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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.09.05 18:05

土日それぞれ1レース、DRS、タイヤはワンメイク……。スーパーGTとの交流戦前に押さえたいDTMの見どころ

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スーパーGT | 土日それぞれ1レース、DRS、タイヤはワンメイク……。スーパーGTとの交流戦前に押さえたいDTMの見どころ

 既報のとおり、10月に行なわれるDTM最終戦ホッケンハイムには、スーパーGT GT500クラスに参戦する3台のマシンが参戦する。

 さらに11月の富士ではDTMマシンをGT500勢が“迎え撃つ”特別交流戦が予定されており、共通車両規定『Class1(クラス1)』を中心としたコラボレーションを進めてきた両シリーズにとって、このふたつのレースイベントは大きな“到達点”となることが期待されている。

 現在、日本、ドイツの双方のさまざまなレベルで準備は進められており、いよいよ熱は高まってきたという状況だ。

 とはいえ、日本のファンにとってDTMは“海の向こうの遠いレース”であることも確か。そこで、今秋に控えるビッグイベントに向け、autosport本誌取材班はドイツに飛んで現地取材を敢行、さまざまな情報を集めてきた。

 ここではまず、「DTM、ちょっと興味はあるけれど……」「GT500が一緒に走る最終戦は気になる!」「車両規定は一緒になると聞いたけど、スーパーGTとは何が違うの?」といった想いをお持ち方のために、2019年版DTMの「おさえておくべきポイント」を、簡単にまとめてみた。

<クラス1規則導入&アストンマーティンが参戦>

 DTMとスーパーGT GT500クラスとの統一車両規則クラス1を今季より採用、マシンを一新したDTM。日本では2014年から採用されている2リッター直列4気筒の直噴ターボエンジンを導入したことにより、タイムは昨年までよりも飛躍的(ホッケンハイムでおよそ3.3秒)に上がっている。アウディ、BMWの2メーカーは昨年秋にマシンをシェイクダウン、オフの間に開発を進めてきた。

 そんなDTMは長らくメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWというドイツの3マニュファクチャラーが参戦してきたが、昨年限りでメルセデス・ベンツが撤退。2メーカーになることでシリーズの先行きは不安視されていた。そこに、以前より噂のあったアストンマーティンが、Rモータースポーツとして参戦決定。車両開発が遅れたため、当初は開幕戦でのデビューが間に合わないかも……と危惧されたが、無事に4台のマシンをグリッドにつけている。現状は、アウディ、BMWに対して実力差がある状態だが、今後どこまでパフォーマンスを上げられるかが注目される。

<土日それぞれ1レース。タイヤ交換義務付け>

金曜から走行セッションが始まり、土日にそれぞれ予選・決勝が行なわれるDTMのレーススケジュール。予選は20分間の1セッションで、決勝スタートはスタンディングスタートと、このあたりはスーパーGTとは随分異なる。

 ハンコックのワンメイクタイヤは、週末を通じて1台あたり7セットのスリックが供給されるため、かなり余裕がある。予選では両日とも2回ずつニュータイヤでのアタックをするのが定石だ。

 約1時間となる決勝レースでは4輪交換が一回、義務付けとなっている。レース中の給油はなし。また、チームからドライバーへの無線通信が禁じられているため、ピットタイミングの指示などはサインボードが頼りとなる。

<DRSとプッシュ・トゥ・パスが「ラスト5周」をショウアップ>

DTMではスーパーGTと同じクラス1規定のリヤウイングを採用しながらもDRSを運用している
DTMではスーパーGTと同じクラス1規定のリヤウイングを採用しながらもDRSを運用している

 DRS(ドラッグ・リダクション・システム)は、リヤウイングが1エレメント(GT500との共通パーツ)となった2019年型のマシンでも、引き続き採用されている。1レース最大12周まで、前車とのギャップが3秒以内にあれば使用できる。最後の5周は、このギャップの規定も撤廃され、任意のタイミングで使うことができる(ただしトップを走るマシンは除く)。

 また、今年からはオーバーテイク促進アイテムとして“プッシュ・トゥ・パス”も採用。こちらは通常95kg/hの燃料流量を5秒間だけ100kg/hにすることで、30馬力程度エンジンパワーをアップさせる仕組みだ。DRS同様、前車と3秒以内に入った際に12回まで使えるが、こちらも最後の5周(または7分間)は前車との位置関係にとらわれず使用することができる。なお、予選では使用することができない。

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 以上が今季のDTMを見る際の(簡単な)ポイントとなる。

 9月6日発売の『auto sport No.1514』では、「SUPER GT × DTM 2019 First contact ~日独開戦前夜、敵を知れ~ Part.2」と題した、大特集を敢行。最新DTM=クラス1マシンのディテール写真や開発秘話、ノリスリンク戦の現地「裏」レポート、出場全18人の「ドライバー・キャラクター名鑑」などを掲載している。アストンマーティンを走らせるRモータースポーツ代表のインタビューでは、「将来的にはスーパーGT(=GT500クラス)参戦を考えている」というコメントも。

 さらには、DTMドライバー/関係者に実施した「SUPER GT試験」では、ドイツでのスーパーGTの「知名度」も(珍回答や関係者のコメントなどから)伺い知ることができる。とくにITR代表、ゲルハルト・ベルガーの「回答」は必見。今回のDTM総力特集、ジョイントイベント前にぜひともご一読いただきたい。


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