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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.04.12 20:06
更新日: 2019.04.12 22:43

空前の三味線バトルで迎えるGT500開幕戦と3メーカーの首脳の手応え。ホンダ佐伯氏「昨年この重さならQ1突破は難しい」

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スーパーGT | 空前の三味線バトルで迎えるGT500開幕戦と3メーカーの首脳の手応え。ホンダ佐伯氏「昨年この重さならQ1突破は難しい」

 ついに始まる2019年のスーパーGT。GT500はドライバーラインアップが大きく変わるメーカーがあり、GT300は新車両が参加するなど見どころはいくつもあるが、ホンダ、レクサス、ニッサンの3メーカーがしのぎを削るGT500について、第1戦の開幕戦の前日の岡山国際サーキットで、それぞれの現場トップに手応えを聞いた。

 のっけから恐縮ではあるが、今年のオフシーズンテストは奇妙な状況が見られた。公式テスト1回目の岡山では初日に1分17秒167のトップタイムに対し、2日目のトップは1分17秒849。2日目の午前がウエットコンディションとなったことでタイムが遅くなったことは納得がいくが、2回目の公式テスト富士では初日の走り初めが1分28秒436に対し、2日目は序々にタイムが遅くなり、最後のセッションではトップタイムは1分28秒786。コンディションが大きく変わったわけでない中で、全車どんどんタイムが落ちて行ったのだ。

 GT500の15台全車がロングランなどでタイムが上がらなかった、という可能性がないわけではないが、ここはGTならではの、各メーカーによるいわゆる『三味線』があったと考える方が合点がいきやすい。

 その背景としては、昨年チャンピオンを獲得したホンダNSX-GTがミッドシップの救済措置を受けてタイトルを獲得したことから、今年はそのミッドシップハンデの見直しが推測されている状況だった。その見直し幅をどのように決めるのかは当然、昨年の実績だけではなくオフの2019年仕様マシンでのテスト状況も加味されることは想像に難くない。

 となると、ミッドシップハンデを軽減したいホンダ、そのホンダにできるだけハンデを付けてほしいレクサス、ニッサン陣営と、それぞれの大人の事情が重なり、『相手のマシンの方が速い』という状況を作り出すため、テストでは走るたびにお互いのタイムが落ちて行った、と考えるのはうがった見方か。いずれにしても、3メーカーの例年以上とも言える切迫した状況と緊張感がうかがえる。

 そんな『空前の三味線合戦』となったこのオフを象徴するように、各陣営とも開幕直前になってもライバルとのパフォーマンス差がまったくわからず、例年以上に予想のつかない開幕戦となっている。その状況を含め、まずはレクサス陣営で現場をまとめるTRDの湯浅和基プロジェクトリーダーにこのオフの手応えについて聞いた。

「オフのテストは、他車さんのパフォーマンスの伸びがすごいですよね。メニューは一応、予定どおりこなすことができました。クルマの開発ポイントとしては全体的に少しずつ底上げしているというのが正直なところです。開幕戦の目標はもう、聞くまでもないですよね

 レクサス陣営としては今季フリックボックスに左右ふたつずつ小さなフィンが付いたのが確認できたが、それ以外には外観からは大きな変更点は見られなかった。2年前の開幕戦岡山では決勝でトップ6をレクサス6台が占めるという驚異的な強さを見せたが今年はどうか。

「この岡山は以前は結果が良かったですが、昨年、その力関係が入れ替わったのはみなさん、ご存知だと思います。まあ、いろいろ大変です(苦笑)」とTRD湯浅氏。

 続いて、今年からニッサン陣営の総監督に就任した松村基弘氏(ニスモ最高執行責任者)に聞いた。

「このオフ、やれるだけのことはやってきました。ただ、みなさん実力を出し切ってテストをしていたわけじゃないようだから、パフォーマンス差はわかりません。今年はGT-Rが速いと言われていますが、まあ(ライバル陣営の)みなさんはそう言いますよね(苦笑)。ですので、我々ニッサン陣営としましては、星野(一義)監督を含めまして、みなさん非常に慎重に見ています」

■スーパーGTならではの三味線合戦と、レクサス、ニッサン、ホンダ3メーカー首脳の手応え


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