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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.09.06 20:33
更新日: 2019.09.07 08:12

「とにかくショックだった」前回のクラッシュから必勝を期す立川祐路と3メーカーの動向【スーパーGT第6戦オートポリスプレビュー】

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スーパーGT | 「とにかくショックだった」前回のクラッシュから必勝を期す立川祐路と3メーカーの動向【スーパーGT第6戦オートポリスプレビュー】

 今週末に開催されるスーパーGT第6戦オートポリスは、昨年とはちょっと状況が異なる。まずは昨年までは第7戦として開催され、ウエイトハンデ(WH)は獲得ポイント数×1kgだったのにたいし、今年は第6戦のためポイント数×2kgでマシンの重さが大きくことなるのがひとつ。そしてもうひとつはGT500のタイトル争いとしては6号車WAKO’S 4CR LC500が第4戦、第5戦で連勝し、ランキング2位に16ポイント差でウエイトハンデが120kgという、前代未聞のぶっちぎりのトップとなっていること。残り3戦で他のチームの逆転はあるのか。今週末のオートポリス戦のゆくえを探った。

 ポイントランキング表から判断すると、今週末の優勝チームを予想するのは簡単だ。12号車カルソニック IMPUL GT-R(WH35kg)、3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(WH32kg)、17号車KEIHIN NSX-GT(WH20kg)、そして19号車WedsSport ADVAN LC500(WH41kg)、39号車DENSO KOBELCO SARD LC500(WH40kg)は、いつ勝ってもおかしくない状況だ。

 さらには16号車MOTUL MUGEN NSX-GT(WH16kg)、64号車Modulo Epson NSX-GT(WH9kg)は17号車と合わせて、なんとトップのWAKO’Sと100kg以上重さが違うという軽量ぶり。このNSX3台は当然、上位フィニッシュの可能性が高い。そのなかで64号車のナカジマ・レーシングには先日、元ブリヂストンの浜島裕英氏がチームに加入するとの報道があったが、チームによるとレースの現場に来るのは最終戦になる見込みとのこと。今回のオートポリスに姿はなく、テストやファクトリーですでにチームと作業を進めているという。その効果がどう出るかが楽しみなオートポリス戦でもある。

 ただ、今シーズンのこれまでの流れを見ていると、ウエイトの影響ですんなりと順位が決まる展開は少なく、レースでは大きく順位が変動する戦いが繰り返されている。そのなかで今回、フォーカスしたいのがZENT CERUMO LC500だ。

 前回の第5戦富士500マイルでは予選4番手から一時トップに立つ走りを見せながら、タイヤ交換後のアウトラップの100Rで速度が乗ったまま右フロントタイヤが外れ、ステアリングを握っていた立川裕路がマシンのコントロールが出来なくなり正面からタイヤバリアにクラッシュ。立川はメディカルセンターに運ばれ、その後、レースのゆくえを見ずにサーキットを離れていた。いつも冷静な立川にしては珍しい行動から、その心情が察せられたが今回のオートポリスへはどのような心境で臨むのか、まずは前回のクラッシュシーンについて聞いた。

「今年はチャンピオンを獲りに行くシーズンと思っていて、あの瞬間までは自分としてはパーフェクトな戦い方ができていて、チャンピオンの可能性も大いにあった。あの富士で上位でフィニッシュできればさらに理想的な展開に持ち込めることもわかっていたので、あの瞬間、一番最初に思ったことは、そのチャンピオン争いのこと。あの瞬間、ノーポイントでレースが終わったことでチャンピオンシップは一気に苦しい状況に追い込まれてしまったことがわかった。そのことに対する残念な気持ち……というよりも、もうショックでしたね。ぶつかったことどうこうとかではなく、クラッシュ自体も去年の(第2戦)富士のフリー走行の時のクラッシュに比べれば屁でもないレベルなので(苦笑)。とにかくチャンピオンシップのショックが大きかった」と立川。

 100R進入までは特にクルマのフィーリングに違和感がなかったとのことで、アクセルを緩めることなく100Rに入ったところで突然、右フロントのグリップがなくなったという。マシンを降りた立川は偶然にも、外れた右フロントタイヤのナットを見つけ、原因がわかったのだそうだ。セルモとしてはナットが外れた対策を今回施し、テストでも試して万全の状態でこのオートポリスに臨んでいるという。今回のオートポリスに向けては、立川も並々ならぬ意気込みを見せる。

「チャンピオンシップの点差を考えると、残り3戦で逆転というのは可能性としてはゼロではないけど、かなり厳しい状況。でも、そうなってしまったのはもう仕方ないので、自分たちのミスで失ってしまったものは、自分たちで取り返すしかない。残り3戦で少しでも取り返すようなレースをしたいなと思います」

「もう本当に勝ちたい。勝たないと失ったものは取り返せないし、今回勝てれば、少しは状況が変わるかもしれない。NSXは速そうですけどオートポリスはタイヤに厳しいですし、ピックアップも起きやすいのでレースでは何が起こるかわからない。オートポリスはポールは何度か獲得しているんですけど、まだ勝ったことがないので、なおさら勝ちたいです。もう台風でも雨でも、なんでも来いです。僕らはもう失うものがないので、どんな状況でも行くしかない。勝負のレースです」と、何度も「勝ちたい」を繰り返す立川は今回どのようなレースを見せるのか。

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