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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.10.06 14:03
更新日: 2019.10.06 14:29

【トムス東條エンジニア特別寄稿】把握できたDTMトップとの差、グリップを引き出す努力が必要《DTM×スーパーGTインサイド2》

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スーパーGT | 【トムス東條エンジニア特別寄稿】把握できたDTMトップとの差、グリップを引き出す努力が必要《DTM×スーパーGTインサイド2》

 史上初となる、DTM第9戦ホッケンハイムのシリーズ戦に参戦するスーパーGT500クラスのマシン。初めてのサーキットに経験のほとんどないタイヤの習熟。チームはどのようにメニューを進め、そして対応していくのか。日本を代表するレースエンジニアのひとりでもあるLEXUS TEAM TOM’Sの東條力エンジニアが現場からお伝えします。2回目はいよいよ予選、決勝を1デイで行うレース1の土曜日。LEXUS TEAM TOM’Sはどのように戦ったのでしょうか。

  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

土曜日レース1、QFの直前まで雨でしたが、予選が始まるころには薄日が差し込んできました。予選開始時の路面は完全なウェット。気温は14℃、路面の水温は13℃。

今日は平川亮がドライブして、20分間の予選→レースを戦いました。平川選手にとって、ハンコックのレインタイヤはこれが初トライとなることから、安全策をとって20分間で1セットのウェットタイヤを使用し、習熟からアタックまでを行う計画を建てました。

ウェット状態から徐々に水がひき始めましたが、予選終了までウェット路面に変わりはありませんでした。上位勢のほとんどがアウトラップから全力でアタックを2〜3ラップ行い、途中で2セット目のウェットタイヤへ交換して、さらにタイムアップを目指す正攻法の戦略。

ポールポジションはアウディのレネ・ラスト選手でタイムは1分45秒552、次いでBMWのウィットマン選手が1分45秒679と続きました。NSXのジェンソン・バトン選手は、セッション中間でタイヤを替えずにタイヤプレッシャーを下げる調整(想像です)を行いベストタイムを更新。1分46秒206と6番手を確保しています。

LEXUS平川選手は計画通り慎重に進めて1分49秒181で20位、GT-Rの松田次生選手が1分49秒349と続きました。

決勝はドライで行われました。気温15℃、路面温度は16℃。平川選手は最後列スタートということや、一昨日のドライでのロングランの感触が良かったことから、1周目にピットイン義務を果して空いているところでタイムを稼ぎ、セーフティカー(SC)出動を期待する順位挽回戦略でレースに臨みました。

序盤を計画通りに進めると、期待した通り18ラップ目にSCの出動があり、2セット目のタイヤへ交換して、再びコースへ送り出しました。このSCタイミング以前には、ほとんどのチームがピットイン義務を済ませていたことから、大幅なジャンプアップは叶いませんでしたが、フレッシュタイヤを得たことで徐々にポジションを上げ、15位で38周のレースを終えることができました。

【トムス東條エンジニア特別寄稿】対応できなかった雨の走行。それでも狙える予選トップ10《DTM×スーパーGTインサイド1》
レース1での決勝は1分32秒台のDTM上位陣と同等のタイムをマークしたトムスの平川

いよいよレース1。タイヤの内圧が厳しく指定されているDTMではセットアップでどのように対応するのかが課題に


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