レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.05.07 20:17
更新日: 2020.05.07 20:23

開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:TEAM MUGEN

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:TEAM MUGEN

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第34回目は、GT500クラスに参戦するTEAM MUGENだ。

■TEAM MUGEN

マシン:TEAM MUGEN NSX
ドライバー:武藤英紀/笹原右京
カーナンバー:16
監督:中野信治
タイヤ:ヨコハマ

 日本はもとより、世界でもクルマ好きならば知らない人はいないのではないかというほどのブランドが『無限』。ホンダ創設者の本田宗一郎氏の息子である本田博俊氏と、後にホンダ社長となる川本信彦氏、木村昌夫氏らによって1973年に創立された。「取り組むべきことに限界はなく、前進していく」という思いから『無限』と名付けられ、73年にはFJ1300用エンジンのMF318を開発し、高武富久美のドライブで11月の鈴鹿でデビューウインを飾る。

 それからの歴史は、日本のモータースポーツ史の一部でもある。モトクロスでの活躍に続き、1981年に開発されたRA262EエンジンがF2を席巻。F3000用MF308、F3用MF204など、日本のみならず海外でも数多くのタイトルを獲得した。

 1991年からは、F1のティレルに供給されたホンダV10のメンテナンスを開始すると、1992年から鈴木亜久里が所属するフットワークに無限MF351Hエンジンを供給。F1ではその後もロータス、リジェ/プロスト、ジョーダンへ供給。1996年モナコGPではリジェを駆るオリビエ・パニスが初優勝を飾り、中野信治も乗り込んだほか、ジョーダン時代は3勝を飾り、さらにタイトルも争っている。

 エンジンだけではなく、アフターパーツやレーシングパーツの製作、さらにレーシングチームとしての活動が無限としての柱。グループAで争われたJTC全日本ツーリングカー選手権では、ホンダ・シビックを走らせディビジョン3の主役として活躍。さらに継続してJTCC全日本ツーリングカー選手権にも参戦し、1997年には中子修がチャンピオンを獲得している。

 スーパーGTの前身であるJGTC全日本GT選手権には、ホンダNSX-GTを使って1998年から参戦を開始した。2000年には、道上龍がホンダ勢初のドライバーズチャンピオンに輝き、チームタイトルも獲得。2003年までGT500クラスで活躍した。

 組織変更によりM-TECとなった2004年からはGT300クラスに移り、こちらでも山野哲也/八木宏之組がチャンピオンを獲得。GT500のNSX-GTをコンバートしたマシンでの参戦は大きな話題となる。2005年もタイトルを争ったが、GT300での活動はここでいったん区切り。スーパーGTではTEAM KUNIMITSUの活動を担いつつ、ル・マン24時間を目指し、新たに無限MF408S/MF458Sエンジンを開発。ジャパン・ル・マン・チャレンジに挑んでいる。また、2010年からはフォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラに挑戦。山本尚貴を擁し2013年・2018年にチャンピオンを得た。

 スーパーGTには2012年に復帰。ハイブリッドを積んだホンダCR-Z GTでGT300クラスに挑み、2013年には武藤英紀/中山友貴のコンビで見事チャンピオンを獲得。2015年には中山と野尻智紀のコンビで参戦した。

 2017年には、満を持してGT500クラスに復帰。3年間を武藤と中嶋大祐のコンビで戦ったが、大祐の引退をうけ、2020年からは笹原右京が加入。さらにスペシャルコラボレーション『Red Bull WHITE EDITION』の特別カラーリングをまとい、新たな時代に踏み出すことになった。

 そんなTEAM MUGENだが、グループA参戦時は初期こそ『15』を使ったが、以降スポンサーに関連する番号をのぞき『16』がお馴染みだ。代々ホンダ系チームは10番台を使うことが多いが、この由来については、創設時は15を使用していたが、使用ができなくなった経緯があり、創設メンバーで話しあった結果、当時プロ野球で活躍していた某選手の背番号から16を使用したのが由来であるということだが、詳細までは確認がとれなかった。

 ただTEAM MUGEN=16というのは、いまや日本中のモータースポーツファンが認めるところだ。今季、スペシャルコラボレーションで“翼を授け”られたTEAM MUGENがどんな活躍をみせるのか、そしてどんなカラーリングでレースに登場するのか、今から待ちきれない。

2020年のスーパーGTに挑むTEAM MUGEN NSX-GT。岡山公式テストでは『Red Bull WHITE EDITION』の特別カラーリングとなった。
2020年のスーパーGTに挑むTEAM MUGEN NSX-GT。岡山公式テストでは『Red Bull WHITE EDITION』の特別カラーリングとなった。
2020年のスーパーGTにTEAM MUGENから参戦する武藤英紀と笹原右京
2020年のスーパーGTにTEAM MUGENから参戦する武藤英紀と笹原右京
1998年のCastrol無限NSX
1998年のCastrol無限NSX
2000年のCastrol無限NSX
2000年のCastrol無限NSX
2000年にCastrol無限NSXを駆った道上龍がGT500チャンピオンを獲得。ホンダ勢の初タイトルとなった。
2000年にCastrol無限NSXを駆った道上龍がGT500チャンピオンを獲得。ホンダ勢の初タイトルとなった。
2003年のG'zox無限NSX。伊藤大輔とトム・コロネルのドライブで第6戦もてぎを制した
2003年のG’zox無限NSX。伊藤大輔とトム・コロネルのドライブで第6戦もてぎを制した
2004年にGT300チャンピオンを獲得したM-TEC NSX
2004年にGT300チャンピオンを獲得したM-TEC NSX
2004年にGT300チャンピオンを獲得したM-TEC NSXの山野哲也と八木宏之
2004年にGT300チャンピオンを獲得したM-TEC NSXの山野哲也と八木宏之
2012年からGT300クラスに挑戦を開始したCR-Z GT。武藤英紀/中嶋大祐がドライブした。
2012年からGT300クラスに挑戦を開始したCR-Z GT。武藤英紀/中嶋大祐がドライブした。
2013年のMUGEN CR-Z GTは武藤英紀/中山友貴のドライブでチャンピオンを獲得した。
2013年のMUGEN CR-Z GTは武藤英紀/中山友貴のドライブでチャンピオンを獲得した。
2017年にはGT500に復帰。MOTUL MUGEN NSX-GTを武藤英紀/中嶋大祐がドライブした。
2017年にはGT500に復帰。MOTUL MUGEN NSX-GTを武藤英紀/中嶋大祐がドライブした。
2013年にスーパーフォーミュラで初戴冠を果たした山本尚貴(TEAM MUGEN)
2013年にスーパーフォーミュラで初戴冠を果たした山本尚貴(TEAM MUGEN)


関連のニュース