11月2～3日にツインリンクもてぎで開催される2019年スーパーGTのシリーズ最終戦は、シリーズチャンピオンが決まる1戦であると同時に、2014年から戦ってきた現行GT500車両にとっても最後のシリーズ戦となる。その他にもトピックスが多い最終戦ツインリンクもてぎで見逃せないポイントを、おさらいしておこう。
4月に開幕した2019年シーズンのスーパーGTは11月末にはシリーズ外のイベントとしてDTMドイツ・ツーリングカー選手権との特別交流戦が行われるが、シリーズ戦としてのラストバトルは、このツインリンクもてぎでのレースとなる。
■現行規定ラストイヤーの王座はレクサスLC500同士の実質一騎打ち
ツインリンクもてぎでのスーパーGT最終戦の最大の見どころは、まずはシリーズチャンピオン争いだ。GT500クラスでは大嶋和也／山下健太組のWAKO’S 4CR LC500、平川亮／ニック・キャシディ組のKeePer TOM’S LC500、松田次生／ロニー・クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rの3車にチャンピオン獲得の権利が残されている。
しかし、このうち松田／クインタレッリ組のMOTUL GT-Rは最終戦でポールポジション＋優勝の最大ポイントを獲得しなければならない上、大嶋／山下組のWAKO’S LC500が無得点、かつ平川／キャシディ組KeePer LC500が5位以下にならなければ王座には手が届かない。実質的にはレクサスLC500同士の一騎打ちの状態とも言える。
ランキングトップのWAKO’S大嶋／山下組は第4戦タイと第5戦富士で優勝、第3戦鈴鹿で3位表彰台を獲得、第1戦岡山を除く全戦でポイントを手にしては70ポイントを積み上げており、最終戦では予選順位にかかわらず決勝で2位以上になれば自力でチャンピオンを獲得できる。
チャンピオンを獲得できればドライバーふたり、そして指揮を執る脇阪寿一監督にとっては初の栄光となるうえ、チームルマンにとってはJGTC全日本GT選手権時代の2002年以来となる久々の快挙＆名門復活だ。
対するKeePer平川／キャシディ組は3年連続のタイトル争いとなる上位の常連チーム。2019年シーズンは勝ち星こそないものの、第3戦鈴鹿、第4戦タイで2位、第6戦オートポリスで3位を手にしたほか、こちらも第1戦岡山以外の全戦でポイントを獲得している。最終戦では決勝4位以上に入ればチャンピオン獲得の可能性があるが、大嶋／山下組の結果次第という情勢だ。ただし、過去に14ポイント差を逆転してチャンピオンを手にした例もある。
平川とキャシディのコンビは2017年に史上最年少でGT500チャンピオンに輝いたコンビ、近年、何度もチャンピオン争いを演じ、実際にタイトルを獲得してきたTEAM TOM’Sだけに、逆転の可能性は充分だ。
当然、チャンピオンの可能性が残るチーム以外でも、シーズン最終戦、かつ開幕戦以来のノーハンデレースということから、勝ち星を挙げてシーズンを締めくくりたいという思いは強い。
特に今年のタイトル争いからは離脱してしまったが、ホンダ陣営にとって、このもてぎ戦はホームレースであるだけに並々ならぬ気合で臨んでくるだろう。ホンダは2020年からはFR化したNSXでスーパーGTを戦うことを発表しており、現行のミッドシップレイアウトNSXでのスーパーGTレギュラー戦はこれが最後となる。その面でも、このツインリンクもてぎ戦にかける思いは大きなものになっているに違いない。
そんなスーパーGT最終戦は、レース以外の注目ポイントも多い。レースファンとして要チェックなのは、DTMドイツ・ツーリングカー選手権との統一規格『Class1（クラス1）』に準拠した2020年型マシンのトヨタGRスープラ、ニッサンGT-R、FR型となったホンダNSX-GTの3台が集結すること。
レースウイーク中はビクトリースタンド裏に3台が展示されるほか、決勝日には揃ってのデモランも行われる。ファンの前で2020年型GT500が走行するのは、これが初めての機会となる。展示されているマシンでディテールをしっかりチェックし、デモランでのその走りを目に焼き付けよう。
そしてスーパーGT最終戦ならではのイベントが決勝レース終了後に行われる『グランドフィナーレ』。レースを終えたばかりのGT500、GT300の全ドライバーが集結し、1年間応援してくれたファンに感謝を伝えるイベントだが、激闘を終えて“ノー・サイド”となったドライバーたちへ声援を伝えるラストチャンスとも言える。戦いを終えて和やかな表情のドライバーたちを間近に見られる機会でもあるので、こちらも必ず参加しておきたいイベントだ。
注目トピックス満載の2019年スーパーGT最終戦ツインリンクもてぎ。各種観戦チケットは各種プレイガイドなどで絶賛発売中。すでに完売している観戦エリアや残数が限られている観戦席も多いので、チケットの購入はお早めに。
詳しい情報はツインリンクもてぎの公式ホームページをチェックしよう。
