルメットを被りスティントの準備を整えていた山内英輝も悔しさをにじませながらピットの奥へ消えていった。