初開催となる500マイルレース=約800kmのレース。8月5日に行われたスーパーGT第5戦富士の決勝レースでは、このレース距離によってGT300クラスでは、車両特性やその狙いによって、さまざまな戦略が採られることになった。
昨年まで開催されていた鈴鹿1000km同様、今回の富士500マイルでは、ピットインの義務回数が定められていた。義務づけを定めたブルテンNo.036-Sの内容は下記のとおりだ。
「決勝レーススタート後(フォーメーションラップを終了し、走路上のスタートラインを通過した後)、ドライバー交代を伴う最低4回のピットインが義務付けられる」というもの。つまり、全車が4ストップ5スティントが義務づけられたのだ。
ただ、実は800kmというレース距離は、3ストップで走りきれるのだという。つまり、1ストップ余計だ。これをどう消化していくのかで、各陣営の戦略が分かれることになった。スーパーフォーミュラ等でも、昨年あたりまでタイヤ交換義務づけがあるレースでは、1周目でピットに向かい、義務をこなしてクリアな部分を飛ばす戦略があったが、これを採用したチームがあったのだ。
当然ながら予選順位も関係するのだが、1周目を終えてピットに向かったのは17番手スタートのK-tunes RC F GT3や23番手のSYNTIUM LMcorsa RC F GT3、26番手のGULF NAC PORSCHE 911、四輪脱輪により予選ベストタイム抹消となってしまった28番手スタートのマネパ ランボルギーニ GT3といったところ。
さらに、GT500車両がGT300をラップダウンし始めると、トラフィックが起きラップタイムが大幅に落ちる。これを嫌って、6番手を走っていたD’station Porscheが5周を終えピットへ。8番手だったLEON CVSTOS AMGも7周を終えピットインした。これで、このレースの構図は実際に首位を走っていたグループと、“ピットイン義務をこなした組”というふたつのグループに分かれていった。