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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.04.30 14:28
更新日: 2019.04.29 20:58

スーパーGT:土屋武士監督率いるHOPPY 86、“打倒ブリヂストン”のニューウエポンを富士に投入/GT300トピックス

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スーパーGT | スーパーGT:土屋武士監督率いるHOPPY 86、“打倒ブリヂストン”のニューウエポンを富士に投入/GT300トピックス

 4月13~14日に岡山国際サーキットで行われた2019年のスーパーGT第1戦。GT300クラスは予選・決勝ともにブリヂストンタイヤユーザーが上位を席巻する結果となった。

 ここでは昨シーズンから強さを発揮しているブリヂストン打倒を目指す土屋監督のHOPPY 86や、岡山で激しいトップ争いを繰り広げたARTA NSX GT3とK-tunes RC F GT3にまつわるトピックスをご紹介。

■「待ってろBS!」25号車HOPPY 86 MCが次戦ニューウエポン投入。予選トップ4、表彰台独占。強すぎるBSを止められるか?

 2019年の開幕戦岡山は、ヨコハマ(YH)タイヤユーザーが表彰台を独占した。しかし、シーズンを振り返るとYHの勝利は岡山のみ。タイとSUGOでダンロップ(DL)が優勝しているが、8戦中5戦をブリヂストン(BS)が制している。シリーズチャンピオンは当然として、シリーズ3位までがBSユーザーであった。

 そして今季の開幕戦、快晴のもと行なわれた予選でトップ4にBSが並ぶ。雨はもともとBSが得意とするシチュエーションだが、荒天の決勝で表彰台を占めたのもBSだ。とくに衝撃的だったのが、今季からBSを履く52号車の埼玉トヨペットGB マークX MCが予選3番手、決勝3位というリザルトを残したことだった。

 埼玉トヨペット マークXは2017年シーズンから参戦するディーラーチームで、過去の2シーズンで入賞したのは2018年SUGO戦での7位のみ。予選でのQ2進出も2回しかなかった。もちろん、経験を積んでチームが進化し、今季はドライバーラインアップも変更、速くなった要素はタイヤ以外にもある。それでもやはり、タイヤの影響が大きいのは間違いないだろう。

 ARTA NSX GT3の高木は、ポールポジションを獲得した最大の要因を「タイヤ」だと明かした。ミッドシップのホンダNSX、フロントエンジンのレクサスRC FとメルセデスAMG、それにマザーシャシーというレイアウトも車重もタイヤサイズも異なる4台が予選でトップ4に入ったのは、「それぞれのクルマに合わせたタイヤをBSさんが頑張って開発してくれたから」だという。

 YHやDLも負けじと開発を進めているが、BSの開発力がそのさらに上にあるのは、リザルトが証明するように隠しようのない事実だ。

 この現状に、昨季からパドックでは「BSじゃなきゃ勝てない」と合言葉のように言われてきた。しかし、GT500を主戦場とするBSには、GT300への供給台数に限りがある。BSが欲しい、でもお金を払っても手に入れられないチームのなかには、諦めムードが漂うこともある。

 その一方で「BSじゃなきゃ勝てないと思われることが恥ずかしい」と話すのが25号車のHOPPY 86 MC、土屋武士監督だ。25号車はストレートスピードでGT3に劣るマザーシャシー
で勝つべく、無交換で戦えるタイヤをYHと開発。

「コース上で抜けないならピット時間を縮めよう」。それが実り、2016年シーズンのチャンピオンとなった。しかし、2018年シーズンのLEON AMG(65号車)は、重くてタイヤに厳しいGT3でのタイヤ無交換を果たして王者となった。25号車のタイヤは少なからず進化を続けてきたものの、そのベースは16シーズンのものであり、苦戦が続いていた。

 今季に向けて25号車は、タイヤ開発に大鉈を振るったという。その新タイヤは開幕戦に間に合わなかったが、3月末の富士テストでトップタイムを刻んだ。実戦投入は次戦富士。そしてその新タイヤは富士スペシャルではなく、この先どのサーキットでも戦闘力を上げてくれるそう。「待ってろBS!」。武士監督は力強く口にした。

 25号車のこの動きは、ほかのYH、DLユーザー、そしてタイヤメーカーへの刺激にもなる。これまでは強すぎるBSにネガティブな意見も多かったが、これからは「打倒BS」を合言葉に、さらにハイレベルな戦いが繰り広げられることになるだろう。

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