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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.05.05 22:11
更新日: 2020.12.18 02:00

開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:PACIFIC – D’station Racing

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スーパーGT | 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:PACIFIC – D’station Racing

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第33回目は、GT300クラスに参戦するPACIFIC – D’station Racingだ。

■PACIFIC – D’station Racing

マシン:PACIFIC NAC D’station Vantage GT3
ドライバー:藤井誠暢/ニッキー・ティーム
カーナンバー:9
エントラント代表:神野元樹
総監督:佐々木主浩
タイヤ:ミシュラン

 2020年のGT300クラスにおいて、注目を集めているチームのひとつがPACIFIC – D’station Racingだ。GT300に長年参戦し、光る速さをみせてきたPACIFIC RACING TEAMと、2019年からアストンマーティン・バンテージAMR GT3を投入し、上位を争ったD’station Racingが、さらなる体制強化を目指しコラボレーション。トップを狙うチームができあがった。もともと強固な両チームの体制に加え、アストンマーティンとミシュランの組み合わせ、藤井誠暢とAMRワークスドライバーのニッキー・ティームの起用と、話題はとにかく多い。

 今季からのコラボレーションだけに、それぞれのチームの歴史を振り返らなければならないだろう。まずPACIFIC RACING TEAMは、もともと2000年に設立された『パシフィックプロモーション』が起源だ。プロモーションという面では、2007年にミス日本の中部北陸ブロック代表・全国グランプリを輩出したこともあるほどだ。

 パシフィックプロモーションは、現在もともにサーキットを舞台に学生たちが研鑽を積んでいる中日本自動車短期大学(NAC)とともに、ソーラーカーでのシルクロード横断など、さまざまなプロジェクトをプロデュースしてきた。2009年にはNAC内に新たにモータースポーツエンジニアリング学科が開設され、産学連携による未来のモータースポーツに関わる人材の育成と業界の発展を目的として実践的な教育を開始する。そこで学生により良い環境を提供するべく生まれたのが『PACIFIC RACING TEAM』だ。

 2010年からは、LMP MOTORSPORTとともにスーパーGTでのピット作業等における実践的な研修制度をスタートさせる。2011年からは『侵略!? イカ娘』のカラーリングとなり話題となった。このチームからは山内英輝や井口卓人など、若手ドライバーも育ってきたのが特徴と言える。またその後も、『攻殻機動隊ARISE』や『ラブライブ!』、『ミライアカリ』といった、キャラクターのカラーリングをまとうことが多いのも特徴だろう。

 さらにもともとプロモーションを行う企業ということもあってか、『Pacific Fairies』と名付けられたレースクイーンユニットも業界屈指の高い人気を誇っているのも特徴。2017年には、日本レースクイーン大賞の3冠を史上初めて獲得している。

 一方、D’station Racingは全国でアミューズメント事業を展開しているNEXUS株式会社のCSR活動の一環として、モータースポーツへのスポンサードをスタートさせた。もともとNEXUSの星野敏代表は、オリンピック出場を目指した国内トップレベルのフェンシングの選手で、企業としてスポーツ支援に非常に熱心だ。さらに星野代表自身もアスリートとして、今もモータースポーツに果敢に挑戦している。

 スーパーGTには2011年、D’STATION KeePer SC430のスポンサードで参入を開始し、2012年からはKONDO RACINGをサポート。2017年からは新たにD’station Racingを結成し、GT300、ピレリスーパー耐久シリーズをはじめ、WEC世界耐久選手権やアジアン・ル・マン、ドバイ24時間など、さまざまなレースに挑戦している。チーム創設から就任した佐々木主浩総監督もほぼ全レースに帯同しており、その勝負勘は表彰台を得たレースでも発揮されている。

 ちなみにNEXUSのアミューズメント事業の店名であるD’stationは、平成7年7月7日に第1号店の創業を開始した。店名は『ドラマチックで、ダイナミックな感動発信基地』という意味でDream(夢)、Dramatic(感動的、印象的な)、Dynamic(力強くいきいきと躍動する)の『D』と『発信基地』の『station』が組み合わされた名だ。D’station Racingとしてはカーナンバー『7』や『777』を愛用してきたが、ラッキー7でもあり、創業日にもちなむものだという。現在緊急事態宣言の下で全店臨時休業中だが、再開の際には意識してみると面白いかもしれない。ちなみに、『D’STATION FRESH ANGELS』というユニット名で活躍するレースクイーンが人気なのはD’station Racingも同様だ。

 そして両チームは今季からコラボレーションして『PACIFIC – D’station Racing』として戦うことになる。カーナンバーはPACIFIC RACINGの『9』を使うことになるが、このカーナンバーは2013年から使われているものだ。

 それまでは『27』を使っていたが、2013年にタイアップした『攻殻機動隊ARISE』が『9』の由来だ。主人公である草薙素子が劇中で所属するのが『公安9課』だったことから採用された。ちなみに翌年は『ラブライブ!』とタイアップするが、こちらも主人公のグループ『μ’s』のメンバーが9人だったことから相性が良く、継続して使用。いまやすっかり定着した番号と言えるだろう。

 すでに岡山公式テストでは、両チームが連携しながら走行を重ねた。PACIFIC – D’station Racingが秘めるポテンシャルにはライバルたちも注目している。開幕後、どんな戦いをみせてくれるだろうか……?

2020年のスーパーGTに挑むPACIFIC NAC D'station Vantage GT3
2020年のスーパーGTに挑むPACIFIC NAC D’station Vantage GT3
2012年のPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ
2012年のPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ
2013年のNAC攻殻機動隊ARISE DR ポルシェ
2013年のNAC攻殻機動隊ARISE DR ポルシェ
2015年のPACIFIC マクラーレン with μ's
2015年のPACIFIC マクラーレン with μ’s
2016〜18年はGULF NAC PORSCHE911としてガルフカラーをまとった。
2016〜18年はGULF NAC PORSCHE911としてガルフカラーをまとった。
2019年のD'station Vantage GT3
2019年のD’station Vantage GT3
2019年のスーパー耐久に参戦したD'station Vantage GT3。「777」をつけ新型バンテージGT3の世界初勝利を飾った。
2019年のスーパー耐久に参戦したD’station Vantage GT3。「777」をつけ新型バンテージGT3の世界初勝利を飾った。
2019年のPACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE
2019年のPACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE


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