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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.12.17 11:51

スーパーGTストーブリーグ:ソフト、ハード両面強化が急務のニッサン陣営。2020年はデュバルが加入か

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スーパーGT | スーパーGTストーブリーグ:ソフト、ハード両面強化が急務のニッサン陣営。2020年はデュバルが加入か

 2020年に向けたシート争いは、いよいよ大詰めを迎えつつある。12月13日(金)発売号のauto sport No.1521では、スーパーGT GT500とスーパーフォーミュラのストーブリーグ情報を掲載している。ここではその【GT500ニッサン篇】をお届けしよう。

 誌面では今季のドライバーラインアップをベースに、相関図で各ドライバーの動き(離脱・移籍・新規加入など)を分かりやすくビジュアル解説しているので、ぜひチェックを。
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 2019年シーズンに向けて本山哲をエグゼクティブアドバイザーに配し、ドライバーラインアップの大幅な見直しをはかってきたニッサン陣営。しかし、最終的なシリーズランキングではニスモこそ3位につけたものの、B-MAXが同9位、インパルが13位、KONDO RACINGが14位と惨敗を喫した。

 この結果は深刻に受け止める必要があり、2020年に向けても引き続き抜本的な改革が求められる状況にある。

 そのなかでも、とくに気がかりなのがインパルの不振だ。オフシーズンのテストでは驚くほどの速さを示していたにも関わらず、開幕以降シーズンが進むにつれてその勢いは失われていった。

 ニッサン陣営唯一のブリヂストン(BS)ユーザーではあるが、レクサスやホンダを見る限りBSタイヤのパフォーマンスに問題があるとは到底考えづらい。また、関口雄飛と平川亮という布陣で戦うスーパーフォーミュラの戦いぶりを見ても、インパルのチーム力そのものに疑いの余地はない。

 では、なぜこれほどまでに苦戦を強いられているのか。レースウイーク時のカルソニックを見ていると、週末をとおした組み立てに難があるように見える。持ち込みセットで外すことは少なく、レースウイークの走り出しも決して悪くない。

 しかし、そこから先の段階でドライバーが目先の「アンダーステア」や「オーバーステア」にとらわれてしまい、その結果、決勝に向けてクルマをまとめきれないケースが多く見受けられる。

 また、決勝レースではグリッドからポジションを落としてしまうケースも少なくない。「インパルのドライバーは、来年ふたりそろって変更されるのでは?」というパドックの噂は、こうした点を根拠として出てきていると思われる。

 また、関係者のあいだでまことしやかにささやかれている“もうひとつの噂”に、ニスモの松田次生とB-MAXの平手晃平が入れ替わるというものもある。

 ニッサン/ニスモがかつての本山、そして現在の次生に代わる「新たな日本人エース」を探し求めていることはいまに始まったことではない。2019年からニッサン陣営に移籍し、難しいSUGO戦を制した平手がそのポジションに抜てきされるのではないかという憶測から生まれた噂だろう。

 しかし、auto sport本誌としては、その計画は実現されずに次生はニスモで、平手はB-MAXで走ると予想する。というのも、フレデリック・マコヴィッキが、2020年は北米IMSAに参戦すると発表されたためだ。

 ニッサン陣営にとってニスモと同じミシュランタイヤで走る3号車はデータ共有の観点からも重責を担う1台で、2年連続してドライバーを総入れ替えするとはいくら何でも考えづらい。そのため、平手は今年と同様にB-MAXで走る可能性が高いと見る。

 ここまでの話を整理すると2020年、ニッサン陣営はマコヴィッキ、佐々木大樹、ジェームス・ロシターの3名が離脱する可能性が高い。裏を返せば新たに3名のドライバーを探さなければならないわけだ。

 順当にいけば、その候補のひとりにはロシターに代わって急きょオートポリス戦を走った千代勝正が挙げられる。また、ニッサン陣営の急所としてスーパーフォーミュラを現役で走るドライバーが存在しないことも挙げられるが、少し視野を広げるとB-MAXでスーパーフォーミュラを走るルーカス・アウアーという選択肢もありかもしれない。

 さらに、先日行なわれたDTMとの特別交流戦のために来日したメンバーのなかにも候補になりそうなドライバーはいる。ロイック・デュバルはその筆頭で、本人も公の場で「ふたたび日本のGT500を走りたい」と明言している。ほかの外国人ドライバーと違う点は、デュバルはすでに日本のサーキットを熟知しており、即戦力として期待できる点だ。

 また、GT300でサッシャ・フェネストラズとコンビを組み、最終戦までチャンピオンの権利を保持していた平峰一貴も候補のひとりだろう。

 ニッサン/ニスモ陣営が彼らをどう配置してくるのか? auto sport本誌としては3号車を平手/デュバル組、12号車は千代/アウアー組、24号車にはタイヤ開発の継続性という観点から高星明誠/ヤン・マーデンボロー組というラインアップで挑んでくると読むがどうだろう。

 こうしたソフト面のテコ入れと同時に、いまのニッサン陣営にとって絶対に欠かせないのがハード面の強化だ。とくにエンジンに関しては出力、ドライバビリティ、信頼性のあらゆる面でレクサスとホンダに大きく遅れを取っている。

 特別交流戦では、今年から2リッター直噴4気筒ターボを導入したばかりのDTM勢にさえ後塵を拝してしまった。何より「富士では使用が禁じられたDRSやプッシュ・トゥ・パスの使用を前提としたファイナルギヤ設定」のDTM勢に敗れてしまったことが深刻。

 ニッサンが蘇るためには、まず第一にエンジン性能向上が求められ、そのうえでドライバーラインアップなどの体制強化をはかってくると思われる。


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