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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.07.01 11:48
更新日: 2019.07.01 11:49

灼熱のなかの大混戦。GT300上位陣それぞれのレース終盤の展開の舞台裏《第4戦タイGT300決勝あと読み》

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スーパーGT | 灼熱のなかの大混戦。GT300上位陣それぞれのレース終盤の展開の舞台裏《第4戦タイGT300決勝あと読み》

 6月30日、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで開催されたスーパーGT第4戦。GT500クラスで白熱の戦いが展開される一方、GT300クラスでは映像に映らないなかでさまざまなドラマが展開されていた。レース後、GT300の上位を争ったそれぞれチームに話を聞いた。

■ニッサンGT-R同士のトップ争いはGAINER TANAX triple a GT-Rに軍配

 今回のチャン・インターナショナル・サーキットでのレースは、このサイト内でもお届けしてきたとおりニッサンGT-RニスモGT3が素晴らしいパフォーマンスを披露してきた。予選こそHOPPY 86 MCの松井孝允が素晴らしいアタックを披露しポールポジションを奪ったものの、オープニングラップからリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rを駆るサッシャ・フェネストラズが持ち前のスピードでトップを奪い、平峰一貴に交代してからも首位を快走していた。

 もともとそのスピードを高く評価されていた平峰は、フェネストラズともいいコンビネーションを築いており、チーム力も高い。「路面が良くなったのか全体的にファーストスティントよりもタイムも良かった(平峰)」と嬉しい初勝利は目前と思われていたが、残り5~6周で急激にペースが落ちてしまった。

 一方、そのリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rを追い上げていたのは、終盤導入されたセーフティカーのリスタート時に、接触しながらもD’station Vantage GT3をかわしてきた石川京侍。「セーフティカーのタイミングなどレース展開も味方してくれました。硬めのタイヤを履いていたので、最後粘っていればどこかでチャンスが来るかなと思っていた」という千載一遇のチャンスを逃さず、平峰とのギャップを詰めていく。

 ファイナルラップ、GT500クラスのマシンが平峰を抜いたタイミングで、うまく合わせた石川がこれをパス。劇的な逆転でGAINER TANAX triple a GT-Rが今季初優勝を飾ることになった。

「最終コーナーを狙っていたんですけど、最終コーナーは平峰選手も警戒してくるだろうなと思っていたので、どこかでチャンスがあればと思っていました。瞬間的にチャンスだと思ってオーバーテイクしました。平峰選手もクリーンなバトルをしてくれたので、そこは平峰選手にも感謝したいです」

 石川はフォーミュラでステップアップを積んできたドライバーで、その速さはもともと評価されていたが、GT300で掴んだGAINERのシートというチャンスを確実に活かしてみせた。また、このレースの前に「ウォームアップでバランスが良くなかったので、フロントのスプリングを調整したんですが、それが当たりましたね(小笠原康介チーフエンジニア)」というチームの判断も奏功した。

 また、今回GAINER TANAX triple a GT-Rとリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは同じニッサンGT-R×ヨコハマという組み合わせだが、小笠原チーフエンジニアによれば「違う種類のタイヤ」だというのもこの戦いを演出したファクターだろう。

 今回は石川も初優勝だが、「これは結果として受け入れるしかありませんが、すごく悔しいですね。仕方ないです」というのは同じく初優勝がかかっていた平峰。一方は泣き、一方は笑ったが、今後も同じパッケージで切磋琢磨してくれるはずだ。

■ピットで順位を上げたLEON。一方GAINER TANAX GT-Rは惜しくも3位を失う


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