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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.05.20 20:15
更新日: 2020.05.22 17:47

開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:arto Panther Team Thailand

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スーパーGT | 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:arto Panther Team Thailand

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第36回目は、GT300クラスに参戦するarto Panther Team Thailandだ。

■arto Panther Team Thailand

マシン:arto RC F GT3
ドライバー:ショーン・ウォーキンショー/ナタポン・ホートンカム
カーナンバー:35
監督:ステポン・サミタシャ
タイヤ:ヨコハマ

 スーパーGTには、参戦するクラスや前年のランキングによってさまざまなシード分けがあるが、海外からの積極的な参戦を促すため、『インターナショナルチーム』という枠が2チーム分設けられている。この枠をスーパーGTで初めて使いシリーズを戦っているのがarto Panther Team Thailandだ。

 その名のとおりタイのチームだが、代表も務めるステポン・サミタシャ監督は『アトさん』のニックネームをもつ人物。1980年代から日本に留学し、15年ほど過ごしているため日本語も堪能。実は日本で暮らしモータースポーツを始めた頃、坂東正明GTアソシエイション会長とも交流があった。この頃についたニックネームが『アト(アットと発音することも)』で、『arto』と表記する。

 サミタシャ監督は、タイでモータースポーツ活動を展開しており、トヨタ・チーム・タイランドを率いる。2016年には創立30周年を迎えているので、1986年がチーム創設年となる。サミタシャ監督はチームを展開する一方で、自らドライバーとしても戦っており、タイのトップカテゴリーであるタイランド・スーパーシリーズにも参戦。トヨタ・チーム・タイランドはタイのトップチームとしてシリーズの主役とも言える存在となっていた。

 そんなトヨタ・チーム・タイランドは、2014年のタイ戦に土屋武士/ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナのコンビで初めてスーパーGTにワイルドカード参戦を果たした。このとき使われたマシンは、GT300マザーシャシーの初めて製造された1台。土屋はこのときエンジニアも務めており、マシンのもつポテンシャルをつかみ、翌年マザーシャシーを導入することになる。

 さらにチームは、2016年にナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/ピッティ・ビロムパクディのドライブでふたたびタイ戦にスポット参戦すると、2017年にはPANTHER TEAM THAILANDとしてシリーズ参戦を果たした。ドライバーはトヨタ・チーム・タイランド時代からエースとして活躍してきたジャルーンスルカワッタナと、ナタポン・ホートンカムのふたりだ。この年からチーム名としてついた『PANTHER』は、タイの大手通信企業であるトゥルー・グループのエンターテインメント企業の『パンサー・エンターテインメント』の名でもある。

 ちなみにチームのマシンカラーリングを見ると、タイ最大の複合企業であるCPグループ(日本でも食品を購入可能)や中国の大手金融グループである中国平安などなど、アジアの超大企業がスポンサードしているのが分かる。チーム名からも分かるが、タイの大きな期待も背負っているレーシングチームなのだ。チャン・インターナショナル・サーキットでのレースでは、まさに注目の的と言える。

 こうしてフル参戦を果たしたチームは、2017年こそフォーミュラに乗り慣れたドライバーでも苦戦するマザーシャシーに悩むことになるが、2018年からはレクサスRC F GT3を投入。高い安定感を披露しはじめた。また2019年には、ショーン・ウォーキンショーが加入し、さらにポテンシャルを上げている。2020年は岡山公式テストで第3ドライバーとして、WECでLMP1経験ももつマティアス・ベッシェも起用。楽しみな存在となっている。

 そんなarto Panther Team Thailandのカーナンバーは、2016年のスポット参戦時から『35』を使っている。これはフル参戦初年度のドライバーだったジャルーンスルカワッタナとホートンカムが、タイランド・スーパーシリーズで使用していたのが『38』、『39』だったが、当然スーパーGTではすでに使用済み。そこでトヨタ系チームということもあり、空いている中で選ばれたのが同じく30番台の35という数字だ。ちなみにサミタシャ監督は、タイでレースを戦うときにはカーナンバー『19』を使う。バンドウとのゆかりの深さがうかがえるだろう。

 arto Panther Team ThailandはスーパーGTでの活動に加え、タイランド・スーパーシリーズやニュルブルクリンク24時間への挑戦など、さまざまな活動を行っている。タイを代表するチームのスーパーGTへの挑戦はまだまだ続く。

2020年のスーパーGTに参戦するarto RC F GT3
2020年のスーパーGTに参戦するarto RC F GT3
2014年のタイ戦に登場したarto-MC86。GT300マザーシャシーの初登場となった記念すべきマシンでもある。
2014年のタイ戦に登場したarto-MC86。GT300マザーシャシーの初登場となった記念すべきマシンでもある。
2016年のタイにスポット参戦したArto 86 MC
2016年のタイにスポット参戦したArto 86 MC
2017年のARTO 86 MC 101
2017年のARTO 86 MC 101
2017年のARTO 86 MC 101。シーズン途中でカラーリングを大きく変更した。
2017年のARTO 86 MC 101。シーズン途中でカラーリングを大きく変更した。
2018年のarto RC F GT3
2018年のarto RC F GT3
2019年のarto RC F GT3
2019年のarto RC F GT3
ニュルブルクリンク24時間にはGAZOO Racing Team Thailandとして挑戦。トヨタCH-Rを走らせるなどユニークな車種での挑戦も。
ニュルブルクリンク24時間にはGAZOO Racing Team Thailandとして挑戦。トヨタCH-Rを走らせるなどユニークな車種での挑戦も。


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