レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.11.23 21:00
更新日: 2019.11.24 08:45

ホッケンハイムのリベンジを果たした日本勢のアプローチ。富士で掴んだタイヤ特性とDTM車両との違い

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | ホッケンハイムのリベンジを果たした日本勢のアプローチ。富士で掴んだタイヤ特性とDTM車両との違い

 実質、最後尾争いに終始してしまったDTM最終戦ホッケンハイムに参戦したスーパーGT車両。しかし、今回の富士での交流戦ではレース1ではスーパーGT車両が表彰台を独占し、DTM勢はアウディ・スポーツジャパンRS5 DTMのブノワ・トレルイエの6位が最高位という結果になった。ホッケンハイムと今回の富士で、日本勢はどのように巻き返したのか。

「ホッケンハイムでのデータを元に、普段の富士で走っているセットアップと合わせて今回持ち込ました。(木曜日の)ドライコンディションの時点でセットアップは比較的悪くはないなと思っていて、(金曜日の)ウエットではもう少しダウンフォースが合った方がいいとか、もう少し(足回りのセットアップが)軟らかい方がいいという話にはなりましたけど、(土曜日のセミウエットの)今日は大きく代わっているわけではないですね」と話すのは、ポール・トゥ・ウインを果たしたKeePer TOM’S LC500の小枝正樹エンジニアの予選後の言葉。

 ホッケンハイムではセットアップの基準すらわからない状況だっただけに、少なくともKeePerはベースのセットで戸惑うことなく、今回の富士に合わせ込むことができたようだ。

 一方、同じくホッケンハイムでデータを得ながら、木、金と不発に終わってしまったのがRAYBRIG NSX-GT。金曜午後の雨のセッションでは20番手に終わり、「何が問題なのかもわからない」と山本尚貴が話すように、お手上げの状況だった。

 だが、土曜のダンプコンディションでは山本が3番手タイムを叩き出し、レースでも3位フィニッシュと、望外とも言える表彰台を獲得するに至った。木・金の大不振から土曜の躍進の間に何が起きたのか。RAYBRIGの伊与木仁エンジニアに聞く。

「ある意味、昨日(金曜)までのセットアップをかなぐり捨てました」と、伊与木エンジニア。

「僕がホッケンハイムで感じた経験の延長で今回の富士のセットアップを持ってきたんんですけど、ここではまったく違った。日本で走っていた状況よりも完全に(サスペンションのセットアップを)軟らかくしなければ走れないというのがあったんですけど、(金曜の)ドライではそれが通用しなかった。(山本)尚貴もホッケンハイムで走ったわけではなくて経験がなかったから、どうしていいかわからない。昨日の夜、いろいろ考えて一か八かというわけではないけど、こっちじゃないかという別の方向で進めたらうまく走れるようになりました」と伊与木エンジニア。

 そのセットアップの方向は、「硬いのと軟らかいのの中間。ドイツと日本の中間」とヒントを話す伊与木エンジニア。前出の小枝エンジニアと共通している部分が感じられる。

 一方、木曜のドライ、そして金曜のウエット、それぞれのセッションでトップタイムをマークするなど一躍、今回の優勝候補に名乗りを上げたModulo Epson NSX-GTの牧野任祐だったが、土曜の予選では20番手、決勝ではタイヤトラブルに見舞われる不運もあったが同じく20位でレースを終えることになってしまった。レース後の牧野が振り返る。

「朝のウエットに関しては、前日のウエットが調子良すぎて、セミウエットの予選の時の内圧が高すぎました。後から聞いたら、僕の冷間が他の人の温間くらいでした。足も軟らかすぎで走れませんでした」と牧野。

 木、金のタイムとポジションが良すぎたために、コンディションが変わった土曜日のダンプコンディションに向けては新しいセットアップを試しずらい状況になってしまい、それが裏目に出てしまった。

 その土曜日の予選では、ウエットタイヤでの一発タイムの出し方にも、ノウハウが見られた。ポールを獲得したキャシディは10周した3周目のタイムがベストタイムで、2番手のアウディRS5 DTMのロイック・デュバルも11周のうちの3周目、3番手の山本尚貴は10周のうちの9周目にベストタイムをマークしているが、これはタイヤを履き替えてすぐに出したタイム。つまり、今回のダンプコンディションでのハンコックのウエットタイヤは、温まりがとても早く、同様に内圧の上がり方も早い。その傾向を把握していなければ、適切なタイミングで予選タイムが残せなかったのだ。

■ホッケンハイムと富士スピードウェイの路面μの差が日本勢を後押し。ストレートはスーパーGT500に歩があり


関連のニュース

スーパーGT レース結果